「エクセレントNPO」を軸とした、強い市民社会への「良循環」を提案します

2010年3月12日

 言論NPOでは、ブックレット「『エクセレントNPO』とは何か」の発売をきっかけに、「エクセレントNPO」を軸として強い市民社会への「良循環」をつくるしくみを提案します。4月には「エクセレントNPO」の評価基準を公表し、「強い市民社会」に向けた議論を本格的にスタートさせます。


「エクセレントNPO」が市民社会を強くする

 鳩山首相は所信表明演説で「新しい公共」という概念を提唱し、市民やNPOによる積極的な社会参加を応援する政治のしくみが必要であると訴えています。
 では、NPO法制定から10年以上が経った今、この国の市民社会は本当に強くなったのか。なっていないとすれば、「強い市民社会」をつくるために何が必要なのか。―そのような問題意識のもと、国内外の第一線で活躍する有力なNPO・NGOの代表や専門家などによって結成されたのが非営利組織評価基準検討会です。
 そして、2年間にわたる議論の末に私たちが出した答えが、「エクセレントNPO」を軸に、強い市民社会に向けた「良循環」をつくり出すということです。
 「強い市民社会」とは、市民ひとりひとりが当事者意識を持って政治を選び、社会の課題解決にも自発的に参加し、そうした動きが尊重されるような社会だと、私たちは考えます。そのためには、市民社会の受け皿となる非営利組織こそが強くならなければなりません。非営利の世界では優れたNPOが課題解決を競って切磋琢磨し合い、そうしたエクセレントなNPOを目指す競争が始まる。それらの活動が市民から信頼され、支えられていく。それを軸として市民社会が強くなっていくような大きな変化こそが、今の閉塞感ある日本を変え、未来を切り開くために必要なのです。

 では、「エクセレントNPO」とは一体、どのようなものなのか、「強い市民社会」に向けた「良循環」がどのように実現するのか―ブックレット「『エクセレントNPO』とは何か」では、NPO・NGO間の討議や、この作業に携わった多くの人の発言を通じて、その全体像が明らかになります。ぜひご覧ください。

本ブックレットのお求めはこちら(お得なキャンペーン中!)
本ブックレットの詳細はこちら

「『エクセレントNPO』が市民社会を強くする」―工藤が発言中です


「非営利組織評価基準検討会」とは

 豊かな市民社会づくりの原動力となるような望ましい非営利組織像、すなわち「エクセレントNPO」を提起し、市民と非営利セクターの間に良循環をつくることを目的に、2009年4月に発足しました。議論はNPO・NGOの実践者の実体験をベースに展開されましたが、その内容を整理し基準という言葉に落とし込む作業は研究者によって行われています。本検討会では4月にも、「エクセレントNPO」の評価体系を公表する予定です。

非営利組織評価基準検討会 メンバー紹介

 非営利組織評価基準検討会には、片山信彦氏(ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事・事務局長)、加藤志保氏(チャイルドライン支援センター事務局長)、工藤泰志(言論NPO代表)、関尚士氏(シャンティ国際ボランティア会事務局長)、多田千尋氏(東京おもちゃ美術館館長、日本グッド・トイ委員会代表)、堀江良彰氏(難民を助ける会事務局長)の6名のNPO・NGO実践者と、大学評価・学位授与機構准教授の田中弥生氏(主査)、東京大学教授の武田晴人氏、大阪大学教授の山内直人氏、日本NPOセンター代表理事であり法政大学教授の山岡義典氏の4名の研究者が参加しています。