「第3回エクセレントNPO大賞」組織力賞受賞 / シャプラニール=市民による海外協力の会 

2014年12月09日

工藤:今年度のエクセレントNPO大賞になったご感想はいかがでしょうか。

小松豊明(事務局長):ノミネートして頂いたということだけで本当に嬉しかったのですが、組織力賞に加えて、大賞まで頂けるとは思ってもみなかったので、本当に驚いていますし、本当に嬉しく思っています。

 我々はちょうど今、組織の大きな転換点に来ていると考えていて、今日のシンポジウムでも話が出ましたが、社会への影響を与えていくためには大きくならなければいけない、規模を大きくしなければいけない、という話がありました。我々もまさしくそのように考えていて、地べたでの活動、草の根の活動、草の根の現地での活動というのは自信を持ってやっていますし、成果もでていると認識しています。ただ、それを、社会への変革、社会への変化というところまで考えると、まだまだ力が足りないなと思っています。組織をもう少し大きく、影響力を強くしていく、ひいてはNGO、NPO全体の認知度を高めて影響力を持っていくということも視野に入れて、今後取り組んでいく必要があると思っていました。そうした転換点のときに、今回のエクセレントNPO大賞を受賞できたということは、組織を転換するための大きなきっかけになるのではないかと感じています。

工藤:私も同じ気持ちです。先ほど、武田先生も発言していましたが、NPOを始めとする非営利セクターそのものが、曲がり角にきているのではないか、つまり、インパクト力を失い始めているのではないか、という感じが少ししています。その点についてはどうですか。先ほど、おっしゃっていたように、シャプラニールの新しい転換点ということに繋がってきますか。

小松:私が感じるのは、インパクト力が失い始めているという見方もできるかもしれませんが、少し見方を変えると、いろいろなものの境目が、だんだん低くなってきているのではないかと思います。例えば、企業でも、我々のようなNGO的な活動をしている企業、社会的企業というような言い方もしますが、そういうところが増えてきていますし、ビジネスの業界の中でもCSRが浸透してきて、我々が本来、やるべきような取り組みを企業が途上国でやり始めた、というケースも増えてきています。そういった、境目が少しずつなくなってきている中で、我々NPOの果たす役割がどういうことなのか、ということを考えていかなければいけない時期に来ているのではないかと思っています。

工藤:それはある意味で良い現象だと思います。社会全体で様々なアクターが、課題解決の領域にそれぞれの形で入ってきているわけですね。その中で、非営利セクターそのものが先見性を見出したい、という段階に来ているといういことですね。

小松:そうです。ですから、我々は今まで現場で良いことをやってれば良い、という意識が強かったと思うのですが、それだけでは、十分ではないだろうと。よりよい社会をつくっていくために、我々のような市民セクターが、何をすべきなのか、何ができるのかというところをもう少し影響力という観点からも、考えていく必要があるのかなと思っています。

工藤:ありがとうございました。また、本日はおめでとうございました。
小松:ありがとうございます。