震災後の政府・政治の対応や復興に向けた今後のビジョンについて

2011年7月06日

 7月5日(火)、都内ホテルにて、言論NPOの第23回メンバーフォーラムが開催されました。今回は、文部科学副大臣の鈴木寛氏をゲストスピーカーとして招き、「震災後の政府・政治の対応や復興に向けた今後のビジョンについて」と題して議論が行われました。

 まず代表工藤は、「政局や原発の問題など、政府の対応が混乱する中、こうした状況をどう打開し、日本を立て直すのか。鈴木さんご自身のご意見を伺いたい」と述べました。

 鈴木氏はまず、震災後情報が錯綜する中で、「不確実な状況では何も決めないということが、我が国の政策形成過程では起こりかねない」と懸念を表明、自らが携わった医療関係者のネットワークに置いて信頼関係を基づいてその場その場でベストな決定を下したことに触れながら、「物事の決め方や実行の仕方など、メタレベルのガバナンスを変える好機だ」と指摘しました。

 そして、「現場の現状に対応していくためには、決める中身は現場に委ね、国はその決められたことを全面的に支えなければならない」「予算のあり方も、その額の確保には我々が全力をあげるが、使い勝手は極力市町村や地域住民のニーズに応えるものにしなければならない」と述べ、今こそ本格的な地域主権に取り組むタイミングとの考えを述べました。

 さらに、文部科学省において進めている復興に向けたプロジェクトを紹介し、「大学はいろいろなものが集まり、試行的に始まっていくのに適した存在。大学が復興の拠点となり、「行政とうまく連携しながら地域のニーズに応えていく」としました。

 その後の会場との議論では、「一人ひとりの政治家を見れば、個人として課題解決に取り組む政治家はいるが、一方で政府全体としてみたときに、課題解決型の統治が出来ていない現状をどう考えれば良いのか」といった質問の他、「外国との関係を考えると、今の政権と欧米との関係弱く、非常に危惧する。政権以外の民間の中でもいろいろな人が日本との関係を強化できるが、そういった関係構築が出来ていないのではないか」などの意見もなされ、鈴木副大臣を含めて活発な意見交換がなされました。

 最後に工藤は、「今回の議論では、情報管理をめぐる市民、消費者の行動や、それに関連する「風評被害」の問題など、考えなければならないたくさんの論点が提起されていた。こうした問題を、言論NPOは今後もいろいろな場を設けて考えていきたい」と述べ、本会を締めくくりました。

 次回のメンバーフォーラムは、中華人民共和国特命全権大使の程永華氏をお迎えし、7月20日に開催されます。

 7月5日(火)、都内ホテルにて、言論NPOの第23回メンバーフォーラムが開催されました。今回は、文部科学副大臣の鈴木寛氏をゲストスピーカーとして招き、「震災後の政府・政治の対応や復興に向けた今後のビジョンについて」と題して議論が行われました。