「議論の力」で強い民主主義をつくり出す
言論NPOの活動にこれまで参加していただいた全国の有識者約6000人を対象に、2015年7月28日から1日間の期間でアンケートの回答を依頼し、回答のあった59人の回答内容を分析しました。
※各属性で示されている数値以外は無回答の割合。この頁以降、数値は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%とならない場合があります。
まず、「休眠預金等資金活用法案」の存在を知っていたかを尋ねたところ、「知っていた」は57.6%と6割近くいた。しかし、開会中の通常国会で成立目前にもかかわらず、「知らなかった」も40.7%いた。有識者レベルでも「知らなかった」が4割を超えていることを考えると、一般世論における認知度はさらに低いと思われる。
続いて、この法案に対する賛否を尋ねたところ、「賛成である」(「どちらかといえば」を含む)が44.0%で、「反対である」(「どちらかといえば」を含む)の30.5%を大きく上回った。
同法案では、休眠口座の活用先の具体的事業として、(A)生活困窮者その他日常生活または社会生活を営む上で困難を有する者の支援に係る事業、(B)子ども・若者の支援に係る事業、(C)地域社会における活力の低下その他の社会的に困難な状況に直面している地域の支援に係る事業、(D)その他、内閣府令で定める事業、を挙げている。そこで、この4つの事業のうち、特にどの事業に対して重点的に資金配分がなされるべきだと思うかを尋ねた。
その結果、(B)の「子ども・若者の支援に係る事業」が30.5%で他の3項目を大きく引き離している。ただ、「現時点では判断できない」が23.7%あるなど、判断を保留している有識者も2割程度いる。また、民間公益活動の多様性を踏まえたためか、「上記以外の分野にも資金配分すべきである」も15.3%あった。
最後に、休眠預金をめぐる管理・運営体制について尋ねた。同法案では、預金保険機構に収納された休眠預金を主務大臣が指定する指定活用団体に移管し、指定活用団体から助成機関や金融機関に委託をし、これらの受託機関から民間公益活動に従事する団体に配分あるいか貸付がなされることを想定しているが、こうした管理・運営体制が機能すると思うかを尋ねたところ、「機能しないと思う」が37.3%と4割近くに上り、「機能すると思う」の15.3%を大きく上回った。「どちらともいえない」も28.8%と一定数あり、有識者は現時点では管理・運営体制が実効的に機能するという確信を持つに至っていない。
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