3月28日(金)、都内ホテルにて「趙啓正氏を囲む朝食会」が開催されました。『公共外交』などの著書を持つ趙啓正氏は、中国国務院新聞弁公室主任などを歴任し、現在、中国人民大学新聞学院院長を務めています。趙氏は、今年10回目を迎える日中間の民間対話「東京-北京フォーラム」の生みの親の一人であり、言論NPOが3月29日に開催する国際シンポジウム、「新しい民間外交の可能性~東アジア地域の紛争回避と政府間外交の環境づくり~」のパネリストとして来日しました。
この来日に合わせて開催した今回の朝食会には、言論NPOのアドバイザリーボード・メンバーである明石康氏(元国連事務次長)、小倉和夫氏(元駐フランス、駐韓国大使)、藤崎一郎氏(元駐米国大使)に加え、言論NPOをご支援いただく企業経営者の皆様など約20名が参加して開催されました。
冒頭で趙啓正氏は、東京の桜の開花時期と重なった今回の来日に触れ、中国と日本の関係も桜のように咲いてほしいと関係改善への期待を示し、それは民間対話の努力によって可能なのではないかと指摘しました。
続いて、司会を務める言論NPO代表の工藤が、現在の日中関係と、関係改善に向けた取り組みのあり方、「東京-北京フォーラム」の役割と、昨年の第9回フォーラムで合意・発表した「北京コンセンサス(不戦の誓い)」の意義、さらには民間外交の必要性について質問しました。
趙氏はこれらの質問に答えながら、日中関係に関する冷静な現状認識と、関係改善に向けた強い思いを語りました。その後、参加者による活発な意見交換がなされました。
最後に、司会の工藤は10年前に趙啓正氏と出会ったことが、「東京-北京フォーラム」を開催する出発点となったと謝意を示した上で、このフォーラムを含めた民間外交の重要性・必要性を言論NPOは行動で示していかなければならないと述べて、朝食会を締めくくりました。
言論NPOでは、3月29日(土)に、中国から超啓正氏にご参加いただく他、アメリカ、韓国、イギリス、シンガポールの5カ国に、日本を加えた6カ国の識者による国際シンポジウムを開催します。
このシンポジウムでの議論は、言論NPOのホームページにて公開する予定です。