5月10日(火)、言論NPOは都内ホテルにて増田寛也氏(野村総合研究所顧問、東京大学公共政策大学院客員教授)をゲストスピーカーにお迎えしてモーニングフォーラムを開催し、「今回の選挙で、私たち有権者が考えなければいけない将来課題とは」と題してお話しいただきました。
増田氏はまず冒頭の講演の中で、日本の総人口や合計特殊出生率、東京圏への転入超過数の推移など様々なデータを紹介しながら、自身が座長を務める「日本創成会議」が2014年5月に公表したいわゆる「増田レポート」の内容を振り返り、「このまま東京など都市圏への若者流出と若年女性の減少が進めば、2040年には全国896の市区町村が『消滅可能性都市』になる」と改めて人口減少問題に対する警鐘を鳴らしました。
また、高齢化問題については、2025年にかけて後期高齢者が、特に東京圏で増加するとの試算を紹介した上で、それにもかかわらず東京圏では後期高齢者の収容能力(介護保険施設、居住系サービス、サービス付き高齢者住宅など)が大幅に不足していると指摘し非常に厳しい見通しを示しました。
講演の後、質疑応答に入りました。司会を務めた言論NPO代表の工藤泰志は、このように非常に大きな将来的な課題に対して、本当に政治がマネジメントしていくことが可能なのか、そして、選挙の際に各政党は何を言わなければならないのか、と問いかけました。
さらに、列席した参加者との間では、人口を増やすための方策として、移民や事実婚の是非など、これまでタブーとされてきた領域に切り込むような議論も展開され、盛況のうちに本フォーラムは終了しました。
※モーニング・フォーラムは、言論NPO会員、および会員からご紹介いただいた方のみの限定イベントです。各界からゲストスピーカーをお招きして開催します。