7月13日、代表工藤は、山形県新しい公共推進協議会主催のNPO評価のセミナーにて講師として招かれ、「エクセレントNPOの評価基準」や先日行われた「エクセレントNPO大賞」についての講義を行いました。山形県新しい公共推進協議会が県内のNPO活動を活性化する目的で実施したこのセミナーには、山形県内のNPO関係者など約50名が参加し、非営利組織における2つの競争や強い市民社会の重要性について語りました。
セミナー内でまず工藤は、海外において非営利組織が目の前の課題解決のために横につながりながら活動を行う例を挙げながら、「世界では市民が主体となり新しい流れを作り出している。強い市民社会を実現するためには市民一人ひとりが自立して積極的に社会にかかわっていくべきである」と語りました。そしてそれに関連して、市民社会の受け皿となるべきNPOが日本ではうまく機能していない点を問題提起し、NPOが抱える問題を基につくられた「エクセレントNPO」の評価基準についてふれました。
そして、評価基準に関連して、言論NPOをはじめ学者やNPO関係者で組織された「エクセレントNPOをめざそう市民会議」が7月11日に実施した「エクセレントNPO大賞」の授賞式の内容について紹介しました。市民性・課題解決力・組織力においてそれぞれ賞を受賞した団体とその活動実績についてふれながら、「小さな組織でもそれぞれが独自のモデルをつくりながら課題の解決に取り組む動きに非常に感銘を受けた。このような良いNPOを『見える化』するツールとしてこの評価基準を使用し、市民社会での良循環が起こることを期待する。」と述べました。
次に工藤は、評価基準の3つの基本条件と33の評価項目についてそれぞれ具体例を挙げながら詳しく説明しました。基本条件の1つである組織安定性の点については、「資金調達面や組織の中立性の面で問題があるNPOが多い」と語り、資金調達上での不透明さやアカウンタビリティを軽視している問題を強く指摘しました。
最後に行われた山形県の中間支援組織数団体とのワークショップでも「エクセレントNPO」の評価基準を基に組織の自己点検を行う重要性を語るなど、「日本の地方のNPOが評価基準を活用しながら非営利組織間に質の向上をめざす流れを起こしたい」と締めくくりました。
言論NPOは今後もエクセレントNPOの評価基準を基に各地域のNPOと議論を行いながら各NPOをつなげるプラットフォームとしての役割を果たしていきたいと思います。