田中弥生 (東京大学工学系研究科助教授)
たなか・やよい
(株)ニコンを経て、笹川平和財団入団。企業の社会貢献、駅型保育園のシステム構築に取り組む。その後、民間非営利セクターの強化プログラムを担当し、日本、東南アジア、南部アフリカのNPO支援や研究に従事。2001年、NGO出身第一号として国際協力銀行に出向。現在、東大土木工学科の改革の一環として実施されている国際プロジェクトコースの立ち上げと教育に従事。
要約
マニフェストとは有権者と政権担当者との契約であり、具体的な政策パッケージをつくり、実施運営し、評価を行って有権者にフィードバックすることで、そのサイクルが完成される。筆者は(特活)言論NPO(工藤泰志代表)と共に、県レベルでのマニフェスト検証のための評価基準とそれに基づくフォーマットを作成し、実際に評価作業を行った。ここではローカル・マニフェスト評価の構造と設計について、さらに事業評価との関係について論じたい。(本稿は第5回日本評価学会の発表用原稿です)
1. マニフェストとは
1.1 マニフェストの定義と起源
マニフェストとは、有権者と政権担当者との契約である。政党が政権獲得した暁には実行すべき具体的な政策パッケージを選挙前に有権者に提示し、政権獲得後はそれを実施し、政権期間中にどれだけ達成したのかを評価し、評価結果を有権者にフィードバックする行為のプロセスを意味している。有権者は、その評価結果をもとに、自ら投票した政党が約束を果たしたのかを確認・判断し、次の投票にのぞむのである。
マニフェストが政治のシステムとして機能し発展してきたのは英国である。その起源は1834年、ピール首相が「タムワーズ・マニフェスト声明」を発表し、選挙区の有権者に配布したことに始まるといわれている。この声明文は、翌年の総選挙で保守党の基本方針となった。その後、100年以上かかり進化するが、第二次世界大戦後、政党が組織政党化されると、政党としてきちんと約束をするマニフェストとして成長する。最近では、1997年の総選挙で労働党が十数年ぶりに政権を奪回するが、その際、ブレア首相が提示したマニフェストの質の高さが勝因のひとつであるとして、マニフェストが注目を浴びることになる (曽根:2003)。
わが国においては、マニフェストは政権公約と訳されることがあるが、選挙時に、各政党や候補者が掲げる公約とは大きく異なる点がある。これらは所謂 wish listであることが多く、有権者にとって魅力的なもので票に結びつきやすい公約が並べられるが、その実現性までが担保され、説明されることは稀である。そのためか、抽象的で多様な解釈ができるような表現で示されていることが多い。その一方、マニフェストは政策とその実現に向けた目標とそれを示す指標、財源、目標達成時期が具体的に明記される。従って、マニフェストにおける政策パッケージとは、・具体的な目標、・実行体制と仕組み、・政策実現の工程表 (ロードマップ)から構成される(新しい日本をつくる国民会議「緊急発言」:2003)。
1.2 マニフェスト・サイクルと評価
マニフェストは先の目標、仕組み、工程を政策パッケージとして提示し、実施し、政策目標の達成度について評価を行い、次の選挙前にそれを有権者にフィードバックするというサイクルを成して完成することになる。つまり、提示した政策目標に対してその達成状況を確認し提示することで、政権担当者は政策に対して責任を負うことになり、それが担えない場合には落選というかたちで審判が下される可能性が高くなる。図1は、マニフェスト・サイクルを示したものである。マニフェスト・サイクルには政策達成評価が組み込まれているが、政策に対する責任の所在を明らかにし、有権者へ具体的かつ明確にフィードバックをするという意味で評価が重要な役割を果たしている。 そして、政策目標は、それが検証可能であるように具体的で定量的な表現方法で示されることが望ましい。
2. ローカル・マニフェストとは
2.1 ローカル・マニフェストと国政マニフェスト
