「議論の力」で強い民主主義をつくり出す
私は、ご承知のように、小泉さんには、靖国神社参拝は辞めたほうが良いですよと、総裁選挙で約束したんだし1回目だけはしょうがないかなと、第1年目に総裁に呼ばれて意見を求められたのでそう申し上げて、8月15日は外してせめて13日にしたほうがいいんじゃないかと言いました。
今年の政治の世界はまぎれもなくポスト小泉の総裁選挙なんですが、私は、「誰がなるか」というふうに具体的な人名を入れた話は、本来は6月か7月ぐらいからスタートで十分だろうと思っています。なのに、マスコミの政治部は去年から、「4人のうちの誰か」みたいな話をやっています。
アジアの中で、われわれが取り組まなければならない課題はすいぶんありますが、現在、日本は中国と政治的にかなりまずい状況に陥っている。これを放置することは決して望ましくないと思います。そこでまず申し上げたいことは、政治の指導者はナショナリズムに流されては
では、日本の外交をどう考えるか。日本がグローバル・パワーでないとは言いません、しかし、日本がグローバルな役割を果たすことができるのは、あくまでアメリカの同盟国としてであって、日本が独自に、グローバルな舞台で、アメリカ、EU、あるいは長期的には中国に対抗してやっていく、
僕は、小泉さんという人はそれほど外交の人だとは思っておりません。基本的には、国の改革に政治的なエネルギーのほとんど注ぎ込んだ人で、国内の改革は非常に進んだけれどもに、外交は止まってしまった。では、外交はどうしてこういう状況になったのか。
日本はもちろん、アメリカからみると世界第二の経済大国だし、お金もある。飛行機もたくさん使います。そういう意味では、アメリカからみれば、市場として重要だということはよく分かるんですが、日本がなぜこれだけ片寄ってアメリカ一辺倒でなくてはならないのか、不思議に思うわけです。
私は、2005年の2月まではアメリカの政府の仕事やアメリカの会社で働いていましたので、日米関係をアメリカ側から見てきましたが、その後、ヨーロッパの会社に入ってヨーロッパから日米関係を見るようになると、想像していた以上に日米関係というのは特殊な関係だと思うようになりました。
靖国問題に関しては、小泉首相が言うように、「戦死した人に敬意をはらうために靖国を参拝するということは個人の自由であるし、他の国が批判するという理由から参拝しない」というのは正しいとは思いません。
日本を外国人の目から見ると、日本人は外交問題をもう少し真剣に議論する必要があると思います。現在の状況を見ると、日本は、韓国、北朝鮮、中国関係、ロシアといった国々との関係を見てもあまり良いとは言えません。
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