国境を越えた民間対話のチャネルで課題解決を |
工藤:言論NPOの工藤です。
今、ニューヨークの空港に到着し、これから日本に帰ります。10日間にわたってアメリカに滞在し、いろいろな人たちと話をしました。デモクラシーについては、前回触れましたが、まさに民主主義ということの問いかけが、日本とアメリカとの間で通用すると感じました。私たちが行っている問いかけに対して、多くの人たちが共感してくれたことは、私たちにとっても大きな自信となりました。
今回の訪米を受けて、私たちのアメリカとの議論づくりのスタートが始まるのだな、という感じがしました。ただ、もう一つ感じたことは、ウクライナの問題でした。CoCの会議でもそうだったのですが、ウクライナ問題について特別のセッションを設けたぐらいで、ワシントンもウクライナの問題に関心を持っていました。どうして関心を持っているかというと、冷戦崩壊後に、国との対立よりもグローバルアジェンダに対して、世界が協調して取り組もうという流れが始まっていました。CoCの考え方も、それに対するアプローチでした。一方で、皆さん、地政学的な対立がまだまだあるのだ、と認識を新たにしていました。特に、東アジアにはそういった問題の縮図があるわけです。ただ、私は国家的な、地政学的な対立を、もっと国境を越えた民間の対話のチャネルで乗り越えたい、という非常に強い意志を持っています。
今後、もし、国家的な対立だけでグローバルな問題を考えるのであれば、そこには答えがないと思います。その問題に答えを出すためには、国境を越えた民間の世論の問題、つまりオピニオンが課題解決を迫っていくことが必要なのだと思います。我々の役割は、そういうところにあるのではないかと感じています。
これから東京に戻ると、すぐにソウルに行き韓国との対話を7月に行う予定です。そして、いよいよ中国との対話も迫ってきます。東アジアの緊張を、民間の力でどれぐらい乗り越えることができるのか。私はどうしても答えを出したいと思っています。
ということで、また東京に戻ったらどんどん発言していきますので、言論NPOのサイトで、私たちの活動に注目していただければと思います。
以上、ニューヨークの空港から最後の報告をお届けしました。