第8回日韓未来対話 「日韓関係の未来に希望はあるのか」主催者挨拶

10月17日午後1時~6時
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工藤.png私たちが行う「日韓未来対話」は、両国間の困難やアジアの未来に向けて率直に話し合うために2013年、韓国の東アジア研究院(EAI)との間で合意し設立したもの で、今回で8回目となります。

日韓間には様々な民間対話がありますが、「日韓未来対話」は市民に公開されている唯一の対話です。国境を越えた課題の解決や相互理解は、それぞれの国民の理解がなくては進みません。そのため、この対話は市民に公開されると同時に、毎年共同で実施する世論調査に基づき、両国の国民 間の意識や相互理解の動向を判断した上で行われます。

日韓両国は今、重要な歴史的分岐点にあります。新型コロナウイルスの拡大や米中の対立の深刻化は、各国の政治、経済、 社会に大きな打撃を与えているだけではなく、世界の多国間主義や国際協調を弱体化させ、各国はより内向きになっています。

今回の日韓未来対話はこうした世界やアジアが歴史的な変化や困難に直面する中で行われるものです。私たちの基本的な認識は、米中という強大国家の間で同じ立ち位置を問われている、日韓両国がこのまま不毛な対立をしていていいのか、ということです。

私たちが、この9月に日韓両国で行った世論調査は驚くべき結果を示しています。日韓の両政府間の対立は歴史認識から経済問題に拡大しており、政府間の不信は国民感情に波及し、韓国でこれまでにない対日意識の悪化が始まっていたのです。

日本国内にも日韓対話を行うことに慎重な意見も見られましたが、こうした状況だからこそ、私たちは今年も継続して対話を行うことを決断したのです。

今年の「日韓未来対話」は、「日韓関係に希望はあるのか」をテーマに最近の二国 間関係の悪化の現状について議論すると同時に、新型コロナの問題や米中対立の世界的な変化の中で、日韓に協力の可能性があるのか、率直に話し合います。また初めての試みとして、日韓両国の若者約30名が参加する「日韓若者対話」を実施。40才以 下のパネリストが二国間の未来をどのように見ているのか、どのようなアイデアがあるのか新しい視点での対話を試みます。

私たちの努力が、アジアの新しい秩序に向けて一歩踏出せる機会になればと、それの可能性を信じて私たちは対話を行います。皆様のご理解をお願いいたします。

                               言論NPO代表 工藤泰志