2008年2月15日
加藤紘一氏、添谷芳秀氏、若宮啓文氏が出席。
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福田政権に求められる役割は何か
工藤 次の設問ですが、福田政権の優先課題は何かというと、年金が一番多く、次が「所得格差や地方格差などの歪みの是正」、「財政再建」です。確かに安倍さんに対する優先順位とは少し変わってきています。
ただ、注目するのは、政権に求められている役割は何なのかというときに、多くの人が、今の構造改革を継続しながらゆがみを修正する(36.9%。安倍政権37.4%)か、構造改革路線は継続するが、壊す段階から新しいものを組み立てる内閣であるべきだ(34.2%。安倍政権32.6%)としていることです。安倍さんのときは、小泉さん流の改革をやるという人がまだ14.6%いたのですが、福田内閣ではそれは5.4%とかなり少なくなっています。
ただ、問題なのは、それを福田政権に期待できますかという話になったときに、まだわからないというのが27.7%(安倍政権20.5%)、期待できないが39.2%(安倍政権38.8%)ある。まだ、人々はこの福田政権が今の政権のアジェンダをちゃんとやれるかどうかに関しては非常に懐疑的で、だからやっぱり選挙という論理構成になっている。ハネムーンの時期を終わって、さあ何をするのかを少しずつ出してきた福田政権に何が期待できるのでしょうか。
皆が矛盾したことをしゃべって平気な日本国
若宮 改革を推進するのか、ゆがみを修復するのか、調査結果は後者にウエートがあるようですが、それだけでは今の株価低落に見られるように、日本はもう改革をやめたんだということで外国の期待も下がっちゃっていることをどうするのかという答えがない。加藤さんは小泉構造改革が諸悪の根源だと言ってきたわけだから、今の政権にはある種の期待を非常にかけておられるのかなという気もしますが。
加藤 アンケートをとると、改革は続けてほしいという答えが圧倒的に多い。では、今、世の中の格差が出たと言われていますがどうですかとたずねると、格差は是正しなさいという答えが圧倒的に多いのです。では、構造改革が格差をつくったのではないでしょうかとたずねると、わからないという答えが圧倒的に多い。ですから、今の福田政権がやらなくてはならないのは、改革とは何だったのかとか、それに伴ってこんな苦しみが出てくるけれども我慢してくれますかという、国民に選択をしてもらうことなのですが、その前に、矛盾した意見を整理して、考えのプロセスを丁寧に、わかりやすく引っ張っていくことが必要なのではないですか。みんな矛盾したことをしゃべって平気なんですよ、この国は。
工藤 特に今そういう状況になっています。
加藤 それで、みんな「けしからん、けしからん」と言っている。金儲けをすべての行動原理にしましょうといったら、すばしこっく、健康な、そして有利な都会にいる人間は、儲けて六本木ヒルズに住む。それがけしからんと言うなら、小泉改革とかグローバライゼーションとか、フリードマン以来のマネタリストの世界の潮流に批判的な目を向けなさいと言いたい。もう、大破局がその結果として今来ているわけでしょう。その足音がゴンゴン近づいているのに、何となくみんな平穏に過ごしている国で大丈夫なのかなということを、実は福田政権は問題提起しなきゃならない。あの落ち着いた福田さんがそんな問題提起をすれば、みんな真剣に考えると思います。
反グローバリズムが攘夷主義にからめとられる危険性
添谷 それはどういう意味ですか。グローバリゼーションの国内的なネガティブなインパクトを真剣に考える時期に来ている、そういう意味ですか。
加藤 そうです。それはもう明らかな話です。福田さんは外交に強い。だから、中国と韓国の関係はスムーズになったと思うし、アジア外交については、福田さんはラッキーな人で、中国のほうは国内の都市住民と農村戸籍の人たちの矛盾に政権が真っ青になっていますから、日本と対立なんかしている暇はないぐらいです。だから、唐家璇以下必死になって日中関係をよくしようとした中で、安倍さんが関係打開できたわけです。
今度、韓国に行って李明博氏に会ってきたら、やはり自分は大阪で生まれたという部分が心の中のどこかに残っているんでしょうね、我々日本人の議員団、ミッションに、えらく温かく、親近感を持っているのがはっきりとわかりました。