先に紹介したマニフェストは政党政治を念頭に説明されたもので、その起源は国政選挙にある。その一方、地方選挙におけるマニフェスト導入は英国においても限られた地域で行われているのみで、地方自治制度や中央政府との関係が理由でさほど進んでいなかった。いずれにせよ、国政選挙と地方選挙におけるマニフェストを区別する意味で、国政マニフェスト、ローカル・マニフェストという表現を用いている。わが国におけるローカル・マニフェストは平成15年度の統一選挙において初めて掲げられた。改革派知事の現職候補をはじめとして7道県11人の候補者がローカル・マニフェストを掲げたが、候補者の4分の1を占めたことになる。選挙結果は、先の11人の内、6人が当選、5人が落選している。
2.2 ローカル・マニフェストのプロセスとサイクル
ローカル・マニフェストは如何なるプロセスで実施されるのか。県レベルマニフェストを例にとり説明したい。まず、知事候補者が提示したマニフェストが、当選後に県の施策として位置づけられることが必要であるが、そのためには、マニフェストに基づく行動計画が作られ、県の総合計画と照合し修正あるいは廃止をするものを選択する。その際、「有権者との約束」の理念に忠実であるならば、マニフェストではなく総合計画の修正が優先されることになる。次に、実施体制と予算、政策目標に向けて計画実施体制が組まれ、計画が実行される。その結果、対象地域において効果が発現する。この効果は政策目標の達成度に該当するものであり、その検証(評価)結果を有権者にフィードバックする。また、選挙時にマニフェストが県民に対して掲げられるのみならず、マニフェスト行動策定、総合計画への反映、修正、実施状況、検証結果は県民および議会に情報公開され、説明されることが必要である。
3. ローカル・マニフェスト評価
3.1 ローカル・マニフェスト評価:評価基準と設問の設計
(1) 評価目的と方針
2004年9月、早稲田大学マニフェスト研究所主催により「第一回ローカル・マニフェスト大会」が開催された。知事選挙でマニフェストを掲げて当選した5知事が集まり、当選後1年間の取り組みを検証することが目的である。知事自身による自己評価と第3者による評価の双方が同時に行われ比較された。筆者は、第3者評価者のひとつである、(特活)言論NPOとともに評価基準設計に着手した。この基準およびフォーマットは第3者評価者5団体の共通フォーマットとされた。評価基準設計にあたり、まず、評価目的と方針を明らかにしたが、目的はマニフェストの定着に向けた理解促進である。マニフェストの凌明期にあるわが国においては、マニフェストに対する理解を促すことが大事で、その試みに着手している知事と自治体に対しては減点方式を採らぬよう配慮することを方針とした。また、現職知事のマニフェスト開始から1年しか経ていないことを鑑み、アウトカムに照準をあわせるものの、十分に到達できていないことを鑑みアウトカム達成に向けて進捗管理がなされているかを問いとした。
(2) 評価対象
評価対象は、・マニフェストの形式要件、・マニフェストの実行計画の形式要件と妥当性、・総合計画修正の状況(マニフェストの総合計画への反映)、・計画実施による効果である。形式要件とは、政策や計画の内容が明確かつ具体的で、それを実行するために工程が論理的かつ体系立てられているかを確認するものである。なお、マニフェスト(公約)については、その形式要件の評価を設問に入れたが、国と地方との関係や挑戦度など政策内容そのものの評価は設問に含めず評価者の判断点に含めた。ここでの作業とは別の評価作業が必要と考えたからである。
(3) 評価設問と配点
評価設問とフォーマットは、評価目的に基づき、マニフェスト・プロセスに従って作成した。即ち、マニフェストが図2のプロセスに準じて必要なアクションがとられ、その内容が一定のレベルに達したものであるのかを順を追って問うかたちで設問が設計されている。そのために、まず設問群を作ったが、これは先の評価対象に準ずるように作られており、(1) マニフェストの形式要件と妥当性、(4) マニフェストの実行過程、(3) マニフェストの進捗度から構成される。次に、設問群ごとに設問を作ったが、全体で23設問になった。
各設問に点数が配分され合計で100点満点とした。80点が設問への配点で、残り20点は評価者の主観に伴う判断点とした。設問への配点は、評価目的に基づき、・マニフェスト・サイクルの定着、・政策目標実現のためのマネジメント、・住民への説明と情報公開を重要視している。80点の内訳は、・マニフェストの形式要件(30点)、・実行プロセス(30点)、・計画の進捗度と効果(20点)としている。(設問表掲載:https://www.genron-npo.net/forum/policy/040908_02.html)
