日中関係改善に向けて―平和友好条約締結35周年に「東京‐北京フォーラム」を開催

2013年5月17日

「第9回 北京‐東京フォーラム」第2回実行委員会
 5月16日、都内にて、「第9回東京‐北京フォーラム」の第2回実行委員会が開かれ、実行委員長の明石康氏(国際文化会館理事長)をはじめ約30名が参加しました。会議では、第9回フォーラムを日中平和友好条約締結35周年の8月12日に北京で開催することを正式に決定、同時に今回の対話が日中関係改善に向けての第一歩となるよう取り組むことで一致しました。これらの点は既に中国側とも合意しており、約3ヶ月後に迫った第9回フォーラムに向けて本格的に準備を開始することになりました。

工藤泰志  会議の冒頭では、代表の工藤が先月4月初旬の北京での事前協議について報告を行いました。この中で工藤は、「両国関係は厳しい状況にあるからこそ『東京‐北京フォーラム』が民間対話としての役割を果たすべきという点を参加者間で確認した」と述べ、「日中平和友好条約にある『すべての紛争を平和的手段により解決する』と同じ考えで今回の対話に臨みたい」と語りました。

 宮本雄二元中国大使も「厳しい状況下でも民間有識者が先頭に立って前向きに進めていきたいとの意思表示が中国側からあった」と付け加えました。


 次に、第9回フォーラムの開催概要と分科会の構成について工藤が説明を行い、日中平和友好条約の精神に基づいた「北京コンセンサス(仮称)」を提起することや分科会を可能な限り円卓会議方式で行い、参加者が課題解決のために一緒に考える対話のあり方を模索すべきであると提案しました。


 これに関連して、4月の事前協議に参加した副実行委員長の田波耕治氏(三菱東京UFJ銀行顧問)は8月12日という重要なタイミングで実施される第9回のフォーラムについて「日中間の諸問題を平和的に解決すべきであるということを両国内及び世界にメッセージとして広く発信するような対話にしたい」と語りました。


 その後、分科会の構成や対話のトピックについて委員から様々な意見が出され、尖閣問題をめぐる関係悪化で停滞した日中間の経済交流のあり方や、「メディア分科会」に参加する中国メディアからのパネリストの人選についても提案が出されるなど活発な意見交換がなされました。


 最後に工藤が今後のスケジュールについて、来月に共同の世論調査を実施し、その結果を7月に北京にて記者会見で発表すること、また、今後3ヶ月の間で各分科会のトピックについて十分に参加者間で議論を煮つめるため勉強会を開催することなどが説明され、その他具体的な点については各関係者で今後個別に意見交換を行いながら進めていくことで合意し、会議を終了しました。


 言論NPOは、先に開催した「第1回日韓未来対話」に続き、東アジアのガバナンスの安定化に向けて次は対中国の対話の準備を進めていきます。随時関連情報を言論NPOのHPにて公開していきますので是非ご覧ください。

 5月16日、都内にて、「第9回東京‐北京フォーラム」の第2回実行委員会が開かれ、実行委員長の明石康氏(国際文化会館理事長)をはじめ約30名が参加しました。