「議論の力」で強い民主主義をつくり出す
今、日本の問題は何かというと、一つは、政治が極めて不安定だということです。この5年間に総理大臣が5人、つまり1年に1人ずつ出ている、これは大変な問題ですし、これに象徴されるように極めて不安定になっているということですね。加えて、その原因になっていることかもしれませんが、ポピュリズムが横行している。これは与党も野党も両方ともそうなのです。自分たちの選挙のことしか考えない。自分たちの信ずる道を国民に訴えるのではなく、国民にごまをするという態度が見え見えです。これはまさに民主主義の危機だと思っているので、何とかしなければいけない。
2011 / 09 / 07
[ コラム ]
先日の民主党代表選を見ていて、「こんなものなのか。」とあらためて考えさせられた。各候補とも情緒的な話がほとんどなのである。
すっかり有名になった野田新代表(総理)のドジョウ演説は確かに聞かせるものであったし、政治家であれ誰であれ、人間は所詮感情の動物と醒めた眼でみればそれまでなのだが、この危機的状況の中で、国の舵取りを担うリ-ダ-を選ぶ際、まず聞きたいことは彼らの生い立ちでもなかろう。
50数年ぶりの本格的な政権交代で盛り上がった変化の潮流は急速に萎みつつあるようだ。内閣支持率がかくも短期間(実質6カ月)で大幅に低下したのは大変な驚きである。これは何も日本だけの現象ではない。米国でもあれほど人々が熱狂したオバマ政権の人気にも急速に陰りがみえている。しかし、変化の可能性を秘めているかもしれない新政権をこういとも簡単に見限ってしまっていいのだろうか。
ここのところ気持ちが悪くてしようがない。慢性の二日酔いではない。ますます激しくなっている世論の振れのためである。タマゴとニワトリどちらが先か分からないが、大手メディアも相変わらずの振れようである。ケインズの一般理論にある「美人投票」の例え話(注1)さながら、小選挙区下の有権者がこれまで以上に風向きを見ているということなのか。
かつて共産主義諸国は国有のモノバンクシステムをとっていた。これは複数銀行による競争で効率を向上させるというよりは、競争を回避して安定性を確保する、銀行間で資金移動が起ると決済の確実性が得にくく、かつ預貯金という資源が移動期間だけ活用されずに無駄遣いされる、という考えによるものであった。さらに、経済の太宗を占める国有企業間では.....
私は1年の3分の1を海外で過ごしている。日本にいると、気分の問題だが、最近は気が滅入ることが多い。特に、中国や香港に滞在してから帰国すると、街中に溢れるネガティブなキャンペーンなど、日本の活気はいったいどこにいったのだろうと嘆かざるを得ない。日本のリーダーたちは、なぜ日本の将来の青写真を描こうとしないのか?
昨年初め、ラスベガスで行われた世界最大のコンシューマエレクトロニクス展(CES)に行ってきました。以前はこの種の展示会では日本企業は大きな存在であり、ブースの数や大きさに留まらず、発表される新製品や製品戦略など一つひとつの動向に世界中の注目が集まったものでした。ところが日本が得意としてきたこの分野においてもその存在感は薄れ.....
『悪貨は良貨を駆逐する』。エリザベス一世財政顧問であり、シティー繁栄の元となった王立取引所創始者のトーマス・グレシャムの言葉(彼が言ったのかは疑問)は言論の場にもいえることである。情報通信革命の進展下、WEB上では匿名掲示板が花盛りであり.....
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