【総合評価】
1年目
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2年目
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3年目
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4年目
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5年目
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3.1点
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3.2点
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3.6点
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3.4点
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3.3点
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【個別項目の評価】
評価対象の政策 |
2013
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2014
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2015
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2016
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2017
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国際協調主義に基づく積極的平和主義を積極的に実践する
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3
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3
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3
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3
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2
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日米同盟を基軸に、戦略的利益を共有する韓国をはじめ、中国、ロシアなどの近隣諸国との関係改善の流れを一層加速する
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3
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4
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4
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4
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4
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オーストラリア、インド、東南アジア諸国連合(ASEAN)、欧州など普遍的価値を共有する国々との連携を強化する
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4
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4
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4
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4
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4
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安全保障法制の施行に伴い、あらゆる事態に切れ目のない対応が可能な体制を構築する
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3
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3
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4
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3
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3
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自衛隊の人員・装備の増強など防衛力の質と量を拡充・強化し、統合機動防衛力の構築を目指す
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4
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4
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4
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4
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4
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尖閣諸島周辺海域での外国公船への対応、遠方離島周辺海域での外国漁船の不法行為に対する監視・取り締まり体制の強化など、海上保安庁、水産庁の体制を強化するとともに、遠隔離島における活動拠点の整備などを推進する
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3
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3
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4
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4
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4
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北朝鮮の挑発行為に対して、制裁措置の厳格な実施とさらなる検討も含めて対応する。拉致問題は、米韓との連携強化や国連への主体的働きかけなど、あらゆる手段を尽くして被害者全員の即時帰国を実現する
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2
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3
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3
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2
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2
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沖縄などの基地負担を軽減するため、日米合意に基づく米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移設を推進するとともに、米海兵隊のグアム移転など在日米軍再編を着実に進める
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3
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3
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3
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3
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評価の視点 |
・戦後の多国間主義や国際協調主義を基調とする秩序を擁護するため、どのような取り組みをしてきたのか 世界の情勢が大きく変化する中、日本は自らの外交・安全保障の理念をどのように設定し、いかなる政策体系によって安全・繁栄・価値の実現を図ってきたのかが問われている。 その中で第一の評価の軸は、米トランプ政権が自国第一主義を掲げるとともに保護主義的傾向を見せ、イギリスがEUから離脱するなど、戦後の多国間主義や国際協調主義を基調とする世界秩序を牽引してきた米英両国が大きく揺れ動く中、民主主義や法の支配といった普遍的価値、自由貿易体制を擁護するために日本としていかなる行動をとってきたのか、その取り組みを見ていくことにする。 次に、第二の評価の軸として、第二次安倍政権の発足以降、外交・安全保障の理念として掲げ続けてきた「積極的平和主義」について見ていく。今年、南スーダンにおける国連PKO活動から撤退したが、国会論戦では、日報隠ぺいなど自衛隊のガバナンスの問題についての議論が主となり、国際平和協力のあり方についての議論は深まらなかった。そうした中、日本としてどのようにPKOに取り組んでいくのか、など今後の方針を示してきたのかを評価していくことにする。同時に、積極的平和主義とは何か、その核心を説明しているかも検証していく。 第三の評価の軸は、外交の展開である。日米関係をいかにして深化させたのかという点に加え、急速に台頭する中国とどう向き合ってきたのかも大きな評価のポイントである。中国の軍事的台頭は日本の安全保障環境を変容させるとともに、地域の懸念材料ともなっている。同時に、中国経済がアジア太平洋の成長エンジンであることに変わりはないため、中国との共存・共栄も模索しなければならない。そこで、中国との緊張関係をどのように管理しつつ、戦略的互恵関係の具体化をしてきたのかは重要な評価の指標となる。 さらに、地域および多角的な外交の展開も評価対象である。日本周辺には米中以外にも、韓国、ロシア、オーストラリア、インド、ASEANなど多くの重要なプレーヤーが存在している。こうした国々との関係をいかにして創造的に発展させてきたのか。アジア太平洋地域に台頭する経済・エネルギー・環境・安全保障といった様々な地域枠組みに、日本はどのような戦略をもって臨み、自らのプレゼンスを向上させてきたのか。こうした秩序構想と戦略的外交の進め方を評価の指標とする。 第四の評価の軸は、緊張を増す我が国の安全保障環境に対する認識と、これに対応する防衛政策である。北朝鮮の核・ミサイル開発技術の進展は日本のみならず、北東アジア全体、さらには米国にとっても予断を許さない状況となっている。この問題に対して、どのような防衛力のあり方を構想し、それを実行に移してきたのか。トランプ政権が発足し、これまでとは異なる外交・安全保障アプローチを見せ始めている米国との間で、どのような日米同盟のあり方を追求してきたのか、どのように国際社会と連携してきたのか。また、それは単に強硬的又は融和的態度の提唱に止まらず、日本の目指すべき国際秩序、同盟関係、外交関係、法的基盤のありかた、予算的制約といったなかで、どこまで現実的に追求可能なものなのか、総合的な観点から評価した。 |
【外交安保】個別項目の評価結果
国際協調主義に基づく積極的平和主義を積極的に実践する |
4年評価:3点 |
