「議論の力」で強い民主主義をつくり出す
2010 / 05 / 27
[ 総論 ]
新しい公共 : 14点 /100点 |
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実 績
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実行過程
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説明責任
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12点 /40
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5点 /30
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-3点 /30
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「新しい公共」は鳩山前首相が、所信表明演説、施政方針演説で掲げた国つくりのビジョンのひとつで、退陣30分前に宣言文を出すほどの力の入れようだった。具体的には「新しい公共」円卓会議が開催され、その一貫として寄付税制改正案が提示され、地域社会雇用創造事業が施行された。鳩山前首相が掲げたビジョンは国民に新たな視点を提供し共感を呼ぶものであったが、その内実はかなり深刻である。第1に前首相の理念と円卓会議が示した方針の間に大きな乖離があり、新しい公共の担い手は企業であるとされ収益性の高い公共サービスに議論が偏重し、市民社会の視点が欠落した。第2に現状分析が不在のまま制度案が提示されている点である。税調から寄付税制への税額控除の導入とNPO法人の寄付免税資格について大幅な要件緩和が示された。しかし既に相当数のNPO法人が潜在的に資格要件をクリアしている可能性があり、低認定率の原因把握が不十分なまま誤った前提で制度案が提示された可能性が高い。第3に目的が不明確まま答えが先にありきで出された制度案の問題で、社会事業法人制度案は円卓会議メンバーから反論が出されているにもかかわらず政府対応案として残った。これは投資側に税額控除があるという株式会社制度でマネーロンダリングなどの危険性もはらんでいる。第4に目的が不明瞭なまま個人へ補助金の分配を行う制度で、H21年度の補正予算で措置された地域社会雇用創造事業がそれにあたるが、成果とその検証が不在のままバラマキになる危険性が高い。
円卓会議は1月より8回開催されたが、各委員の提案事項について審議不十分のまま政府対応案として列挙された。同会議最終日に委員2名の連名で円卓会議の意見と政府案は整合しない点があると意見文が出され、異例の事態が起こった。税制案については認定を税務当局から都道府県にその役割を移管する案が出されているが都道府県からの意見聴取が不十分である。地域社会雇用創造事業の受託事業者(12団体)は円卓会議のメンバーや経産省研究会のメンバーが中心だが、選定の仕方に疑問が残る。また受託事業者にはNPO法人が目立つが、10億~1億円の規模で受託しておりその運営能力に疑問がもたれる。
円卓会議の様子はインターネットで中継され配布資料も即時アップされていた。また寄付税制などについてもホームページにアップされており、総じて形式的な要件は満たしている。しかし、円卓会議については複数の委員から問題提起があったにもかかわらず、パブリックコメントを設けていない。寄付税制についても寄付文化の構築を目的とするなら市民に開かれるべきものであるが、ここでもそれが設置されていない。地域社会雇用創造事業については受託団体から他団体に下請けに出す仕組みをとっているが、そのルートが不透明である。また受託団体のHPには事業報告書や決算書など基本情報が開示されておらず、公的資金を扱う団体としては、情報開示の仕方が不十分である。
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