第69回 全国都市問題会議 報告

2007年10月25日

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 10月11日と12日の二日間にわたり、静岡市で、第69回全国都市問題会議が、全国市長会などの主催で開催されました。言論NPOからは、代表工藤泰志がパネリストとして出席し、二日目のパネルディスカッションにおいて発言しました。会議には全国の市長・市議会議員など2300人が参加しました。

 今回のテーマは「分権時代の都市と人-地域力・市民力」でした。パネルディスカッションには、名和田是彦法政大学法学部教授がコーディネーターを務め、パネラーには工藤のほか、NPO政策研究所理事長の木原勝彬氏、株式会社いろどりの代表取締役副社長の横石知二氏、北海道伊達市長の菊谷秀吉氏、埼玉大学経済学部・経済科学研究科教授の後藤和子氏、東京都多摩市長の渡辺幸子氏ら5名が出席しました。

 議論は、パネリストが各自の活動・研究内容を紹介しながら、テーマに沿って意見を述べる形で行われました。そこで工藤は、市民社会の可能性に触れながら、地域社会では協働の名を借りた市民組織の行政への下請け化が進んでいると指摘し、本当の協働を進めるためには、非営利組織が自立できる市民市場を設計することが必要で、寄付金の住民税の減税を含めた仕組み作りを地方も独自に検討すべきではないか、と主張しました。


071011_kudo.jpg さらに工藤はピーター・ドラッカーの言葉を引用し、市民社会が変容していく中、知的なワーカーは社会に貢献したいと思いながら、つながりを持てずに社会において漂流している現状を指摘しました。これからの地域コミュニティは、地域だけに籠るのではなく、こうした人たちと地域を超えてつながり、新しい市民としての展開を行って行くべきではないかと述べました。


 一方、他のパネリストからは、コミュニケーションを通じた地域における自立した環境や文化の確立(菊谷氏)、市民-行政-民間の共同による市民が主役の街づくり(渡辺氏)、情報を生かす力を通じて個の能力を磨き、ソフト面の充実で地域を元気にする(横石氏)などの各課題への意見が表明されました。また従来の文化政策は箱物をつくるばかりで、中身をつくる余裕がなかった(後藤氏)などの指摘がありました。

10月11日と12日の二日間にわたり、静岡市で、第69回全国都市問題会議が、全国市長会などの主催で開催されました。言論NPOからは、代表工藤泰志がパネリストとして出席し、二日目のパネルディスカッションにおいて発言しました。会議には全国の市長・市議会議員など2300人が参加しました。