既存の多国間主義や国際協調主義を基調とする国際秩序を擁護し続けている点はプラスの評価要素米トランプ政権が自国第一主義を掲げるとともに保護主義的傾向を見せ、イギリスがEUから離脱するなど、戦後の多国間主義や国際協調主義を基調とする世界秩序を牽引してきた米英両国が大きく揺れ動く中、日本は独仏などと協調しつつ、一貫して民主主義や法の支配といった普遍的価値、自由貿易の重要性を発信し続け、国際秩序を擁護する姿勢を見せているのはプラスの評価である。 南スーダンPKOをめぐって、防衛省・自衛隊のガバナンスに対する国民の信頼を大きく損なうこととなったしかし、安倍政権の外交理念である「積極的平和主義」については、十分に具体化されず、国民に対してもその核心を十分に説明していない。そうした中で様々な「歪み」が生じていることもこの間明らかとなった。 例えば、国連平和維持活動(PKO)協力法が成立してから25年を迎えた今年の5月、南スーダンのPKOに派遣されていた陸自施設部隊の撤収を発表した。2016年11月に平和安全法制に基づく「駆け付け警護」を付与する決定をしたばかりであった。 この南スーダンからの撤収により、PKOに対する部隊派遣はゼロとなった。安倍首相は6月、同法成立25年の記念シンポジウムにおいて、新たな貢献策を探る考えを示し、政府は今後新たなPKO派遣を検討するとしているが、最近のPKOは武器使用を伴う文民保護の任務が重視され、自衛隊が巻き込まれるリスクが増していることもあり、具体的な検討は進んでいない。 そもそも、今回の派遣をめぐっては、現地の治安状況についての事前の認識に甘さがあったし、撤収の基準も曖昧であった。そして何より、陸上自衛隊部隊の日報隠蔽問題によって、防衛相、防衛事務次官、陸上幕僚長ら防衛省・自衛隊のトップがそれぞれ引責辞任する事態となり、防衛省・自衛隊のガバナンスに対する国民の信頼を大きく損なうこととなった。このことは大きな減点要素である |
日米同盟を基軸に、戦略的利益を共有する韓国をはじめ、中国、ロシアなどの近隣諸国との関係改善の流れを一層加速する 日米同盟を基軸に、戦略的利益を共有する韓国をはじめ、中国、ロシアなどの近隣諸国との関係改善の流れを一層加速する【出典:2016年参院選公約】 |
4年評価:4点 |
【アメリカ】
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オーストラリア、インド、東南アジア諸国連合(ASEAN)、欧州など普遍的価値を共有する国々との連携を強化する 豪州、インド、ASEAN、欧州など普遍的価値を共有する国々との連携を強化する |
4年評価:4点 |
【ASEAN】
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安全保障法制の施行に伴い、あらゆる事態に切れ目のない対応が可能な体制を構築する 平和安全法制の施行に伴い、あらゆる事態に切れ目のない対応が可能な体制を構築する 【出典】2012年衆院選マニフェスト |
4年評価:3点 |
平和安全法制の運用は進んでいるが、依然として「あらゆる事態に切れ目のない対応が可能な体制」は構築されていない平和安全法制の成立から9月で2年を迎えた。新しい任務を担った自衛隊の今年の主な動きとしては、海上自衛隊の護衛艦が5月、太平洋で米海軍補給艦を警護したり、海自艦船が北朝鮮の弾道ミサイル発射を警戒する米海軍のイージス艦に対し、給油活動を数回実施しており、平和安全法制の運用は進んでいると評価できる。 ただ、自民党の参院選公約では、「平和安全法制の施行に伴い、あらゆる事態に切れ目のない対応が可能な態勢を構築する」と掲げている通り、同法だけではまだ「切れ目のない」安全保障体制を確保できているわけではない。例えば、海上保安庁など法執行機関と自衛隊の連携の切れ目を埋める方策については追加の法整備が必要になってくるが、検討は進んでいないため、「グレーゾーン事態」への対応はまだ不十分である。また、存立危機事態をめぐっても、現状のままでは例えば、日本以外の他国に向かうミサイルを、日本のイージス艦が迎撃できるかどうか曖昧である。 そのため、まだ「あらゆる事態に切れ目のない対応が可能な体制」は十分に構築されたとはいえない。 説明責任も不十分さらに、運用に関して、安倍首相は2年前の国会審議の中で「国会及び国民の皆様に対する説明責任を果たす」と強調していたが、上述の警護や給油に関して政府は公式にはその実施を公表していない。確かに、運用の詳細が明らかになると作戦上支障が出る恐れはあるが、現状では国会も国民も政府の判断の当否をチェックすることができない。ミサイル迎撃に関しても8月、小野寺防衛相は北朝鮮がグアムに向けて弾道ミサイルを発射した場合、集団的自衛権を行使できる存立危機事態の認定もあり得るとの認識を示したが、これは日本政府の従来の見解からは大きく踏み込んだ発言であるにもかかわらず、特段の説明はない。南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣した陸上自衛隊部隊の日報隠蔽問題も含め、説明責任という点では全体的に不十分である。 |
自衛隊の人員・装備の増強など防衛力の質と量を拡充・強化し、統合機動防衛力の構築を目指す 自衛隊の人員・装備の増強など防衛力の質と量を拡充・強化し、統合機動防衛力の構築を目指す【出典:2016年参院選公約】 |
4年評価:4点 |
財政上の制約が多い中では予算拡充をしながら、統合機動防衛力の構築を進めている現在、2018年度に予定されている島嶼への侵攻があった場合に速やかに上陸・奪回・確保するための「水陸機動団」新編のための準備が進められている。この水陸機動団は、防衛省が2013年に公表した「防衛力の在り方検討に関する中間報告」において記載された「海兵隊的機能」にあたるものとされる。また8月、政府は陸海空3自衛隊の一体的運用を進めるため、中期的な目標を定めた「統合運用計画」を来年にも新たに策定する方針を示した。同計画は沖縄・尖閣諸島などの島しょ防衛や弾道ミサイル防衛の強化に重点を置き、統合運用の基本文書となるものであり、統合機動防衛力の構築は着々と進捗しているといえる。 予算面に関しては、防衛省が8月にまとめた2018年度の防衛予算の概算要求の総額(米軍再編経費を含む)は、2017年度予算比で2.5%増の5兆2551億円となった。新規導入する陸上配備型のミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の関連経費は含んでおらず、年末の予算編成時に向けてさらに膨らむ見通しである。 厳しい国の財政事情など、制約が多い中では予算拡充をしながら、自衛隊の人員・装備の増強など防衛力の質と量を拡充・強化していると評価できる。 |
