-46%が二大政党制は目指すべき政治ではないと回答-
日本の政治に関する緊急有識者アンケート結果公表

2010年6月24日

 言論NPOは、鳩山前首相が辞任した翌日の6月3日より、学者や企業経営者、幹部、公務員、ジャーナリストなどの有識者500人を対象に「民主党の実績評価」、ならびに「日本の政治」に関するアンケートを行いました。今回のアンケートは、来る参院選を見据えた民主党の政権運営に関する評価のほか、日本の政治の現状、マニフェスト政治自体についての認識を求める内容となっています。今回集計したのは、その中の171人です。


 今回の有識者アンケートでは、まず日本の政党政治のあり方や政治の現状について尋ねています。第一に、二大政党制が日本の政治が目指すべき政治なのか、という問いに関しては、「そう思わない」と答えた人は46.2%と半数に近づき、「そう思う」の27.5%を大きく引き離しました。
 
 また、「日本の既存政党には期待できない」と答える人も51.5%と半数を超えました(「期待している」は16.6%)。既存政党に期待していない理由として、合わせて7割近い人が、「どの政党も大衆迎合の、ポピュリズム的な政策を競っているだけで、日本の未来を競っていないから」、「新しい日本に向けた構想力が乏しく、課題解決能力が不足しているから」と答えています。

 


 その上で、政治の現状をどう見るか、に関しては、「既成政党の限界も明らかになり、政界再編や新しい政治に向けて再考が始まる時期」が48.5%、「これまでの政治を一度壊し、新しい国や政府、社会のあり方を模索する時期」が46.2%とそれぞれ半数近くになっており、そのため、日本に期待する政権の姿として、31.6%が「期待する政治の姿が見えない」と答えています。



 日本政治がこうした状況にも関わらず、一方では有識者の69%が、国民との約束を軸としたマニフェスト型の政治を目指すことに賛成しています。そうした認識が多数を占める中で、昨年秋の総選挙で掲げた民主党のマニフェストの多くが事実上の修正に追い込まれた原因を問う設問では、「民主党のマニフェストの内容自体が、課題解決に向けた政策というよりもばらまき主体の膨大な支出リストにすぎなかった」が38.7%で最も多く、「財源を無駄削減だけに絞り、恒久財源を明言しないなど実現性に欠けていた」(25.7%)、「実現ができないものは見直して、国民に説明するという姿勢にかけていた」(24.0%)が続きました。


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 そして、今度の参議院選挙で問われるべき課題に関しては、53.2%が「日本の目指すべき姿」「財政再建の道筋」をそれぞれ選んでおり、「経済成長」(43.3%)と「安全保障と外交政策の基本方針」(39.8%)がそれに続いています。



 また、鳩山前首相の退陣直後に実施した今回のアンケートでは、民主党政権政権自体の評価も尋ねています。

 まず、民主党の鳩山前首相と小沢前幹事長の二人のトップ交代により、民主党の再生を期待できるか、については「非常に期待できる」と評価したのは8.8%で1割未満ですが、「やや期待できる」は45%で、こうした積極、消極の評価を合わせると半数を上まわる53.8%がなんらかの期待をしており、退陣が期待の転換をもたらしていることを伺わせます(菅政権の評価はこの時点では行っていません)。

 一方で、「期待できない」(18.1%)「もともと期待していない」(12.9%)「むしろ悪化する」(4.1%)と、マイナスの評価をした人も35.1%と4割近くになっています。

 この調査時点での民主党を軸とする政権への支持は39.2%ですが、不支持は32.2%とそう大きな差は付いていません。さらに24.6%が「どちらでもない」と答えており、こうした期待の変化が支持の拡大に大きく寄与する状況とはなっていません。 
 

 首相の実績や資質については、「政策決定における指導力や政治手腕」、「体制作り」等では厳しい回答が多数を占めました。これらを点数化すると、鳩山政権8ヵ月の全体評価は5点満点中の2.0点で100日時点の2.4点を大きく下回りました。


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 言論NPOは、鳩山前首相が辞任した翌日の6月3日より、学者や企業経営者、幹部、公務員、ジャーナリストなどの有識者500人を対象に「民主党の実績評価」、ならびに「日本の政治」に関するアンケートを行いました。