4日間の韓国訪問を終えて
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工藤:今、金浦空港にいます。4日間の日程を終えて、これから日本に戻ります。今回の韓国訪問でいろいろな人たちと話をすることができました。
民主主義にとって重要なのは有権者の力
元々は、「アジア・デモクラシー・リサーチ・ネットワーク(ADRN)」の会議に参加するためでしたが、その中で議論したアジアの国々は、「民主主義」ということに対して、大きく悩んでいて、課題を色々と抱えていました。例えば、投票における不正、汚職の問題など、様々な問題が指摘されたのですが、日本の民主主義の状況とは違うな、ということを感じると共に、「民主主義」にとって、有権者の力、市民の力が大事だということを実感しました。
日韓・日中間に問われている民間の対話の力
一方で、今年から始めた「日韓未来対話」の準備のため、政治家や外交官OB、様々な形で議論をしている財団の人たちなど、色々な人たちと意見交換をしてきました。日韓間の国民感情が悪化し、政府間関係が動かない中で、日韓関係を対話の力で克服したいという動きに対しては、非常に賛同してくれました。中には、白熱しすぎて、数時間も議論した会合もありました。
従軍慰安婦の問題や歴史認識の問題、特に後者について、韓国を始めとするアジア諸国が、日本に対して非常に神経質になっていることもわかりました。これは、私たちが北京で発表した「不戦の誓い(北京コンセンサス)」をつくっていた時にも、近隣国の日本に対する見方は、非常に厳しいものだな、ということを感じました。しかし、それを乗り越え、なるべく早い時期に関係を正常化するためにはどうすればいいのか、という思いは皆さん持っているわけです。日中関係も日韓関係も、政府とは違う形での、民間の外交、民間の対話の力が問われていることを実感しましたし、期待が寄せられていることも感じました。
来年開催予定の日韓対話も、日中対話も非常に厳しい状況なのは変わらないと思いますが、それを克服しようとする人たちがいるということが分かったことだけでも、収穫だと思います。言論NPOも志を同じくする人たちと連携しながら、もっと強いリーダーシップを発揮していかなければいけない、と思ったところです。これから日本に帰ります。
以上、金浦空港から工藤でした。