日本の政治・民主主義に関する 世論調査

2018年8月02日

⇒ 言論スタジオ「日本の民主主義は大丈夫か」


1.日本の将来をどのように見ているか

日本の将来に6割が悲観的、8割が高齢化と人口減少に有効な対策がないと回答

 日本人の6割近くが、日本の将来を悲観視しており、その割合は昨年から10ポイント近く増加している。その理由として8割を超す人が、「急速に進む高齢化と人口減少に対して有効な対策がない」を選んでいる。「安心できる社会保障制度や年金制度がない」も6割を超え、昨年から20ポイント以上増加している。「政治家や政党自身に課題解決の能力を期待できない」も5割を超え、同じく昨年よりも20ポイント増えている。


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2017年の選択肢 ※1「経済成長が停滞しており、今後の立て直しの道筋が見えないから」、※2「安心できる健康保険制度、社会保障制度が整っていないから」、※3「政治はポピュリズムに傾き、政治リーダーや政党自体に課題解決のための能力がないから」、※4「メディア報道をはじめ、ジャーナリズムや言論の力が後退しているから」、※5「中国の台頭や朝鮮半島の問題など安全保障面での課題が多いから」、※6「国際テロや難民の増加など、解決が難しい世界の課題があるから」


2.日本の民主主義は機能しているか

3割以上が「機能していない」と回答。現在の政党、首相、国会の在り方を問う声が多い

 日本の民主主義が「機能している」と考えている人は4割程度にすぎない。これに対して「機能していない」は3割以上存在している。民主主義が「機能していない」と考える理由で多いのは、「首相の姿勢」や「政党の機能不全」、「国会の議論の形骸化」など、現在の政治のあり方を問うものが多い。ただ、「選挙の低投票率」、「有権者の無関心さ」など、有権者側の姿勢を問うものも3割前後見られる。


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3.政党に課題解決を期待できるか

6割が、日本の政党に日本が直面する課題の解決を期待していない

 日本が直面している課題の解決を、政党に「期待できる」という人は2割に満たず、「期待できない」と考える人は6割近く存在する。その理由では、政治家は選挙に勝つことが自己目的化し、政党も選挙に勝つための野合に過ぎず、選挙公約も形骸化し、国民に向かい合う政治が実現していない、と判断している人がそれぞれ3割以上存在する。大部分の人は、政党や政治家の能力以前に、日本の政治は、直面する課題解決に真剣に取り組んでいないと見ている。


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4.民主主義を機能させるために、改革が必要な部分

「国会」と「政党」、そして「行政」の改革を合わせて半数以上が求めている

 日本の民主主義を機能させるために、改革や立て直しが必要な部分としては、「国会」が最も多く、次いで、「政党」、「行政」の順となっている。ただ、「わからない」と判断できていない人も2割いる。


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5.民主主義体制を支えるどの機関を信頼しているのか

「政党」「国会」「政府」に対する国民の信頼は1割から2割台、逆に7割程度が「自衛隊」と「警察」を信頼している

 6割から7割の日本人が、「信頼している」のは、「自衛隊」や「警察」といった実力組織と「司法・裁判所」である。逆に、5割から7割近くの日本人が「信頼していない」のは、選挙に基づく「国会」やそこから選出される「首相」、議会制民主主義を支える不可欠の要素である「政党」、さらには健全な世論形成において大きな役割を期待される「メディア」などである。しかも、それらを「信頼できない」割合はそれぞれ前年から増加し、特に「政党」は今年7割を超えた。もっとも、同じように選挙で選出された首長や議員によって構成される身近な「地方自治体」に対しては、「信頼している」が半数を超えている。


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6.義務投票制の是非

 日本人の6割は義務投票制を「望ましい」と捉えている。

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7.民主主義は望ましい政治形態なのか

半数近くは民主主義を好ましい政治体制と考えるが、確信を持てない層も半数存在する

 日本人の47.1%と半数近くが、民主主義はどんな他の政治形態よりも「好ましい」と答え、依然として日本では、民主主義に対する信頼は厚い。しかし、「一部で非民主的な形態が存在しても構わない」や「どんな政治形態でも構わない」が2割程度存在し、これに「わからない」と加えると、民主主義に対して確信を持つことができていない人が半数を超えている。


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8.世界の民主主義の状況をどう見ているか

民主主義の世界の動向を楽観視する人は4割存在するが、同じく4割は判断しかねている

 世界の民主主義の動向を「世界の民主主義は盤石」、「民主主義自体を否定する大きな問題ではない」など楽観視する見方は4割を超えている。ただ、悲観的な見方は2割に満たないものの、「わからない」と判断しかねている人も4割近い。


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9.民主主義の今後

半数が問題を抱える民主主義の将来を楽観視しているが、3割は今後を判断しかねている

 世界の中で、民主主義に対する問題は頻出しているが、民主主義自体を否定する動きにはならないと見る人が3割を超え、今後も中心的な制度として民主主義が機能すると判断する人を加えると、半数が民主主義の今後を楽観視している。民主主義の衰退・滅亡を予測する見方は1割に満たない。ただ、判断しかねている人も3割いる。


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10.強靭な民主主義をつくり出すために、必要なこと

4割が、市民の主権者たる姿勢の回復が強靭な民主主義を作り出す、と考えている

 4割近くの日本人は、強靭な民主主義をつくり出すためには、エリート層ではなく、まず市民自身の姿勢を問い直すべきだと考えている。「強靭な民主主義を作り出すことは難しい」は6%にすぎず、日本人は自らの努力によって民主主義を強靭なものとすることは十分に可能であると考えている。


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調査の概要

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