だから、日韓、日中はうまくやりましたから、国際経済のとんでもない波が来るかもしれないことに備えてアラーム態勢をとることが必要で、その中の大テーマは、グローバリゼーションの市場原理主義でやってきた竹中・小泉時代だけれども、このまま続けてはいけませんよという意識を国民の間に広めることじゃないでしょうか。
添谷 おっしゃる意味はよくわかりますが、ややもすると、まさにイデオロギー的な分裂にからめ捕られる危険性があります。先生は決して攘夷的な意味でおっしゃっているのではないと思いますが、一種の攘夷主義のようなものが一部の政治家ないし日本社会にあります。ですから、その議論はそちらに響いて、そちらの材料、政治的なエネルギーにされる危険性が常に表裏一体としてあります。やっぱりグローバリゼーションの中で生きていかなきゃいけないという現実は変わりようがないので、それに対応しながら、ひずみの部分も国内対策として手当てをしていくという、そういう政治の責任ないし決意をおっしゃっているように私は勝手に受けとめます。先生のご意見がまさに反グローバリズム的な政治的エネルギーにからめ捕られる危険性は、政治の中にいらっしゃって感じませんか。
加藤 その攘夷主義というのはどういうことですか。
添谷 何でもいいのですが、例えば、外資が入ってくることはもう思想的に許容できないというような話です。
加藤 それは、空港施設に外資参入を認めていいかとか、農業でしょう。
添谷 特別永住者の地方参政権の問題も、ひょっとしたらそうかもしれない。
与党も野党も余り選挙をしたくない
加藤 私が言っているのは経済政策におけるグローバライゼーションなのです。農業について再び保護的になっていると多分おっしゃったんだと思いますが、日本の農業は500兆円のトータルGNPの中の1.6%で、それを守ったからといってアンチ・グローバリゼーションではないと思います。保護している部分が極めて低いけれども、お米を守っているからグローバリゼーションの波に乗り遅れているというのは、違うと思いますね。空港施設に対する参入はかなりの国が認めていません。この国が攘夷主義的になっているというようには、余り思いませんが。
添谷 国がというよりは、そういう思想ないし政治勢力があるのではないですか。先生がそうだと言っているわけではありません。グローバリゼーションの中で生きていくときに国内的手当てをしなきゃいけないというのは、一般論で言えばどこの国でもやっているし、必要なことです。だから、そこのバランスをどう考えてやっていくかという問題に最終的には落ち着くのだろうと思います。これは言論界だけのことなのかもしれないけれども、攘夷思想というと若干言い過ぎかもしれませんが、とにかく内向きの、要するに土着のものに求心力を感じるような言論ないし行動というのが一部あると思います。
工藤 今の加藤さんの話を聞いてなるほど、と思ったのは、経済的なグローバリズムも含めて、何かを福田さんが語り出すと、何となく説得性があるのではないか、というところです。
今回のアンケートでは、福田さんは選挙までの暫定的な政権だという認識が結構まだあるわけです。けれども、今の状況を見ると、国民に何かのメッセージを伝えて、何かをすべきタイミングがどんどん出てくる、そういうことを迫られる。福田さんは落ち着いた、安心したというところから、次のステージに転換、テークオフ(離陸)できるかという段階にもう来てしまっているような気がしますが、どう思いますか。
加藤 今、正直言って与党も野党も余り選挙したくないのだと思います。それはそうでしょう。民主党の場合は、党首が選挙をやっても勝たない、だから、敵側と一緒になって、そこでナンバーツーをやりたいと言ってしまったのですから、選挙になるわけがない。自民党のほうは、去年総理大臣が突然やめてがたがたになっていますから、特に地方なんかはとてもとてもという状況がまだ続いていると思います。
既得権益イメージから脱却できない自民党
