5月8日、都内にて非営利組織評価基準検討会が開催され、「エクセレントNPO」を目指す努力をサポートするための自己診断ツールの内容の検討と、この活動の今後の展開について、議論が行われました。
検討会には代表の工藤のほか、関尚士氏(シャンティ国際ボランティア会事務局長)、武田晴人氏(東京大学大学院経済学研究科教授)、堀江良彰氏(難民を助ける会事務局長)、加藤志保氏(チャイルドライン支援センター事務局長)、田中弥生氏(大学評価・学位授与機構准教授)が参加しました。
検討会は先月、「エクセレントNPO」の評価基準と、それを軸とした「強い市民社会」に向けた良循環をつくり出すための動きを公表しました。今回の会合では、この基準を社会に普及させ、社会的に機能させるための活動体制について議論が行われ、活動の母体となる組織を発足させることが合意されました。
その上で、「エクセレントNPO」評価基準の自己診断ツールの公表に向けての検討作業が行われました。「エクセレントNPO」評価基準は、「市民性」、「組織安定性」、「社会変革」という基本条件から構成され、これらについての計36項目の判断基準、約100項目のチェックリストが準備されています。今回の議論では、「市民性」、「組織安定性」における各チェックリスト項目の内容や、項目相互間の関係・整合性に着目し、具体的な検討が加えられました。
まず、市民の組織への参加度合いを測る「市民性」についての議論では、ボランティアの非営利組織への参加をいかに評価するかという点が話し合われたほか、寄付者に安心感を与えるための事業報告などのあるべき形や、寄付者への感謝の気持ちを伝える工夫について、具体的にどういった基準で評価するのかが話し合われました。
また、「組織安定性」に関しては、組織の意思決定機関やその責任の所在に関する基準項目について議論されたのち、公序良俗に反する行為を行う団体等への監視が、非営利組織においてどのようになされるべきかについても議論が行われました。さらに、資金調達の透明性の確保と個人情報の保護とのバランスを評価基準の中でいかに取っていくかという点についても検討されました。
なお、これらのチェックリストについては、検討会メンバーが各自の団体において試験的に適用し、実際の組織にあてはめることを通じて運用可能性をチェックすることが合意されています。非営利組織評価基準検討会では、こうした作業を通じ、自己診断のためのチェックリストを5月末までに完成させる予定です。