6月28日、東京都内の言論NPO八丁堀オフィスにて、内閣府審議官の羽深成樹氏を講師にお迎えして、「第8回言論NPO政策勉強会」を開催しました。
政府は今月9日の閣議で、「経済財政運営と改革の基本方針2017(骨太の方針)」を決定しました。今回の骨太方針は、「働き方改革」とともに、人口減少に伴う人手不足に対応するため、生産性を向上させる「人材投資」に重点を置いています。
財政健全化をめぐっても、2020年度の基礎的財政収支黒字化という従来の目標と同時に「債務残高対GDP(国内総生産)比の安定的な引き下げ」という新指標が加わったり、消費税増税に関する文言が消えるなど、これまでの骨太の方針からの変化が見られます。
そこで今回の政策勉強会では、骨太の方針の策定において中心的な役割を果たした羽深審議官をお招きし、「骨太の方針2017をどう読み解くか」と題してご講演いただきました。
講演の中で羽深審議官はまず、日本経済の現状と課題について政府の見解を紹介しつつ、「一億総活躍社会」の実現に向けた政府の取り組みがどこまで進捗しているのか、改革工程表における現在地を示しました。その上で、今回の骨太の方針で示した働き方改革や人材投資、さらに成長戦略をどのように具体化していくのかを解説しました。
また、財政再建の道筋についても、社会保障や地方行財政などの主要分野ごとの改革の取り組みの進捗を紹介すると同時に、今後の具体的方針について説明しました。
その後、司会を務めた言論NPO代表の工藤や、出席した会員との間で質疑応答が行われました。そこでは「消費増税の先送りはあるのか」、「未来投資会議や規制改革会議など様々な会議が乱立しているが、プライオリティはどこにあるのか」、「毎年のように新しい方針が打ち出されるのはなぜか」、「人手不足に対応する上で外国人労働者という選択肢は考えているのか」などの突っ込んだ質問が寄せられましたが、羽深氏は官邸や内閣府における議論の内幕を紹介しつつ、本音ベースで回答しました。その他にも出席者との間で活発な意見交換が行われ、充実した勉強会となりました。
次回、第9回の政策勉強会につきましては、詳細が決まり次第ご案内いたします。