若宮 「べき論」と実態が違うということです。早期解散すべきだと私も思うし、朝日新聞もそう主張している。けれども、自民党は当然議席が激減するから嫌だし、民主党は今おっしゃったようなこともありますが、小沢さんのもとで選挙を本当にやるのかという疑問もある。民主党が政権をとったときの総理は誰になるべきかという設問に対して、岡田克也さんの名前を挙げた回答数のほうが上になっているというのはすごく驚きでした。だから、やっぱり延びてしまうのだろうと思います。
それはそれとして、改革かどうかというのは福田さんにとってはすごく悩ましいところでしょう。そこで、彼は争点をちょっとそらして、地球環境と消費者を取り上げた。これはもちろんそれぞれ大事なことだからいいのですが、改革かどうかということは言い始めると非常に矛盾が出てしまうので、看板にはするまいということだと思うのです。
しかし、加藤さんの言うこともわかりますが、すべて小泉改革が悪かったと言ってしまうほど、小泉改革が貫徹したわけではない。例えば道路の話でも、加藤さんは特定財源に賛成なのかどうかよく知りませんが、やはりあれは一般財源にして、暫定税率の部分は環境税的に変えていく、というようなことを打ち出せばいいと思います。しかし、それもどうもやらない。
行き過ぎた改革を戻すのはいいけれど、やはり自民党の中にかなりある、従来の既得権者に乗っかっている政権というイメージから脱却できない。いわゆる道路族であるとか、何とか族というのがありますから。ここはやる、ここは逆に行き過ぎたところだからこうするんだというめり張りがもうひとつ見えない気がします。
行き先が見えている道路財源問題
加藤 そこは確かにそうかもしれません。ただ、道路財源の話は、行く先はかなり見えているように思います。道路が必要です、地方政府の財源論としても、暫定税率は維持しなきゃいけませんという意味では、与党のほうにぐっと人は寄る。しかし、2番目に、でも1回の給油で1000円安くなりますねというと、また人はぐっと民主党に行く。しかし、世界で2番目に安い日本のガソリンだとリッター当たり61円の税金だけれども、外国はほとんど、自動車に余り乗っては困るみたいな禁止的な重課税をしていますよというと、ああ、サミットもある日本がさらに安くするなんて恥ずかしいねということになる。
すると、今若宮さんが言ったような、税率はそのままにして、ではどう配分するのかということになる。通常、ほかの公共事業と同じような割り振りのペースで行くとすると、4000億円ほど余ると言われています。すると、林野庁が環境税で取りたいと言って渇望していたのは1500億円程度です。半分回したって環境税の金額は成立します。だから、キーワードは環境だと思っていれば、この話はどこかで決着がつくのではないでしょうか。そういうことを福田さんが言えばいいのだと思います。
若宮 そうかもしれませんが、やっぱり地方分権を大事にすべきでしょう。今、地方からは道路、道路という声が確かに出ているけれども、一般財源にして道路に使いたければ道路に使えばいいし、もうちょっと福祉に使いたければ福祉に使える、それが分権というものでしょう。諸外国を見てもガソリン税を今下げるのはおかしいというのはわかるけれども、では、道路をつくるために全部ガソリン税を使っているなんていう国が先進国にありますか。道路特定財源に全部しているというのはないのではないですか。
加藤 あると思います。アメリカなんかはそうでしょう。クマがいっぱいいますから注意しなさいという道路は山ほどあるでしょう。日本より多い。だから、この話は決着がつくと思うのです。
若宮 本当かなあ・・・。
工藤 小泉さん、安倍さんには、この国の将来に向けての理念を国民に提供して、リーダーシップを発揮して国民と対話をしていくという流れがあったと思うんです。福田政権が選挙暫定内閣ではないとすれば、国民には何かを伝えていくような形に転換していかないと、既成政党に対する不信感が強まる。こちらのアンケートにはそれがかなり出ていて、要するに、永田町のゲームをやっているだけじゃないかという冷やかな感じがちょっと出てきているところもあります。そっちのほうが、日本の将来にとって非常に重要なのじゃないかと思います。次のステージに福田さんはきちんと向かえるのでしょうか。
既成政党への最大の批判は言葉が抽象的であること
