「マニフェスト大賞(地方議会)」授賞式 報告

2006年11月10日

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06年11月10日、「地方議員の政策コンテスト」として、第1回マニフェスト大賞(地方議会編)の授与式が行われ、言論NPOから代表の工藤が審査委員として参加しました。

これまで注目を集めることが少なかった地方議員の活動実績を評価し、その政策提言能力の向上を図ることが目的。形骸化が指摘される地方議会の活性化を図る試みでもあり、政党のマニフェストの評価を行っている言論NPOもその審査に加わっていました。

今回の表彰では、地域の課題や地方議会の権限を再考させる先進的な取り組みなどを評価し、マニフェスト大賞に岩手県議会の「ローカルマニフェストによる議会活性化」、最優秀会派賞に葉山町議会の「新葉クラブ」、最優秀議会賞に北海道の栗山町議会などが選ばれました。

審査委員長の早稲田大学院教授・北川正恭氏は「今回真摯な姿勢で多数の応募があり、全国から様々な優れた業績が出てきた。地方が動き、地域からこの国が変わっていく。それを期待したい」とこの大会を総括しました。

この審査で言論NPOが最も高く評価したのは、北海道の栗山町議会、葉山町議会「新葉クラブ、と北海道福島町議会の「開かれた議会づくり」でした。特にこの福島町議会は議会の評価だけではなく、自己申告とはいえ議員の自己評価まで公開しており、住民と議会活動を結びつけるために様々な改革を行っています。こうした努力で住民側に議会や自治参加の問題提起が直接的に行われていることを、高く評価しました。

なお、福島町議会は審査委員会特別賞を受賞しました。

授賞式に参加した代表の工藤は次のように語っています。

「マニフェストがこの国に定着できるかは、市民がそれを政治参加や政治の判断材料として使い切れるかにかかっている。マニフェストという用語は定着しても、それが有権者との契約にまで高まらないのは、市民の政治参加がまだ選挙に行くくらいの感覚だからだ。市民は行政のオーナーであり、行政はその委託を受けて行政サービスをしているだけなのだが、それが分からないほど行政と市民の距離は埋まっていない。行政や議会と住民の距離が大きく開き、多くの議会が住民よりも執行部を見ている。だから、相次ぐ知事の不祥事にも議会はチェック機能も発揮できていない。議会がまず自らの意思でどのように住民の意思を代理し、その市民の代わりにいかに行政を監視するのか。そこからまず先進性を競うべきだろう。本来、マニフェストはそうした自己決定のための道具なのである。今回の第一回目のマニフェスト大賞の選定で、いままで関心が薄かった地方の議会に全国的な関心の目が注がれるようになる。その循環が始まったことの方が喜ばしい」

(文責・小林まや)

06年11月10日、「地方議員の政策コンテスト」として、第1回マニフェスト大賞(地方議会編)の授与式が行われ、言論NPOから代表の工藤が審査委員として参加しました。