「2011年 日本に問われていることは何か」「言論NPOに期待すること」/ 発言者:高橋進氏

2010年12月18日


民間側が、色々な政策分野で触媒的な役割をしていく必要がある

高橋進氏高橋進(言論NPO理事、日本総合研究所副理事長)

 さっきもパーティーの中でどなたかが仰っていましたが、もうやらなくちゃいけない政策のリストができているわけですよ。ところが、リストが相互に矛盾する。その時に、どうやって優先順位をつけてやっていくかというのが、政治のガバナンスですよね。だけど、今の政府も野党もそれができていない。だから、そういうことについては民間からどうやって優先順位をつけていくのか、あるいは折り合えるところはどうやって折り合っていくのか。やはりその辺の接着剤というか、触媒的な役割を僕らがやらないといけないのではないかなと。そういう意味では、民間に研究所は沢山あるけど、僕は持論として、日本にシンクタンクはないと思っているんですよね。だから、言論NPOみたいなところが、本当の意味での日本のシンクタンクになれる可能性があるのではないかなと。アメリカのシンクタンクだと、どっちかに寄ってしまっているけど、言論NPOの場合は、そこは寄ってないで、むしろ接着剤になろうとしているわけだから、色々な分野で来年は、例えば社会保障の税制、色々なところで行き詰まっていて、前に進まなくてはいけない状況だから、色々なテーマで接着剤をつくっていけたらいいかな、と思っているんですけどね。だから、それは工藤さんの手腕にかかっているんじゃないんですか。