言論NPOが20年間で実現した主なもの

アジアの平和に取り組む

日中最高の公共外交プラットフォーム
「東京-北京フォーラム」を創設(2005年以降毎年)

日中最高の公共外交プラットフォーム「東京-北京フォーラム」を創設(2005年以降毎年)

「東京-北京フォーラム」日中関係が悪化し、中国で大規模な反日デモが発生した2005年に日本と中国の間で設立された民間対話です。

今では、米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)が「日中最高の公共外交プラットフォーム」と評する、米中対立下の世界で中国と本音の議論ができる世界でも唯一の舞台です。

この対話はどんなに厳しい局面でも、16年間一度も途切れることなく開催されています。

日中の政府関係の立て直し(2006年)

日中の政府関係の立て直し(2006年)

「東京―北京フォーラム」は民間外交の舞台としても機能しており、2006年、政府間外交も停止する中で、当時の安倍晋三内閣官房長官(その後首相)、第二回目のフォーラムで発言を行い、2か月後の首相の電撃訪中を作り出す舞台となりました。フォーラムで安倍氏が講演した、「政治」と「経済」の二つの車輪をという言葉は、この時の共同文章にも使われ、「戦略的互恵関係」を築くことで一致している。

「不戦の誓い」を合意(2013年)

「不戦の誓い」を合意(2013年)

2012年の日本の尖閣諸島の国有化で日中関係は再び緊張し、世界では日中両国に紛争の危険性との報道が溢れた。言論NPOはこの際に王毅外相にも直談判し、1013年には尖閣諸島の対立下で「不戦の誓い」を民間の対話の舞台で中国側と合意しました。習近平氏はこの時に声明を出し、「民間外交」の重要性に言及しました。

世界で唯一の日中世論調査を15年間実施(2005年以降毎年)

世界で唯一の日中世論調査を15年間実施(2005年以降毎年)

言論NPOは日中関係の改善のためには、両国民の相互理解や意識の動向の把握が不可欠と考え、2005年から、日本と中国で両国民を対象にした世論調査を行い、調査結果を公表しています。中国の世論調査を行うのは今では世界でも当団体だけであり、15年間も継続され経年変化を分析できる世論調査資料は世界でも皆無のため、世界の研究者や研究機関が活用する一級の資料となっています。

「アジア平和会議」の創設(2020年)

「アジア平和会議」の創設(2020年)

北東アジアは、世界でも最も危険案地域とされ、米中対立下でその緊張が高まっています。

この地域が不安定なのは、この地域全域の事故防止や紛争回避のための対話や仕組みやルール自体も実効的に機能していないからです。言論NPOは、10年にも及ぶ日米、日中、日韓の協議を重ね、米中が参加する日中韓米4カ国の「アジア平和会議」を2020年に創設し、この地域の紛争回避と持続的な平和を実現するという、歴史的な作業を開始しています。

「日韓未来対話」と日韓共同世論調査(2013年以降)

「日韓未来対話」と日韓共同世論調査(2013年以降)

2013年から毎年開催する「日韓未来対話」も日韓両国が困難な時でも一度も中断せずに、対話が続いています。2019年にはほとんどの日韓対話が中止となった中でも、約500人の多くの市民の方々から支援を受けて開催しました。2020年からは、日韓両国の若者が集まり対話する「日韓若者対話」も始まり、日韓関係を未来志向で議論する唯一の対話となっています。また、この対話に合わせて、日韓両国の共同世論調査も毎年行われ公表しています。

「日米対話」と日米共同世論調査(2017年以降)

「日米対話」と日米共同世論調査(2017年以降)

2017年から開始した、市民の理解に支えられた強い日米関係の発展を目指す日米対話では、安全保障や、民主主義の修復に向けて両国の要人が参加し、ハイレベルな議論を展開しています。特に日米が主導してアジアの紛争回避と持続的な平和を目指すため、「アジア平和会議」と連動して議論を行うほか、必要に応じて日米の世論調査も米国の大学と連携して行っています。

世界の課題に挑む

世界を代表する20カ国のシンクタンク会議に日本で唯一選出される(2012年)

世界を代表する20カ国のシンクタンク会議に日本で唯一選出される(2012年)

言論NPOは2012年、アメリカの外交問題評議会(CFR)が提起した、グローバル・ガバナンスと多国間協力の課題について共通の対話を行う、世界を代表する主要シンクタンク(設立時19カ国20団体)による国際会議「カウンシル・オブ・カウンシルズ」(Council of Councils, 以下CoC)に、日本から唯一選出されました。

