「議論の力」で強い民主主義をつくり出す
続いて行われたパーティーでは、言論NPOの活動にご支援、ご協力いただいている約300名が参加されました。
まず、アドバイザリーボード・メンバーである佐々木毅氏(学習院大学法学部教授)は、「言論NPOは、これだけ不安感の漂う時期にあって、大きな危機が起こることも視野に入れて議論を重ねてきた」とこの10年を振り返り、その上で、「正念場を迎える時期に差し掛かったかもしれないが、言論NPOが新たな段階に入れるようご協力をよろしくお願いしたい」と述べました。
次に登壇した明石康氏(財団法人国際文化会館理事長)は、東京-北京フォーラムの発展に触れ、「民間の対話は公式の対話を補足し補強するという重要な役割を担っている」と指摘。また、「メディアの質の向上は民主主義に不可欠であり、言論NPOは多くの質のよいデータを与えてくれる存在としてもっと逞しくなってほしい」と期待を表明しました。
続いて工藤が主催者として挨拶を行い、「この10年はまだ準備期間だったという人もいるが、そのような意見を大切にしながら、引き続き頑張っていきたい」と決意を語りました。
乾杯の挨拶に立ったアドバイザリーボードの増田寛也氏は、「言論NPOが10年続いたというのはそれだけ社会にとっての必要があったということ。健全な議論の素材作りのため、今後とも活動を盛り上げていってほしい」と述べ、アドバイザリーボードとしても協力を惜しまないと強調しました。
その後歓談をはさみながら、出席者から挨拶が相次ぎました。藤田幸久氏(財務副大臣)は自身のNGOでの経験を挙げ、「日中間では信頼関係をつくることが重要であると思ってきたので、そのようなネットワークを作っていただいたことに感謝したい」と東京‐北京フォーラムを評価。また、政治家として、世論に基づいた活動の重要性を指摘しました。
神野直彦氏(地方財政審議会会長)は「10年ひと昔」という言葉でこれまでを振り返る中で、「誰かいい人が出てこないかという『指導者の政治』では、観客の視点から政治を見ることになってしまう」と語り、将来の明確なビジョンを描くことの重要性を訴えました。
佐藤正敏氏(株式会社損害保険ジャパン取締役会長)は言論NPOの支援企業としての立場で、「言論NPOはこれまで世のため人のために戦ってこられた。我々も汗を流して協力したい」と、継続的な協賛の姿勢を示しました。
加藤紘一氏(衆議院議員)は「NPOが財政基盤を維持することも、日中の友好関係を維持することも非常に難しい。これから2,3年が大変だと思うが、ここでくじけてはいけない」と参加者にさらなる支援を求めました。
塩崎恭久氏(衆議院議員)は国会の原発事故調査委員会を例に挙げ、「政府の過ちの検証に民間がかかわるということはかつてなかった」と時代の変化を説明。「皆さんにフロンティアを切り開いてもらったが、私も新しい国の形を作れるよう努力していきたい」と決意を述べました。
続いて国内メディアを代表して会田弘継氏(共同通信社編集委員室長)、飯田政之氏(読売新聞東京本社論説副委員長)、山田孝男氏(毎日新聞社政治部専門編集委員)が祝辞を述べ、言論NPOのビジョンへの共感やあるべきメディアの姿について語りました。
佐藤玖美氏(株式会社コスモ・ピーアール代表取締役社長)は言論NPOが全国的なムーブメントとなるにはコミュニケーション戦略が必要であるとし、自身も積極的に関わっていく旨を表明しました。
最後に、言論NPO理事の高橋進氏が参加者に対し御礼を述べ、参加者に対して今後の支援をお願いし、本会を締めくくりました。
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