3.2 評価設計上の課題
本評価を設計する過程で複数の課題に直面したが、それは大きく・マニフェスト評価と事業評価との相違、・地方自治体制との関係、・評価技術上の課題に分けられる。
(1) マニフェスト評価と事業評価
マニフェストの形式要件については、マニフェスト理念→施策→事務事業という体系が整い、かつ具体的で検証可能な表現で説明されているかを尋ねている。しかし、政策そのものの妥当性については、評価者の判断点の2問に委ね、チェックシートには含めていない。これは、政策論争の領域に入るからで、その妥当性を評価するには専門性に裏打ちされた価値判断が必要である。例えば、埼玉県や神奈川県は母国からの自立を目標に首都圏連合を掲げているが、それが自立にとって適当なものか否かの判断には国政、地方自治、財政面などからの専門的な視点での分析が必要であり、目的の達成度を測定するための事業評価では対応できない。
(2) 地方自治体制との関係:総合計画とマニフェスト行動計画
ローカル・マニフェストを実施、運営してゆく上で最も課題となるのは、総合計画と整合性をとることであろう。地方自治において、基本構想は地方公共団体のまちづくり全般の長期的ビジョンを示す構想で、それに基づいた基本計画、その下位に各施策と事務事業が位置づけられているおり、一般にこれらを総称して総合計画という。基本構想は10年以上の長期、基本計画は5~10年の期間で定められている。その一方、知事の任期が4年であるために、基本構想の対象期間の方がはるかに長期になる。また、総合計画は地方自治法第2条および281条において定められ、策定は議会の議決が必要となり(地方自治法96条二)、責任所在も法的に明らかにされている。しかし、ローカル・マニフェストは法的な位置づけがなく、知事の道義的責任に委ねられることになる(UFJ総研:2004)。「有権者との約束」という有権者本位の選挙の考え方にもとづけば、マニフェストは総合計画よりも優先されるべきであるが、行政業務の実務レベルでは、総合計画とマニフェストとの間で板ばさみになる可能性もある。実際に評価フォーマットを検討する段階で複数の専門家の意見を求めたが、行政学の専門家から総合計画を「主」、マニフェスト行動計画を「従」と位置付ける意見が多かったのに対し、政治学の専門家からは逆の意見が出された。ここでは、「有権者との契約」を尊重し、設問郡は「総合計画への反映」というタイトルにしているが、各設問においてはマニフェスト行動計画に照らして総合計画を変更することを尋ねている。
(3) 評価技術上の課題
マニフェスト目標は数十項目にわたることが多いが、個々の目標ごとに施策体系が作られることになる。したがって、それらを評価フォーマットに個別に反映しようとすると膨大なシート数になる。そこで、それらを束ねて目的達成したものが全体の80%を占めていれば満点とすることにした。だが、マニフェスト目標を眺めてみると、アウトプットレベルの目標、アウトカムさらにはインパクトレベルの目標が併記されていることがある。異なる質とレベルの目標をこのようにまとめてよいものか疑問が残る。また、施策の実行段階、進捗度の確認においては、各施策についてチェックする必要があるが、十分な資料が整わないケースがあった。マニフェスト実行体制が整っていないために組織横断的に作られたマニフェスト目標については資料収集が容易ではなく、また、アウトカムレベルでの効果の発現を確認した評価報告書が不足していることから、目標達成度を精緻に確認することは困難であったからである。
目標達成時期の問題もあった。埼玉県は「すぐやる、一年以内、4年以内」と任期内の時期を区切って27項目の政策提言を掲げ、岩手県は前期2年間の最優先事項2課題、平成18年度までの7つの重点施策を掲げている。その一方で、達成時期が明確に記されていないマニフェストも存在する。また、前述のようにアウトプットとアウトカムの異なるレベルの目標が混在しており、したがって目標達成時期が異なると予想された。そこで、本評価設問では、目標達成をあくまでもアウトカム・ベースとし、短期間で達成できるものと、中期で達成できるもので区分した。前者については達成したものをカウントし、後者については目標達成に向けて進捗しており、かつ進捗に向けて管理体制が整っているのかを確認することとした。
