6月20日、都内ホテルにて新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)が主催する「政権実績・参院選公約検証大会」が開催されました。言論NPOはその参加団体の一つとしてこれに参加し、代表工藤は鳩山政権9か月の実績評価及び7月の参議院選挙に向けた民主党、自民党のマニフェスト評価を発表しました。
言論NPOの基準に基づく民主党政権の実績評価は、言論NPOが政策評価活動を開始して以来過去最低の25点となり、参加した他団体と比べても低い評価となりました。また、参議院選挙に向けたマニフェスト評価についても、民主党21点、自民党30点と、同様に極めて厳しい結果となりました。
工藤はまず、今回の評価の結果、鳩山前政権の実績評価が25点という厳しい結果となった理由について述べ、その最大の理由は「国民に対する説明責任を果たしていないことだ」と指摘しました。昨年の予算編成の時点で、16.8兆円という財源を無駄の削減でねん出するという構造が一年目で崩れ、マニフェストサイクルは切れていたにもかかわらず、「施政方針ではマニフェストのマの字もなく、この時点でマニフェストが十分に機能していないという説明は全くなかった」とし、実行できないのであればその時点で国民に真摯に説明し、優先順位をつけて政策を作り直すプロセスが必要であったと述べました。その上で、「政治が課題解決の努力を怠ったために、多くの人たちが自分の人生や日本の将来に対して不安を抱いている。そういう局面において、日本の政治がその現状の課題認識をしないとしたら、どうしてそれを『国民に向かい合う政治』と言えるのか」と述べ、政治に対して日本に問われている課題に真正面から向かい合うことを強く求めました。
同時に極めて低い評価結果となったマニフェスト評価については、「民主党が掲げた86項目のうち、数値目標、財源が一つでも書かれているのは15項目しかなく、形式的に評価不能なものが多すぎる。財源について指摘のある項目はひとつもなく、マニフェストの約束としての形態が崩れ、スローガン的、抽象的なものに後退してしまった」と述べました。「強い経済、強い財政、強い社会保障」を掲げ、課題中心にマニフェストを組み立て始めた菅新政権を評価しつつも、「民主党が前回の衆院選で掲げた約束の9割が事実上修正になった。その上、今回のマニフェストでは、例えば財政については法人税率の引き下げに触れるなど、家計への再配分を重視した政策から供給側への配慮を見せ、いくつかの点で明らかな方針転換がある。こうした転換に対しては合理的な説明がなければ、マニフェスト政治に対する信頼が大きく損なわれる」と指摘しました。
そして、最後に工藤は、「マニフェスト政治そのものが重大な岐路に立っている」と述べ、「有権者は政治が未来に対して競い合うことを期待しているのに、単なるばら撒きリストで政権を取るような政治を許していいのか。今こそ、私たち有権者の側が目を覚まさなければならない」と主張し、有権者側の変化の必要性を訴えました。また、「政府が意識を持ってマニフェストを実現し、自己チェックをしながら国民にその結果を公開する仕組みを政府側がつくらないと、こうした外部の評価と効果的に連動できない」と述べ、マニフェストサイクルを機能させるために、政府側にマニフェストの推進体制の構築を提案すると同時に、言論NPOとしても市民側の政策評価の新しい仕組み作りにむけて積極的に活動していく意向を示しました。
言論NPOでは、来る参院選に向け、様々な試みを通じて有権者が政治を判断できる材料を提供していきます。なお、本日発表された実績評価、マニフェスト評価については、この言論NPOウェブサイト、そしてマニフェスト評価専門サイト「未来選択」にて公表する予定です。
6月20日、都内ホテルにて新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)が主催する「政権実績・参院選公約検証大会」が開催されました。言論NPOはその参加団体の一つとしてこれに参加し、代表工藤は鳩山政権9か月の実績評価及び7月の参議院選挙に向けた民主党、自民党のマニフェスト評価を発表しました。
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