絞り込んだ政策で論争させるためにも、政治への刺激を与えることが重要
小島明(日本経済研究センター研究顧問)
工藤: 2011年、日本に何が問われていて、言論NPOに何が期待されているか。
小島: 要するに、今の政権ガタガタで、10月1日の所信表明演説で、日本でやることは決まっていると。しかし、歴代政権は先送りしてきた。まさに、そのことなんですよ、今の政権も先送りしている。もう問題は分かっているわけです。何をやるかと。今の問題は、要するに手続きばかりをやっていて、手続きを経て何をやるかが出てこない。要するに、方向性をはっきり示すということが、言論NPOの問題ではないかと。
工藤: 日本の政治が、ちゃんと実行しないですよね。
小島: 実行しない。決めるまでの手続きのことを色々やっているわけでしょ。仕分けもそうですよ。仕分けも本来は目標があったわけですから。そのこと自体が目標になっている。さっきも、政治家が選挙に当選することだけが目的になっていると言っていたけど、何のために政治家になるか、何のためにそういう立場にたちたいか。要するに、目標とういものとを忘れているのが、今の社会。
工藤: 存在のために、権力をとるためだけが目的になっていますよね。
小島: いつの間にか、そういうことに
工藤: それを維持するためのね。
小島: 一つには、二世や三世が出てきて、親の引き継ぐような要するに、中小企業の承継ビジネスみたいな相続政治になっているわけですね。それを変えなくちゃいけないですよ。
工藤: それを変えるのは、でもやっぱり有権者側の責任が非常に大きいですよね。
小島: ですから、政策論争をいかにして、政治家の間で生み出すかという。
工藤: そうですね。まず、政治家を引っ張りださないとだめですね。その政策を見える化しなければいけないですね。
小島: それから、色々なところで議論をされているけど、あんなに何十項目の政策を並べるのではなくて、優先順位、みんな矛盾しているし、資源も限られている。優先順位は何かと。3つですね。
工藤: マニフェストは電話帳じゃなくて、ちゃんと優先順位を決めて、
小島: なぜその優先順位かという理念がなければいけないし、その理念とセットした優先順位。絞り込んだ政策で論争させると。野党に対しても、野党も対案をしめせと。対案で国民にどちらが本当の政策なのかということを選ばせるというような、気概が必要ですね。
工藤: 政治家をそっちに引っ張り出すために、言論NPOはかなりプレッシャーをかけなければいけない。
小島: 刺激を与えないといけないと思いますよ。
工藤: 新しい変化を起こそうと思うので、よろしくお願いします。
小島: もう、何かがやってくれなくちゃ困るという気持ちは、一般の国民にもあるんだけど。
工藤: あるんだけど、無理だね。誰かが何かをというのではなくて、そろそろ自分で考えなければだめでしょ。日本の将来について。という段階ですね。どうも、ありがとうございました。