改善姿勢を高く評価するよう配点している。進捗度に関する設問において、達成や進捗が芳しくなく問題があるものについて、施策や計画に修正が加えられた場合は6点の配点となっており、中期のマニフェスト計画の目標達成見込みに関する設問(配点4点)よりも高くなっている。この配点の仕方に対して、順調に進んでいる施策よりも問題のあるそれへの配点が高くなっているという批判もあった。しかし、地域のニーズや情勢は時々刻々と変化するものであり、過去に設定した目標に執着するよりも、そのような変化を捉え修正する姿勢の方が重要という考え方を採った。ちなみに、進捗が芳しくないのは、対象の変化によるものと、もともと方法論やアプローチが適当でなかったものが想定される。後者の場合は、事前の段階、すなわちマニフェスト行動計画の形式要件でチェックされるのが望ましい。
4.事業評価とマニフェスト評価の関係
マニフェスト評価と事業評価の混同、あるいは混乱がおこりがちである。評価に慣れた者は、事業評価(行政評価やプログラム評価)と同様のアプローチでマニフェスト評価を行おうとしがちである。例えば、西尾はマニフェストの妥当性を事前評価、マニフェストの実行段階では事中評価、知事任期後に実施するものを事後評価として解説している(西尾:2004)。しかし、前述したように、マニフェストによって提示された政策の妥当性は事業評価では対応しきれない。だが、マニフェスト評価において事業評価が重要な情報を提供することも確かである。そこで、マニフェスト評価と事業評価の関係について整理したい。
4.1 マニフェストにおける評価活用の実際
マニフェストにおいて事業評価(政策評価、行政評価)の活用あるいは融合が重要であることは、殆どの知事が指摘している。マニフェストにおける事業評価の活用は、大きく2つの意味で区分されよう。ひとつは、岩手県 増田知事が指摘している「政策評価との融合」である。これは、マニフェスト・サイクルを確立するためには、マニフェスト評価結果のフィードバックが必須であり、その情報源は定常業務の中で実施されている政策評価であるというものだ。もうひとつは、マニフェスト目標達成のための手段とする場合である。埼玉県 上田知事は予算スリム化のために約2000件の事務事業評価について二次評価を導入し、それをベースに知事と担当部局長との間で協議を行い削減対象事業を特定しようとしている。
4.2 マニフェスト・サイクルにおける事業評価の位置づけ
(1)事業評価の位置づけ
ここでは、マニフェスト・サイクルを確立するための「政策評価との融合」に着目し、マニフェスト・サイクルと事業評価の位置づけを確認する。図3に示したように事業評価はマニフェスト行動計画の段階から始まる。ここではマニフェスト目標にもとづき、施策、事務事業の体系が整い、その論理一貫性が保たれているのかを確認するための事前評価が行われる。この計画が実施されると、実施体制やマネジメント方法、短期レベルあるいはアウトプットレベルで進捗があるのかを確認するための中間評価が行われる。そして計画実施後、一定期間後には効果が発現することが想定されるので、これを確認するための事後評価が行われる。
(2) マニフェスト妥当性評価と事業評価の相違
候補者によるマニフェスト提示の段階で行われるのは、「妥当性の評価」であるが、これは英語表現を借りればassessmentに相当する。事業評価の場合はevaluationという表現が用いられ、主として目標達成度の確認と測定を行う作業をさしている。その一方、assessmentは、政策やそのシステムが有効に機能するための要件を備えているかをチェックする作業を意味している。そのためには専門知識や地域のニーズや特性に裏打ちされた分析が必要であり、個々の評価者の価値判断に影響される。したがって、マニフェスト妥当性の評価と事業評価は区別されるべきである。
(3) マニフェスト・サイクル確立のための事業評価の役割
