大賞受賞に恥じないように、1人でも多くの子どもたちに支援の手を届けたい
課題解決力賞・大賞・Learning for All 代表理事 李炯植
田中:第5回エクセレントNPO大賞を受賞した「Learning for All」代表の李さんです。おめでとうございます。
李:ありがとうございます。
田中:李さん、エクセレントNPO大賞以外にも、いろいろな賞を受賞されていると思いますが、「Learning for All」は最近注目されている若手の団体の1つといってもいいと思います。李さんは、学生時代からこの団体を始められたんですよね。
李:そうです。学生時代から始めました。
田中:学生の頃から、学業とこの仕事の両方をこなすことは大変じゃなかったですか。
「Learning for All」を立ち上げた理由とは
李:大変でした。大学の3年生の終わりごろに始めたのですが、単位は取り終えていたこともあって、大学で学んだことを実践で活かすということができたので、理論と実践の両輪を回しながら、非常に面白い活動でした。
田中:賞の話から外れてしまいますが、李さんは東京大学のご出身ですが、いわゆる大手企業だとか官僚の道を選ぶことも可能だったと思うのですが、なぜNPOという道を選ばれたのですか。
李:いくつか理由があるのですが、一番大きな理由は、私自身が貧困の地域の生まれでして、そうした原体験を持っていたことです。その後、東京大学に入って、日本の社会の格差を強く感じて、自分で何か解決できないか、と思ったことが直接のきっかけです。
田中:社会の課題可決自体を自分の仕事にしようと思っていたわけですね。普通だったら経済的な安定を気にしたりする人も少なくないのですが、気になりませんでしたか。
李:もちろん気にはなりました。今、代表としてやっていますが、職員が仕事をしていく中で、職員の生活の安定は絶対に必要だと思っています。ただ、生活の安定は前提としても、多くのお金をもらうよりは、社会のために市民として何ができるのか、ということを考えていましたし、やりがいを持ってできる仕事がいいかなと思っています。
「エクセレントNPO大賞」の受賞を新たなスタートに
田中:エクセレントNPOに関連して質問したいと思います。過去に3回、応募していただいていますが、3回目の挑戦での受賞となりました。過去2回、落選したことで気持ちが萎えたりしませんでしたか。
李:萎えたというか、まだまだ若い組織でしたので、改善のポイントがあるのだなという学習の機会になりました。
田中:評価書は、皆さんがディスカッションして作っていったのですか。
李:そうですね。ディスカッションもしていましたし、年々、事業の課題、組織の課題を解決していく中で、組織の成長が勝手に自己評価にも反映されているということだと思います。その結果、年々、書ける項目が増えていっている気がします。
田中:確かに、徐々に書けていたように思います。そうすると、仕事をしながら時々振り返って、自分の進む道や事業の方向性がより明確になっているということですね。
では、今後、「Learning for All」としてやってみたいことを一言お願いします。
李:この賞を頂いても、終わりではなくて、ようやくスタートに立てたのではないかと思っています。賞に恥じないように、1人でも多くの子どもたちに支援の手を届けられるように頑張っていきたいと思います。
田中:本当に期待しています。頑張ってください。ありがとうございました。
- 「第5回エクセレントNPO大賞」大賞・課題解決力賞受賞/Learning for All
- 「第5回エクセレントNPO大賞」市民賞受賞/アルテピアッツァびばい
- 「第5回エクセレントNPO大賞」組織力賞受賞/ホームホスピス宮崎
- 「第5回エクセレントNPO大賞」支援企業/池田肇(野村ホールディングス株式会社)