東京を舞台に10の民主主義国のトップ・シンクタンクが議論―東京会議創設(2017年)

東京を舞台に10の民主主義国のトップ・シンクタンクが議論―東京会議創設(2017年)

世界の自由秩序や民主主義が後退し、権威主義が台頭する中、世界を代表する民主主義の10カ国のシンクタンク代表が集まる会議(D-10)を、2017年世界に先駆け創設し、世界の課題に向けた政策協調や民主主義の修復に向けた議論を東京発で世界に発信。議論から導きだされた提言や意見をまとめ、G7・G20議長国に提案しています。

2020年はオンライン会議でしたが、10のシンクタンクの他、アナス・フォー・ラスムセン氏(元NATO事務総長. 元デンマーク首相)やクリスチャン・ヴォルフ氏(ドイツ元大統領)、ケビン・ラッド氏(元オーストラリア首相、 米アジア・ソサエティー会長)などの首脳経験者や現役の大臣、専門家も参加しました。

世界の10分野の課題に関する国際協力の評価を毎年公表(2019年以降)

世界の10分野の課題に関する国際協力の評価を毎年公表(2019年以降)

言論NPOは、2019年から、10分野の地球規模課題に関する国際協力の評価を行い、その内容を世界に公表しています。グローバルヘルスやテロ対策、サーバー、核拡散の防止、国際経済システム、国際開発、国際貿易、国際紛争、国内紛争、気候変動の10分野で、この作業には国内の若手の研究者など30氏が参加しています。

また、この評価作業に加え、地球規模課題を多くの市民も考えるための公開フォーラムも行っています。

民主主義を強くする

日本初のマニフェスト評価で有権者に判断材料を提示(2004年以降)

日本初のマニフェスト評価で有権者に判断材料を提示(2004年以降)

有権者と政治との間に緊張感ある関係をつくり出し、政党が課題解決で競争し、それを有権者が判断する。そうした課題解決のサイクルをつくり出すため、各政党の公約を、一定の評価基準で日本初のマニフェスト評価を実施しています。現在、こうした取り組みを行っている唯一の団体となっています。

世界に先駆けて民主主義の修復で世界のシンクタンク等と連携(2006年以降)

世界に先駆けて民主主義の修復で世界のシンクタンク等と連携(2006年以降)

世界の民主主義の後退問題に関して、世界に先駆けて、欧州や東南アジアのシンクタンクと連携して世論調査や分析を行う。また世界の政治家や研究者を集めた公開のシンポジウムを日本国内で連続開催。代表制民主主義が市民の支持を失い始めていることを世界に問題提起し、その解決に向けた議論を行う。また民主主義に関する各国共同の世論調査を公開している。

日本国内の民主主義の仕組みを点検し、改革案を提示する(2018年以降)

日本国内の民主主義の仕組みを点検し、改革案を提示する(2018年以降)

日本国内の民主主義の仕組みや政治に関する世論調査を連続実施し、日本国内でも国会や政党などの代表制民主主義の仕組みが市民の信頼を失い、政治不信が高まっている状況を公表する。民主主義に関する公開議論や研究者などの作業チームを構成し、民主主義の仕組みの点検作業を開始中。それをもとに日本の民主主義を機能させるための改革案を提示する予定。

「知見武装」を呼びかけ、年間40回を超えるオンライン会議を開催(2020年以降)

「知見武装」を呼びかけ、年間40回を超えるオンライン会議を開催(2020年以降)

世界で米中対立や地球規模の課題が深刻化する中で、言説に惑わされず、自分で考える力を付けるための「知見武装」を呼びかける。地球規模の世界課題、アジアや日本が直面する様々な課題を、多くの人が参加し、考え、意見交換するための「言論フォーラム」を年間40回以上開催し、活発な議論の舞台を運営している。

市民社会に質の競争を促すエクセレントNPO大賞の実施(2012年以降)

市民社会に質の競争を促すエクセレントNPO大賞の実施(2012年以降)

非営利セクターの現状調査の結果を基に、日本で初めて、日本の市民社会を強くするための体系的な自己診断基準「エクセレントNPOの評価基準」を開発。強い市民社会に向かって多くの非営利組織が競い合うような良循環を作り出すための取り組みを推進している。