構想日本(JIフォーラム)共催 「道路関係四公団民営化推進委員会」中間整理を公表

2002年9月24日

020924_jiforum.jpg9月24日 構想日本と言論NPOの共催による
「道路公団改革」に関するフォーラム報告

9月24日、銀座ソニービル8階「ソミドホール」において、
構想日本第63回「J.I.フォーラム」――「道路関係四公団民営化推進委員会」中間整理を公表:「民営化」「国民負担なし」「凍結」はスローガンだおれ?――が、言論NPOとの共催で行われました。

討論者は、元建設大臣・水野清氏、経済ジャーナリスト・財部誠一氏と、言論NPOエコノミスト会議幹事で東洋大学教授の益田安良氏の3名、コーディネーターは構想日本代表の加藤秀樹氏でした。

会議では加藤氏が道路関係四公団民営化推進委員会の中間整理に関する問題点について、スライドを使って説明した後、3氏の議論が行われました。

この中で水野氏は、まず財政投融資が道路4公団に流れていることから道路公団の現状を問題化。そして、民営化推進委員会における議論の進め方の問題点を、委員会の実態を紹介することで明らかにしました。また、中間整理が提示した民営化のスキームでは道路の新規建設が担保されていることを特に指摘、この点が問題であるという点については水野氏自身が小泉首相に助言を行ったということも明らかにし、中間整理のスキームでは民営化が実現しないと述べました。

財部氏は、民営化とは何なのかの議論の前に、「道路は必要」という結論はじめにありきで、いい加減な需要見通し等を行ってきた官や政治家を実例を挙げて批判。道路建設計画をどういう政治的プロセスで、誰が判断するのかが重要な問題であるとしました。そして、この判断を唯一できるのが、経済合理性を追求できる完全民営化した会社であるが、現在の民営化推進委員会は非常に「政治的」に動き、妥協的なスキームを提示したことを批判しました。

今回言論NPOを代表して討論に参加した益田安良教授も、民営化推進委員会の中間整理の問題点として、「民営化」とは名ばかりであり、「民営化」がそもそもどういうものかという点での基本的理解を欠いている点、および「国民負担」全くなしでの民営化が果たして可能なのかという点を指摘しました。益田氏は、4公団すべての民営化を実現するのは非現実的であるとし、地域を分割し、採算のとれるものは民営化する一方で、例えば本四架橋のような不採算部分は、税金を使って処理するしかないのではないのかとし、4道路公団の資産と負債を一括して会社に引き継ぐことに疑問を投げかけました。また、採算がとれなくても必要な道路については、公共事業として一般財源から建設していくべきであろうと述べました。

道路公団改革に関しては、言論NPOとしても「民営化の原点に戻れ」という見解を発表して、民営化とは何なのか、国民負担なしでの道路公団再建が可能なのか、という点を問題提起しています。

9月24日、銀座ソニービル8階「ソミドホール」において、
構想日本第63回「J.I.フォーラム」――「道路関係四公団民営化推進委員会」中間整理を公表:「民営化」「国民負担なし」「凍結」はスローガンだおれ?――が、言論NPOとの共催で行われました。