加藤 私は、安倍さんよりいいと思っている。なぜかというと、今、既成政党に対する批判の最大の問題は、言葉が飛んでいるということだと思います。言葉が抽象用語で、レジームチェンジだとか、イデオロギーだとか、そういう話でわかりにくいし、もう聞きたくない。具体的に、では年金保険料はどこから集めるんですかとか、年金不信だったら、ではご家族で見るんですかとか、教育問題だといったら、道徳の理念も重要だけれども学校の先生が地域の中に入ってこなくなりましたねとか、みんなが私立の学校に行ったら地域で子供たちの対抗マラソン大会ができなくなりますねとか、そういう話で討論できる政治、国民が一緒に討論できる政治になりそうだなという感じをさせたのが小泉内閣だった。でも、よく考えてみると、郵便局を民営化すると日本は蘇えるなんて言ったけれども、蘇えっていない。だから、ああいう感じでいいから、もっと中身の濃いことをやってくださいということです。
安倍さんに対する批判の根っこにあるのは、生活の実感がないということだと思います。非常に失礼なことを言えば、幼稚園からずっと東京に育って、強い地盤をお父さんからもらって政治をやれば、人々の中に入っていかないから生活実感はないですね。それで、一見ありそうなことを言う小沢さんに票が流れたんです。だから、もう1回、生活実感のある言葉で、政治家は役所の言葉を一切使わず、書類を読んでもいいから、自分の言葉に翻訳して演説するようなことにならなきゃいけないと思います。
工藤 福田政権はまさに選挙管理内閣だと思っていたのですが、今のままいったら実態的には選挙をやりたくないわけで、そうすると、ずっと続くわけですね。これは一般の人たちからみれば、何をやっているのかということになり、ここにちょっとギャップがある。
官僚を使い、地道に積み上げるのが福田政権のやり方
添谷 福田さんの立場では暫定内閣だと思われ続けていることは決して好ましくない。だから本格政権とまでは急にいかないでしょうけれども、一般論としては、続けてほしいというようなものを今度の選挙の前に何か仕組めればということに当然なるだろうと思います。次の選挙で自民党が大きく議席を減らすだろうことはほぼ間違いないわけで、今の3分の2の状況だって小泉選挙の置き土産ですから、選挙をやればそれは早晩なくなる。そうすると、この間の給油特措法のようなケースは、もちろん原則的に乱発はできないわけですけれども、使おうと思ってももう使えない状況が選挙の後には必ず来るわけです。
そうなったときに、選挙にぼろ負けすれば話は別でしょうが、予想内の敗北であれば、本格政権という演出ができていれば、その後も福田さんという流れはあり得ない話ではない。ですから、まさに先ほど工藤さんがおっしゃったように、何か国民に伝わるようなメッセージ、それでまさに暫定政権ではない、中身のある政権だというような演出はどうしても必要になるし、当然それをやらなきゃいけないという理屈はわかっていると思います。
ただ、ここで難しいのは、小泉さんの異常な人気は、やっぱり変化や改革に期待したという要素が非常に大きいわけです。だから、官僚を基本的に余り信用しない。小泉さんから安倍さんへの連続性があったとすれば、中身はかなり違うわけですけれども、政治のリーダーシップで官僚依存型の弊害を打破していくという点でした。この流れは安倍さんもそれなりに引き継いで、時には、官僚いじめというより、やっぱり官僚よりも政治なのだという意欲をところどころ見せながらやっていた。
だから、これは人気の秘密であると同時に、それに疲れると福田さん的なものを求めるという国民のバランス感覚が働いて、どっちの方がいいということは多分言えないのだと思います。だから、福田さんは基本的には官僚をうまく使いながら地道に何かやっていくというのが彼のイメージに合ったやり方でしょうから、政治が官僚をリードしてという小泉スタイルあるいは安倍スタイルは、そもそもやろうとしてもできない。
したがって、それは何なのだというときに、福田首相がキャッチフレーズ的なインパクトのある政治のスローガンでもって打ち出すというのは多分、本質的に難しいと思います。そうすると、加藤先生もおっしゃっているように、具体的な問題で国民生活はよくなっているというようなことを1つ1つ汲み上げていって、福田さんがやるとこういうふうに動いていくのかという姿を見せるのが必要になってくるのじゃないかと思います。
