工藤:今回、我々のフォーラムに参加して、どのような感想を持たれましたか。
ラスムセン:日本に参りまして、民主主義や自由を守り、促進するための非常に強力なエンゲージメントがあるということを嬉しいと思うと同時に、非常に感銘を受けました。このようなコミットメントは、必ず必要だと思っています。そうした思いから、私はコペンハーゲンで「民主主義同盟財団」というものを設立しました。
ぜひ、今後も、日本の言論NPOと協力を深めさせていただいて、2020年6月に開催を予定している「コペンハーゲン・デモクラシーサミット」には多くの日本人の方にご出席いただきたいと考えています。
工藤:私も今後、協力をしていきたいと思っています。
続いての質問なのですが、世界の自由秩序と民主主義の再建ということに関して、日本に求められている役割は何だと思いますか。
ラスムセン:日本は自由と民主主義の促進という観点において、とても重要な役割を果たすことができると思っています。なぜなら、日本はまさに自由主義を反映させることによって、隣国と平和な関係を築き、国内の人たちに繁栄をもたらすことができた、といいう素晴らしい事例だからです。
自由を求めている世界の人々にとって、これは素晴らしいお手本だと思います。この点がまさに、日本が最も大きく貢献できるところだと思います。
工藤:自由と民主主義の未来を、ラスムセンさんはどう思っていますか。その未来を実現するために、どのような努力が必要なのでしょうか。
ラスムセン:私は楽天主義者です。自由と民主主義というのは協力な力を持っていますから、最終的には自由と民主主義が勝つと信じています。
全ての人が、自分の人生は自分で決めたい、ということが可能な自由な社会に住みたいということを望んでいます。民主主義は、その人々の期待に応えていく必要があると思っています。
また、民主主義国家においては、政治的なリーダーが、人々が抱える正当な懸念に対して効果的な解決策を提示していく必要があると思っています。やはり、政治家は、まず控えめな約束をして、それに対して約束した以上のことを結果としてもたらしていかなければいけない、と思っています。
さらに、民主主義国家に生きる我々は、自由と民主主義にかかわる原則をしっかりと守っていかなければいけない。そのためには、言論の自由と、法の支配が重要だと思います。
工藤:お疲れだったと思いますが、無事に帰国していただければと思います。
今回は、本当にありがとうございました。