マーケット覆面座談会 (いずれも市場関係者)
A: 大手都市銀行
B: 外国証券
C: 大手証券
概要
田中外務大臣の更迭ショック後、マーケットは再び崩れ始めた。株価の下落と、円安、債券安の状況のなかで、政府も対応に動き始めたが、市場では再び危機意識が高まっている。一体、マーケットは小泉政権に何を迫っているのか。座談会に出席した市場関係者の3氏は、ブッシュ米大統領が来日する2月17日までに、具体的な対応策がなければ、3月末の株価は下がり続け、手に負えない事態になると警告する。
要約
昨年秋口からマーケットでくすぶっていた小泉改革への不信感は、すなわち小泉政権では不良債権処理が進まないのではないかという懸念は、法的処理ではなく、債権放棄を含む私的整理で決着した今年1月中旬のダイエー再建スキーム発表で増幅され、その後の田中外相更迭で一気に膨らんだ。田中外相更迭で小泉政権の唯一の頼みの綱であった支持率が急落、抵抗勢力の巻き返しによって、構造改革は頓挫するとマーケットは見たのだ。結局、小泉首相は何もできないだろうというあきらめムードがマーケットに浸透し始めている。今までの不安を抑え込んでいた部分を、一気に表面化させてしまった感じだ。
そのなかで、投資家は株を売らざる得なくなり、買い手がつかないなかで、さらに株価下落が進む危険性が高まっている。そこには、今年4月からの会計制度変更、ペイオフ解禁、持ち合い解消による銀行の株放出というようなすでに織り込み済みだった株安要因も重なっている。
3月末に危機が訪れると言われているが、2月中に政府がどういった対応をするかで3月末の株価は決まってしまう。その意味で、2月が小泉政権にとっての正念場であり、ラストチャンスだ。
では、いったい小泉内閣にいま何ができるのか。マーケットではすでに小泉首相には何の期待もしないという声もある一方で、本当の危機を認識しているとすれば、まだ打開策はあるとの見方もある。しかし、いずれにしても、もう時間はない。
これからプランを準備しているようでは、マーケットは納得しない。いま打ち出すとすれば、すでに法案が成立し、予算がつき、すぐに始動できる対策が必要だ。そこでクローズアップされるのがRCC(整理回収機構)を使った不良債権の買い取り、あるいは、債権流動化スキームである。
金融システム不安が広がりつつある今日、金融に対する信用が瓦解するようなであれば、経済全体が完全に崩れてしまう。小泉内閣はラストチャンスを生かせるのだろうか。
田中外務大臣の更迭ショック後、マーケットは再び崩れ始めた。株価の下落と、円安、債券安の状況のなかで、政府も対応に動き始めたが、市場では再び危機意識が高まっている。一体、マーケットは小泉政権に何を迫っているのか。座談会に出席した市場関係者の3氏は、