「言論NPOの10周年を祝う会」に向けて
「言論NPOの10周年を祝う会」に向けて 聞き手:田中弥生氏 (言論NPO理事) |
これまでの10年と次の10年にむけた覚悟
田中:工藤さんこんにちは。12月5日に「10周年を祝う会」を企画されているようですが、その趣旨と内容をご説明いただけますか。
工藤:言論NPOは10年前に設立され、「健全な社会には健全な議論が必要だ」ということを唱えて様々な分野の議論をしてきました。しかしこの10年間、議論はしましたが、日本はそれで変わったのか、という思いがずっとありました。それで次の10年に向けて、新しいスタートを切るために、言論NPOの活動そのものも大きく見直す必要があります。それをこの「10周年を祝う会」で私から皆様に説明して行きます。
私は依然日本の言論が日本の社会のためにきちんとした役割を果たしていないと思っています。日本のメディアをはじめとした言論側の役割は不十分だと思っていますので、言論の役割についてもきちんと議論をしようと思っています。それで言論NPOの理事である高橋進さん(日本総研理事長)と9名のアドバイザリーボードの中から2名、宮本雄二さん(前駐中大使)と宮内義彦さん(オリックス㈱会長)を含めた3名で「日本の未来と日本の言論」というテーマで、何が日本の未来に問われているのか、また何が日本の言論に問われているのかについてパネルディスカッションを行います。その中では、何が言論側の責任で、何が言論NPOに問われているのかについても議論をします。そしてその後、僕から「言論NPOが次の10年で目指すもの」として10年の決意をご説明しようと思っています。
次の10年にむけた3つの転換
田中:ある意味10年で一括りだと思いますが、今までマニフェスト評価、「東京‐北京フォーラム」をはじめとした中国やアジアとの対話、それから市民社会についての議論ということで有識者を中心に議論をしてきましたが、これからの10年は何かアプローチの転換があるのでしょうか。
工藤:マニフェストや政策の議論、世界やアジアとの議論、また市民社会についての議論のこの3つの分野は、僕たちが議論をすすめてきた中で、特に力をいれた課題でありました。政治家任せではなく自分たちで政策を判断して政治を選ばなければいけない点、また日本が自分たちの将来を考えながら世界にきちんと発信していく仕組みが必要な点、そして市民が強くならないと日本は変わらないという点。この3点は僕たちが10年間重視してきましたが、これからも大事です。ただこの3つの分野の議論をどう進めるかについて、僕たち言論NPOは次の大きな転換が問われています。
まず、日本の将来にむかって、世界にきちんと発言するチャネルを強化して、そのための動きを立ち上げようと思っています。また、議論形成の過程において、知識層だけではなく、一般の市民、生活者が、「なるほど。そうだな」、とか「これはこういう問題ではないか」とかみんなで話し合い、それを政治に直接ぶつけていくという流れを作って行きます。今この2つの動きはどうしても実現しなければいけませんので今準備をしている段階です。12月5日の「10周年を祝う会」ではその概要をご説明しますが、来年の3月までにはこの動きを全て始動させます。
一方で今、言論NPOが「市民を強くする言論」という点で様々な議論を始めています。市民社会の中で課題解決のために動いている人が言論NPO以外にも沢山いますが、そういった人ともっとつながり、その方々の発言を表に出すべきだと思います。
また、市民社会の受け皿になるべき非営利セクターがその本来の役割を果たしているのかと考えると、今十分に果たしていないと思います。それに対して非営利セクターの中に質の向上をめざした競争を起こすため、非営利組織の評価基準をつくり、これは今年田中先生にもご協力いただきましたが、これを目に見える形で一気に浮上させようと思っています。
「言論NPOの10周年を祝う会」に是非ご参加ください!
