ベルリン日独センターでの講演の後、工藤はベルリン市内にて、政党や財団関係者、学者、ジャーナリストと意見交換を行いました。
まず、ベルリン自由大学を訪問し、大学院の授業内で「東アジア情勢と民間外交の役割」に関して講義を行いました。参加した学生からは、言論NPOが中国、韓国にて行う民間対話の重要性について共感と支持の意見が寄せられ、これまでの対話の経緯や成果、日中、日韓の共同世論調査結果に関して活発な質問が投げられました。このほかにも日本の国内政治に詳しい学生から日本経済の展望やアベノミクスの行方についても質問が出されるなど盛況の中で終了しました。
翌日は、ドイツ最大のシンクタンクSWP(ドイツ安全保障研究所)やドイツの社会民主党(SPD)の国際部を訪問、ここでも「東京-北京フォーラム」や「日韓未来対話」での例を中心に東アジアの領土をめぐる対立と、ナショナリズムに起因した二国間関係の現状と関係改善にむけた言論NPOの活動について説明を行いました。また、工藤は東アジアにおいて安全保障の枠組みが存在していないことから、平和と安定を保つ秩序づくりに向けて民間側からも取り組んでいきたいと語りました。
次に、ドイツの主要財団の一つであるフリードリヒ・エーベルト財団を訪れ、財団の中で中国、韓国をはじめとしたアジア太平洋の国々との事業を担当するステッテン氏と面会を行い、同じ東アジアにおいて対話を展開する団体同士として、今後の連携も念頭に置いた意見交換を行いました。ステッテン氏は、言論NPOが中韓と行う二国間対話や世論調査の重要性を強調し、日本に戦後70年という節目の年にアジアの平和に向けて政府だけではなく民間が積極的に発信していく意義を伝えました。
この他、ドイツ外務省や元駐日大使など外交関係者をはじめ、東アジアを専門とする学者やジャーナリストとも面会を行いました。面会や意見交換会を通して、戦後70年である本年、日本が適切に歴史に向かい合い、アジアの平和と安定に向けて様々な議論を世界に対して発信していく必要性を確認し、同時に様々な課題についてアジアの国々と丁寧に対話を継続していく覚悟を伝えました。また、戦後民主主義の在り方についてアジアを超え、日本とドイツの間の対話も強化していきたいと語り、一連の訪問を終えました。
今後、民主主義や戦後70年をテーマにした議論を積極的にウェブサイトで発信していきますので、ぜひご覧ください。