「議論の力」で強い民主主義をつくり出す
2010 / 05 / 27
[ 総論 ]
外交・安全保障 : 16点 /100点 |
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実 績
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実行過程
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説明責任
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16点 /40
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0点 /30
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民主党マニフェストでは、米国との「緊密で対等な関係」をつくるために「主体的な外交戦略を構築」することが掲げられていた。しかしその検討がなされた形跡はなく、日米問題での実質的な進展はゼロである。普天間基地移設問題では「県外」という首相の約束は実現せず、度重なる発言の変化によって地元自治体や米側との間で信頼関係を大きく損ね、今や普天間基地の移転先に関する地元合意も失われている。普天間基地の移設をいつ実現できるのか先行きは見えず、8月末までの具体的構想の取りまとめは予断を許さない状況である。これでは、課題解決に向けた進展どころか、大幅な後退とすら言える。また、日米地位協定の改定については未だ日本側から米側に提起された形跡はない。アジア外交を重視する姿勢は評価すべき点ではあるが、前首相が強調した「東アジア共同体」についても、その具体像やロードマップ、具体的な政策手段が描かれているわけではない。アジア各国との合意事項も極めて大まかなものであり、実質的な協力内容の策定は今後の交渉にゆだねられている。グローバルアジェンダへの積極的な関与の面では、ハイチ大地震において自衛隊派遣を行い、アフガニスタンに対して50億ドルにのぼるを実施するなど、形式上評価できる動きは多い。ただ、後者については意思決定に至る検討プロセスに関する情報も援助の成果に関する評価基準も不透明な以上、高い評価を与えることは困難である。
普天間移設問題では、過去の日米両政府の合意の経緯すら検証しないまま、場当たり的に思いつきの案を持ち出しては撤回するという事態が連続して見受けられた。鳩山前首相は繰り返し「最低でも県外」と公言していたにもかかわらず、これが実現できなかった以上、国民との約束を軸としたプロセスは破たんしている。また、同問題に関する日米共同声明と閣議決定はなされたが、前首相は日米合意を優先させた結果、辺野古移設に反対する連立与党の社民党との間で亀裂が現実化した。結果として、約束を守ろうとした社民党が連立を離脱し、連立の矛盾が露呈した形となった。
鳩山前政権が国際社会でいかなる価値の実現を目指そうとしているのかについては所信表明等で説明されているが、いずれも抽象的であり、「主体的な外交戦略」や「東アジア共同体」について、具体的な説明がなされていない。また、「対等な日米同盟関係」が単なるスローガンでないとすれば、具体的なビジョンや政策について説明するべきだが、それが正式に表明された形跡はない。米軍普天間基地移設をめぐる交渉でも、鳩山前首相が述べるのは個人的な「思い」だけで、どのような戦略を構想しているのか、なぜ在日米軍が必要なのかという安全保障戦略に関して国民に対して責任感を持って説明がなされたことはなかった。この問題では岡田外相、北澤防衛相も自民党政権下の日米合意の見直しを主張していたが、結局それが唯一実現可能な案との見解に転向している。なぜそのような見解に至ったかについて明確な説明は両氏からもなされず、総じて政権全体として重要な外交政策アジェンダについて説明責任を果たしたとは評価できない。
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