明日の本格的な事前協議に向けて
明日の本格的な事前協議に向けて
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いま北京です。僕たちは今年の「北京-東京フォーラム」の事前協議のために北京に来ているのですが、気温が20度くらいあって暑いです。
さて、今回は、国連の事務次長をつとめた明石さんを団長に、前中国大使の宮本さん、元防衛事務次官の秋山さん、評論家の松本さんと私の5人で来ています。明日は東大教授の高原さんも合流します。
私たちは今回、今年の夏に行われる「第7回 北京-東京フォーラム」に向けて、いま、何を議論しなければならないのか、事前に協議をするためにやってきました。この事前協議は、今まで「北京-東京フォーラム」を6回やってきて初めてのことです。今回、なぜ初めて行うかというと、昨年9月の尖閣諸島事件以降、日中両国民の感情がかなり悪化したからです。この民間対話は、両国民の相互理解を進めるためにやってきましたが、色々な形での認識のギャップや、政府間のコミュニケーションの問題等の中で、それが直接国民感情の認識に跳ね返るという状況にあるのです。
そうなると、日中どちらが正しいか間違っているかということよりも、お互いがなぜそういう事を考えているのか、日中関係に対してお互いどんな認識を持っているのか、ということを、まずは本気で話し合ってみる機会が必要ではないのか、その中から今回のフォーラムの一つのアジェンダを見つけ出そう、というのが今回の事前協議の目的でした。
そういう流れを考えていたところ、日本では3月11日に東日本大地震が発生したのです。中国に来ても感じていますが、中国の人たちも、この地震のことを非常に気にしています。メディアでも日本のいまの震災の被害状況などがかなり報道されていて、日本のことを何とかしたい、という世論が非常に強いことを感じています。こういう状況の中で、私たちはもっともっとお互いの相互理解を深められる、という可能性を感じているわけです。
協議は、明朝9時から夜までずっと行われます。その後、記者会見を行い、協議の結果を公表することになっています。そこでは、尖閣諸島や今回の大震災の問題を含めて、今の日中関係のあり方や国民の認識に対して、日中の有識者がどのように捉えているのか、そして今後どう考えていけばいいのかということを本音で話し合います。その上で、安全保障や経済、メディア報道の問題などについて、夏のフォーラムで突っ込んで議論をするためのアジェンダ設定をどうすればいいのかということまで、じっくりと話し合ってみたいと思っています。詳細は明日、日本側参加者の間で座談会をやって、その中で日本と中国の協議結果をお伝えします。
言論NPOは震災の救済、復興の議論をかなりやっているのですが、一方で、こうした国境を超えた世界との対話にも力を入れています。日中の相互理解のための議論を、ここから本格的に始めます。ではまた、明日報告させてもらいます。
2011年3月31日 21:33
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