工藤:これらの3つの動きを全て来年の3月までには、全てスタートさせ表に出していきますので、12月5日にはこれらの計画を報告して、同時に皆様の意見をお伺いして、パーティでもいろんな人と対話をしたいと思います。日本の将来に向けて言論NPOは本気で動きますので、是非パーティに来ていただきたいと思います。
田中:何かサプライズでもありますか。
工藤:そう思って動いていますが、いろんな準備が間に合うかどうかまだ大変で...。しかし間違いなく言論NPOは変わります。日本の未来に対して、僕たちは時間がないと思っています。このような覚悟でこれからも活動していきますので、是非皆様にもパーティに来ていただければと思います。
田中:正確な日時と場所を教えてください。
工藤:12月5日(月)、第1部のシンポジウムが18時からスタートします。また、言論NPOの今後の活動について報告する会もこの中で行います。シンポジウムにも先ほどご紹介いたしました方をはじめとしていろんな人が参加しますので、是非お越しいただければと思います。その後、19時より「言論NPOの10周年を祝う会」ということで1時間半程度パーティをします。場所は九段下のグランドパレスホテル(2階「ダイヤモンド・ルーム」)です。
田中:是非皆様ご参加いただければと思います。
「言論NPOの10周年を祝う会」
■ 日時 2011年12月5日(月)18:00~20:30(開場:17:30~)
■ 会場 ホテルグランドパレス 2階「ダイヤモンド・ルーム」
東京都千代田区飯田橋1-1-1(03-3264-1111)
<開催概要>
【第一部】
18:00~18:40 特別パネルディスカッション「日本の未来と日本の言論」
・高橋進(株式会社日本総合研究所 理事長)
・宮内義彦(オリックス株式会社取締役兼代表執行役会長グループCEO)
・宮本雄二(前 駐中国特命全権大使)
18:40~18:55 言論NPOが「次の10年」で目指すもの
・今井義典(前 日本放送協会副会長)× 工藤泰志(言論NPO代表)
【第二部】19:00~20:30 「言論NPOの10周年を祝う会」
<ご参加費>
お一人様 10,000円
※事前に下記口座までお支払いいただくか、当日受付にてお支払いください。 入金確認後、事務局よりご連絡させて頂きます。
三井住友銀行 赤坂支店
普通預金 7978550
口座名義 言論エヌピーオー
<お申込み>
お申込みフォームに必要事項をご記入いただき、ご登録ください。
<お問合わせ>
「言論NPOの10周年を祝う会」事務局
担当:山下・西村・水越 (Tel:03-3548-0511)
「言論NPOの10周年を祝う会」
呼びかけ人代表(50音順・敬称略)
明石 康、 小林 陽太郎、 佐々木 毅、 福川 伸次、 増田 寛也、
宮内 義彦、 宮本 雄二、 武藤 敏郎、 茂木 友三郎
呼びかけ人(50音順・敬称略)
会田 弘継、 朝比奈 豊、 安斎 隆、 井口 武雄、 石黒 光、 石破 茂、 市川 伊三夫、
今井 義典、 岩井 奉信、 内田 和人、 梅村 聡、 岡田 克也、 沖 大幹、 荻田 伍、
小倉 和夫、 片山 信彦、 加藤 紘一、 加藤 隆俊、 上 昌広、 川島 昭彦、 川中 敬一、
川本 裕子、 北城 恪太郎、 木村 伊量、 木村 陽子、 清川 佑二、 国松 孝次、 黒川 清、
小池 信行、 古賀 伸明、 国分 良成、 小島 明、 小島 邦夫、 斉藤 惇、 齊藤 誠、
佐藤 玖美、 佐藤 正敏、 塩崎 恭久、 篠沢 恭助、 渋澤 健、 島田 晴雄、 下村 満子、 生源寺 眞一、 白石 隆、 進 和久、 鈴木 寛、 鈴木 悠二、 仙谷 由人、 副島 利宏、
高徳 正昭、 高橋 進、 高原 明生、 高 寛、 武田 晴人、 橘フクシマ 咲江、 田中 最代治、
田中 弥生、 田波 耕治、 塚田 實、 辻中 豊、 土屋 了介、 土居 丈朗、 冨家 友道、
長島 昭久、 中谷 元、 中村 和夫、 中山 恒博、 西沢 和彦、 西寺 雅也、 西原 正、
早川 洋、 林 芳正、 原 丈人、 平野 英治、 廣瀬 修、 深川 由起子、 グレン・S・フクシマ、
福田 修一、 松井 道夫、 松下 和夫、 松田 隆利、 松田 学、 溝口 善兵衛、 蓑田 秀策、
宮澤 裕一、 目黒 公郎、 森 民夫、 安嶋 明、 矢野 光、 山内 直人、 山岡 義典、
山口 昇、 山下 俊史、 山田 啓二、 山田 孝男、 山本 正、 湯元 健治、 吉塚 康一、
脇若 英治、 渡辺 修、 渡辺 裕泰
2011年11月21日 15:30
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.genron-npo.net/mtos/mt-tb.cgi/3995
トラックバックルール
工藤ブログおよび言論ブログへのトラックバックは、基本的に歓迎いたします。
ただし、スパムや内容的に不適切と言論NPOが判断した場合は、予告なくトラックバックを削除させていただくことがありますので、ご了解ください。また、トラックバックいただいた文章につきましては、当方から本文中に引用させていただく可能性がございますので、予めご了承ください。
前の記事:日本の市民社会で何が始まっているのか - 政府の統治の喪失と、新しい変化の担い手とは
次の記事:健全な輿論の力で強い民主主義を作り出す―言論NPOが「次の10年」で目指すこと
Facebookアカウントでコメントする
Facebookアカウントがない人はこちらからご投稿下さい。
※尚、戴いたコメントは、システムの都合上、自動掲載されません。
担当者が選択し掲載させていただきますのであらかじめご了承ください。