8月19日、言論NPOは日本、インドネシア、インド3カ国による公開フォーラム「世界のデモクラシーは後退したのか?~アジアの民主主義国はこの試練にどう立ち向かうのか~」を開催しました。フォーラム終了後、海外・日本のパネリストを中心に40名が集まりレセプションが開催されました。
冒頭、あいさつに立った代表の工藤泰志は、午前の非公式会議に始まり、夕方のフォーラム終了まで、9時間にわたってご参加いただいたパネリストの方々に感謝を伝えました。その上で、2年前、インドネシアを訪れた際、「デモクラシーの対話をやりたい」と話をすると、皆さん非常に喜んで相談に乗ってくれたこと、ハッサン・ウィラユダ元外相との出会いを紹介。こうした輪が広がり、「インドネシアとインドに加え、東南アジアのシンガポール、フィリピン、マレーシアも参加して、『アジア言論人会議』を立ち上げるところまできた」と現状を報告。そして、「民主主義をベースにした様々な地域や社会の課題に関して率直に意見を言い合う、そして、世界に発信をしていくような民間レベルでの対話の舞台が、今日、間違いなく動き出した」と語り、今日という日を、駆けつけた参加者と共に喜びました。
続いて、フォーラムの冒頭にあいさつに立った杉山事務次官が、レセプションにも駆けつけ、あいさつを行いました。その中で杉山氏は、「民主主義に関する議論が、わが国、インドネシア、インドの有識者の中で行われたことは非常に有意義だった」と振り返りながら、「アジアにおける民主主義の真の意味は押し付けられたものではなく、我々の中から大きく発展する形で、オーナーシップを持ち、多様性を尊重し、アジアの民主主義の形に合った形態が発展していくことを日本としても、他のアジア諸国の皆さんとも協力をしていきたい」と語り、政府としても協力していくことを約束しました。
来賓あいさつに立った駐日インドネシア大使のユスロン・イザ・マヘンドラ氏は、「デモクラシーは人間社会の生活の中に存在しており、非常に重要なテーマだ」と指摘する一方で、「デモクラシーは完全な体制ではないために、改善が必要である」と語り、デモクラシーを題材にした今回のフォーラムが来年以降も継続して開催されることを望みました。
その後、乾杯のあいさつに立った言論NPOのアドバイザリーボードの藤崎一郎氏(上智大学国際関係研究所代表、前駐米大使)は、「本日の会議は大成功だった」と述べ、フォーラムの成功のために運営に携わった人たちに拍手を送りました。その後、会議に参加した人たちの発展を願い、乾杯の発声を行いました。
その後、インドネシア側のパネリストを代表してあいさつに登壇したジムリー・アシディキ氏(インドネシア初代憲法裁判所長官)は、「フォーラムが成功したということで、アジア全体、人類のために民主主義の原則ということを広めていってもらいたい、そのためのフォーラムであってほしい」と、今回のフォーラムの継続と、今後の発展に期待を示しました。同時に、今回参加したパネリストを始めとして、「これからもインドネシアと日本の絆を深めていきたい」と語りました。
その後も、レセプションは和やかに進み、お開きを迎えました。