事業評価はマニフェストにもとづき作成されたマニフェスト行動計画の段階から開始される。マニフェスト行動計画の段階では、マニフェスト目標から施策、事務事業にいたる体系が整い、そのロジックに誤謬がないかを確認するために事前評価が行われる。これにより、マニフェスト目標達成のために適当な手段 (施策と事務事業)が嵩じられているかを確認することになる。中間段階では、事業のマネジメント体制の他に進捗度の確認作業が必要である。例えば、25人学級の実現をマニフェスト目標に掲げた場合、その効果として教育効果が上がることが想定されるが、効果発現までには長い期間を要する。しかし、長期間待機して手をこまねいているだけでは進捗管理はできない。1年毎、あるいは半年毎に進捗状況を把握することが必要であろう。効果発現状況をよりきめ細かく確認するためには、特定の指標を設定し、その変化の様子を一定期間ごとに測定してゆく成果重視マネジメントが適しているだろう。事後評価はマニフェスト目標の達成度合いを確認するために必要である。特にアウトカムレベルでの効果を確認するためには、科学的評価手法などの登用も必要である。
5人の知事のマニフェスト評価を見る限り、事務事業評価の活用が主たるもので、それ以外の評価アプローチは確認できなかった。アウトカムレベルでの目標管理体制をとるのであれば、上述のような各種評価アプローチを活用する必要がある。
5.おわりに
マニフェスト評価の基準およびフォーマットの設計に着手してよくわかるのは、事業評価でマニフェスト評価を捉えることができないことである。筆者も実際に作業するまでは、事業評価のアプローチでマニフェスト評価を行えると思い込んでいた。しかし、理念やビジョンの妥当性は事業評価では不可能だ。事業評価はそこで与えられた使命、目標は疑う余地のない前提条件とし、専らその目標達成度の測定に注目する。しかし、マニフェスト評価ではこの前提条件のところにメスを入れることが求められるのだ。
ローカル・マニフェストに携わってよく見えてきたのは、国と地方との関係であった。三位一体改革のもと地方の自立が急務であり、国からの補助金が削減され、税源委譲により地方税額を増やしながら、一方で歳出を減らすことが求められている。だが、実態は自治体の自主財源は乏しく未だ国からの財源に大きく依存しており、しかも前年度の1月にならないと把握できないために、自治体の予算の見通しをつけることが困難な状況にある。このような状況下、マニフェストの妥当性の評価基準は地方の自立におかれることになろう。しかし、何をもって自立に向けたマニフェストであると判断するのか。国、地方とも財政破綻に直面し、同時に高齢化社会になった現在、受給と負担の抜本的見直しが必要である。それには、受給のダウンサイジングと再定義が必要になる。マニフェストにおいて自立を掲げるのであれば、サービスの質と量の増強を目標にするのではなく、むしろダウンサイジングの必要性を示し、同時に県民の負担を増やすことを示さねばならないだろう。現時点では、稜明期にあるマニフェストの理解を促すことが大事であるとして、痛みを伴うような自立のためのマニフェストの妥当性の評価は行わなかった。しかしながら、地方自治体の状況を鑑みれば、自立に主眼を置いた妥当性の評価方法の検討は急務である。そして、マニフェスト評価は妥当性の評価と、その達成度を測るための事業評価の両輪で成立するものである。
参考文献
言論NPO『マニフェストと日本の論点』2003年
言論NPO『日本の選択と小泉改革の評価』2004年
UFJ総合研究所国土・地域政策部『ローカル・マニフェストによる地方のガバナンス改革』ぎょうせい、2004年
西尾真治「地方におけるマニフェスト・サイクルの確立に向けて」地方財務2004年11月号
新しい日本をつくる国民会議「緊急提言」
飯尾潤「日本の選挙公約と書が帰国のマニフェスト:その対比から」自由民主党国家戦略本部第27回講演 2003年3月19日
曽根泰教「マニフェストの原点 選挙そのものも姿が変わり政権党の実行体制が強く要求される」We believe 2004年1月号
藤森克彦「マニフェストを軸にしたサイクルをつくる(4)」『時の法令』2003年。
マニフェストとは有権者と政権担当者との契約であり、具体的な政策パッケージをつくり、実施運営し、評価を行って有権者にフィードバックすることで、そのサイクルが完成される。筆者は(特活)言論NPO(工藤泰志代表)と共に、県レベルでのマニフェスト検証のための評価基準とそれに基づく