官僚の言い分を理解したうえで反論できる政治家が必要
若宮 福田さんはどちらかというと宏池会型ですね。アンチ官僚的な手法とちょっと違うじゃないですか。
加藤 そこは難しいところです。戦後の日本の総理で圧倒的な人気があったのは田中角栄氏だけれども、彼はかなり役人の言うことを聞いた。あるとき大蔵省の人が、総理、それはいかがでございましょうかと異論を唱えたら、涙を流さんばかりに、おれは君らから上がってきた書類は全部読んだぞ、それなのに、その論点は書いていなかったじゃないかと言って悔しがったそうです。あの人は物すごく勉強した人です。
今は、官僚をどなりつけるか官僚に従うかのどちらかになっているのじゃないでしょうか。角栄氏は、全部こなした上に自分の意見を言った人です。そういう政治家は35年近くやっていて誰がいたかというと、田中角栄と渡辺美智雄、それから中曽根康弘。今必要なのは、官僚が言っていることを全部理解した上で反論できる政治じゃないでしょうか。是非、福田さんにそれをやってもらいたいと思います。
若宮 私が宏池会型と言ったのは、要するに福田さんの所属する派閥型ではないということです。
加藤 そうかもしれません。
添谷 それは、ある程度、官僚に信頼されていないとできないことですね。
加藤 そうでもないです。官僚の言っていることを徹底的に理解すれば、官僚というのは、大体7割は国益で、2割は権益で、1割はイナーシャ、惰性なんです。惰性3割、国益5割、権益維持2割かもしれません。そんなものです。だから、あなた、そこは自分の利害で、権益維持で言っているんじゃないかなどと言うと、真っ青になって、見抜かれたと思って、やっぱりいけませんかね、と言って何か反論するのですが、そのとき総理は、つまらん反応をしない、うなずきもしないで返す。すると、1週間ほどして改革案を持ってきますよ。角栄さんはそれをやった人ですよ。
工藤 官僚は恐かったでしょうね。
加藤 恐かったと思いますよ。国民の生活を見ている人は、官僚の限界を指摘できるんです。今の日本の政治の最大のポイントは、与党・自民党の52%が二世議員だということです。これの限界が出た。単純な話です。
Profile
添谷芳秀(慶応義塾大学法学部教授)
そえや・よしひで
1955年生まれ。79年上智大学外国語学部卒業。81年同大学大学院国際関係論専攻・修士課程修了。同大学国際関係研究所助手を経て87年米ミシガン大学大学院国際政治学博士(Ph.D)、同年平和安全保障研究所研究員、88年慶応大学法学部専任講師、91年同助教授の後、95年より現職。専門は東アジア国際政治、日本外交。主著書に『日本外交と中国 1945―1972』(慶應義塾大学出版会、1995年)、Japan's Economic Diplomacy with China (Oxford University Press, 1998)、『日本の「ミドルパワー」外交―戦後日本の選択と構想』(ちくま新書、2005年)などがある。
若宮啓文(朝日新聞論説主幹)
わかみや・よしぶみ
1948年生まれ。政治部長などを経て、02年9月から現職。著書に「忘れられない国会論戦」「和解とナショナリズム」など。06年1月、渡辺恒雄読売新聞主筆と雑誌で対談し、靖国問題の「共闘」で話題になった。連載コラム「風考計」をまとめた「右手に君が代左手に憲法」もある。4月から朝日新聞のコラムニストに。
加藤紘一(衆議院議員、元自由民主党幹事長)
かとう・こういち
1939年生まれ。64年東京大学法学部卒業、同年外務省入省。67年ハーバード大学修士課程修了。在台北大使館、在ワシントン大使館、在香港総領事館勤務。72年衆議院議員初当選。78年内閣官房副長官(大平内閣)、84年防衛庁長官、91年内閣官房長官(宮沢内閣)などを歴任。94年自民党政務調査会長、95年自民党幹事長に就任。著書に『いま政治は何をすべきか--新世紀日本の設計図』(99年)、『新しき日本のかたち』(2005年)。
工藤泰志(言論NPO代表)
くどう・やすし
1958年生まれ。横浜市立大学大学院経済学修士課程卒業。東洋経済新報社で、『週刊東洋経済』記者、『金融ビジネス』編集長、『論争 東洋経済』編集長を歴任。2001年10月、特定非営利活動法人言論NPOを立ち上げ、代表に就任。