8月29日、30日、31日の3日間に及ぶ「東京-北京フォーラムin 東京」が閉幕し、参加者による記者会見が行なわれました。記者会見には、日本側から工藤泰志(言論NPO代表)、安斎隆氏(株式会社セブン銀行代表取締役会長)、明石康氏(財団法人国際文化会館理事長)、松本健一氏(評論家、麗澤大学経済学部教授)、武藤敏郎氏(株式会社大和総研理事長)、中国側からは趙 啓正氏(全国政治協商会議外事委員会主任)、陳健氏(中国国連協会会長)、劉江永氏(中国日報社編集委員会委員)、高岸明氏(中国日報社編集委員会委員)が出席しました。
まず、実行委員長である安斎氏は、過去にないほど多くの人々が参加したことに触れ、2005年から10回開催するという約束で始まった本フォーラムがようやく次のステージに成長したとしつつ、「日本側からいかに現在の停滞から抜け出すかという意見が出ないことにもどかしさを感じる」とも述べました。
趙氏は、2005年の中日政府間の意思疎通が難しい時期から、第2のパブリックデプロマシーとして本フォーラムが始まったことを思い起こし、「公共外交の場で重要な役割を果たしている人々と、一番重要でセンシティブな問題について話している」と本フォーラムの意義に言及し、「このフォーラムが、互いの助けになるように願う」と語りました。
次に、明石氏は、「白熱した議論にもかかわらず、日中のパネリストは冷静に、具体的に応え合うことが出来た」とし、過去6回の中でも特に充実したフォーラムであったと指摘しました。同じく外交・安全保障に参加した陳氏は、「日本側の質問には非常に激しい内容のものもあったが、腹を割って話し合うことが出来れば、今後の両国関係も継続して行ける」と両国の未来を見据えた感想を述べました。
続けて、学生との対話形式をとる政治対話の日本側司会を務めた松本氏は、「第4回の東京開催時に比べて150名以上と非常に多くの応募があり、会場でも多くの学生に政治家と積極的に議論したいという姿勢が見えた」として、日本の若者の未来に希望を示しました。
また、劉氏も若い学生がこの議論に関心を示してくれたことに新しい展開を見たことを指摘しつつ、本フォーラムで最もよく耳にした、「互いに学ぶ」「互いに譲る」「互いに尊敬する」という3つの言葉を挙げ、それらがあったからこそ「自国の課題だけでなく、相手の誤解についても議論することが出来た」とフォーラムの成長を振り返りました。
次に武藤氏は、「対話を通して、バブル生成から崩壊に至る日本の苦い経験を中国に伝えることが出来た」とし、GDP2位、3位の両国がこのような民間対話を開催することの経済的重みについて言及しました。
最後に、中国側主催者である中国日報社を代表して高氏は、本フォーラムが始まることとなった経緯について触れたうえで、「劉氏が述べたように互いに学び、譲り、尊敬する心があれば日中の未来は明るい。今後も、関係の発展に向け引き続き努力していきたい」とさらなる意欲を示しました。
その後フロアとの質疑応答を経て、主催者代表として言論NPO代表工藤が関係者や参加者に対して謝意を示し、第6回目となる東京-北京フォーラム全日程を締めくくりました。
8月29日、30日、31日の3日間に及ぶ「東京-北京フォーラムin 東京」が閉幕し、参加者による記者会見が行なわれました。記者会見には、日本側から5名、中国側から4名が参加しました。