「議論の力」で強い民主主義をつくり出す
世界がグローバル化していけば、ナショナル・アイデンティティーを問う動きが必須となり、それを明確に意識して打ち出していくメッセージ性のある、国家デザインと歴史哲学を持つ政治家が必要とされています。では、それに値するような人物がいるでしょうか。安倍さんは、問いを
小泉政治のやり方と安倍政治のやり方とは全く違うのです。安倍さんが小泉政権の大勝した郵政選挙の基盤に乗って圧倒的多数派にいるというのは皮肉ですが、復党問題では小泉さんのやっていた方向性と逆を、支持率が落ちても、ある意味では確信犯的にやっている。
安倍首相が今回、衛藤晟一さんを落選しているにもかかわらず自民党に復党させようとしたのは、彼の内閣に歴史認識といった意味でのメインのブレーン、同志が全くいないからです。塩崎さんはブレーンですが、美しい国とか歴史や文化、つまり国の誇りとは何なのか、日本人の誇りとは
安倍さんが最初に国会でやったことは何かといえば、教育基本法の改正でした。小泉さんは教育基本法の改革という、戦後何十年言われてきたことに取り組んだのです。が、本人が「米百俵」のエピソードを引いたにも関わらず、教育改革ということについての意気込みはなかった。
小泉さんは、本当は国民の前に、グローバル化した世界の中で日本はどのように生き残っていくのか、日本の固有性とは何なのか、そういうものは要らないのか、構造改革によってどういう国家、社会になっていくのかと提示しなければならなかった。つまり、問われていたのはナショナル
安倍総理の「美しい国」は分かりにくいと言われています。しかし、この「美しい国」というのは安倍氏なりの一応の答えなのです。問いは何かといえば、ナショナル・アイデンティティーとは何か、日本とは何か、です。しかし、これは現在の日本に限った問いではありません。その国独自の原理は
成田憲彦(駿河台大学学長,元細川政権首席秘書官)
成田憲彦(駿河台大学学長,元細川政権首席秘書官)
成田憲彦(駿河台大学学長,元細川政権首席秘書官)
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