●議論の進め方1.フォーラム アジア戦略会議は、この工程表のうち、ステップ1からステップ3までを年度内(来年3月まで)に進みたいと考えています。「アジアの2025年」の勉強会(注)でも議論された通り、日本の将来像に向けて何らかのシナリオを描くためには、日本のアイデンティティーについてのある程度のイメージをできるだけ早く形成する必要があるとともに、世界の主要な潮流を把握する作業も、日本の強さ弱さの把握などの中で得られる視点があってこそ有益なものとなります。そこで、9月から年内にかけては、ステップ1とステップ2をできるだけ同時進行の形で進めることとします。 (注)「アジアの2025年」勉強会:明確な方法論と作業プロセスに基づいた戦略形成は、米国のペンタゴンが作成し、現政権のアジア戦略の基礎となっているとされる「アジア2025」レポートのその事例が見られることから、メンバーの谷口智彦氏の提案により、8月19日にその勉強会が有志の参加によって行われました。 当面のフォーラムの各会合では、現在行っている議論がこうした戦略形成作業のどの位置にあるかを常に明確に意識しながら、当面は、メンバーがそれに基づく問題意識を共有して各界の専門家と議論を交わす形を中心に進めていくこととなります。議論の形成にはメンバーが主体的に取り組み、ゲストスピーカーの参加はその問題意識の上でのヒアリングとして位置づけられることになります。そのプロセスで、それぞれの議論がどのような仮説の枝分かれの中で導出されたものかを明確化していくことができればと考えています。こうした議論展開を実現するために、必要に応じてメンバーの追加も考えていきます。 その後、来年3月のシンポジウムに向けてステップ3を議論し、来年度は、ステップ4、5に入っていきたいと考えています。 また、広く内外への発信と議論の呼びかけを行うため、本年12月と来年3月頃を目処に、それぞれ公開シンポジウムを企画したいと考えています。 2.雑誌 こうしたアジア戦略会議での議論は、雑誌「言論NPO」とも連動していきますが、次号では、この会議での議論形成に向けた二つの論争を公開することとしています。一つは、外交戦略に関するものです。先般、言論NPOが実施したアンケート調査結果を踏まえつつ、アジア戦略会議のメンバーである谷口智彦氏と国分良成氏が岡崎久彦氏を迎え、「日本外交のグランドストラテジーをどう構築するか」について座談会を行いました。その抜粋記事をウェブ上にも公開しました。もう一つは、日本の安全保障問題について、アジア戦略会議メンバーが企画した座談会で、北岡伸一氏、倉田秀也氏、谷勝治氏、夏川和也氏がこれに参加しました。
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