尖閣諸島周辺海域での外国公船への対応、遠方離島周辺海域での外国漁船の不法行為に対する監視・取り締まり体制の強化など、海上保安庁、水産庁の体制を強化するとともに、遠隔離島における活動拠点の整備などを推進する 尖閣諸島周辺海域での外国公船への対応、遠方離島周辺海域での外国漁船の不法行為に対する監視・取締体制の強化等、海上保安庁・水産庁の体制を強化するとともに、国境画定の起点等遠隔離島における活動拠点の整備等を推進する。【出典:2016年参院選公約】 |
4年評価:4点 |
互いに体制強化をしているが、尖閣問題を政府間関係を断絶させるような深刻なアジェンダにはせず、安定的な管理がなされている日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化から9月で5年を迎えた。中国は日本の実効支配を崩そうと、公船による領海侵入を恒常化させている。また、海軍陸戦隊(海兵隊)は尖閣諸島における新たな任務を視野に入れ、その能力の増強を図っていると見られる。 一方で、日本側も中国を念頭に、陸上自衛隊の空白地域だった南西諸島への部隊配備を進めると同時に、海上保安庁の体制強化も進め、那覇市の第11管区海上保安本部(11管)に「尖閣専従体制」を確立した。加えて、2018年度末までに規制能力強化型の新たな小型巡視船を同保安部管轄の伊良部島に9隻配備する計画が現在進行中である。 他にも、有人国境離島法が今年4月から施行されるなど、全体的に体制強化や法整備は進捗していると評価できる。 その結果、中国による現状変更はなされていないし、2012年に香港活動家が尖閣諸島に上陸したような事件も起きていない。尖閣問題が日中両国の政府間関係を断絶させるような深刻なアジェンダになっているとまではいえず、現時点では安定的な管理がなされていると評価できる。 |
北朝鮮の挑発行為に対して、制裁措置の厳格な実施とさらなる検討も含めて対応する。拉致問題は、米韓との連携強化や国連への主体的働きかけなど、あらゆる手段を尽くして被害者全員の即時帰国を実現する 北朝鮮の挑発的行為に対して、制裁措置の厳格な実施と更なる検討も含めた対応を行う。拉致問題については、米韓との連携強化や国連への主体的働きかけなど、あらゆる手段を尽くして被害者全員の即時帰国を実現する【出典:2016年参院選公約】 |
4年評価:2点 |
現実的で差し迫った脅威になった北朝鮮。新制裁の実効性も不透明北朝鮮は今年に入ってから7月に大陸間弾道弾ミサイル(ICBM)級の能力を持つ「火星14」の試射を実施し、9月には160キロトンの爆発規模と推定される水爆の実験を成功させた。前回2016年9月の実験からわずか1年で10倍超の威力を得たことになり、日本を含む北東アジア諸国にとって、現実的で差し迫った脅威になったといえる。 そのような中、国連安全保障理事会は9月、石油関連製品の輸出を3割削減することや、北朝鮮の主要産品である繊維製品を禁輸することなどを盛り込んだ北朝鮮への追加制裁決議を全会一致で採択した。着実に履行されれば北朝鮮経済への大きな打撃になると見込まれているが、依然として北朝鮮は核・ミサイル開発を放棄しない姿勢である。また、北朝鮮の制裁逃れは巧妙さを増しているし、今回の決議に同調した中国とロシアが今後も強い圧力をかけ続けるかどうかも不透明となっている。 さらに、6カ国協議の再開の目処が立たず、そもそも北朝鮮が6カ国協議の共同声明を反故にするなかでは、多国間外交にこの状況の打開の可能性を見出すことは難しい。 弾道ミサイル対処には限界があり、日米韓の連携にも不安要素が見られるこうした中は、北朝鮮に戦略的な優位をもたらさないようにするためには、抑止態勢の整備が求められる。例えば、日本の弾道ミサイル対処能力の総合的な向上や、日米韓の安全保障協力の強化である。 この点、前者に関しては、現在のミサイル防衛は海上自衛隊のイージス艦と航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)の二段構えとなっているが、防衛省の2018年度予算の概算要求では、新たなミサイル防衛手段として検討されてきた高高度防衛ミサイル「THAAD(サード)」導入は見送られた。一方、安倍首相は9月、ミサイル防衛の強化策として地上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」の導入に意欲を示し、「今後、陸上型のイージスの導入を中心として抜本的な能力向上をめざす」と述べている。イージス・アショアは弾道ミサイルを大気圏外で撃ち落とすイージス艦の迎撃ミサイルを陸上に配備するもので、わずか2基で日本全土をカバーできるとされ、ミサイル防衛網をより強固にする狙いがある。 ただ、北朝鮮は複数のミサイルを同時に撃ち込む「飽和攻撃」に必要な正確性や運用能力を向上させており、イージス・アショアを導入したとしても完全に迎撃できるわけではない。 後者に関しては、9月の日米韓首脳会談で、北朝鮮に対して圧力をさらに強めていくことで一致し、制裁決議の完全履行を中国に働きかけるため連携を強めることも確認した。ただ、韓国が決めた800万ドル相当の北朝鮮向け人道支援に対して日米は慎重な対応を求めるなど、足並みの乱れも見られ、北朝鮮に対する抑止態勢がどこまで強化できるかは現段階では不透明である。 拉致問題は依然解決の糸口がつかめていない一方、北朝鮮が拉致被害者らの再調査を実施することで日朝両政府が合意した「ストックホルム合意」から3年が経過したが、事態の進展は見られない。日朝当局者は非公式接触を中国の地方都市などで続けているが、宋日昊・朝日国交正常化交渉担当大使は4月、訪朝した日本人記者団に対して、「(拉致問題には)誰も関心がない」とまで述べている。明るい材料はトランプ米大統領が国連一般討論演説で拉致問題に言及し、国際的関心を呼び起こしたことくらいで、「被害者全員の早期帰国を実現」という目標達成は現段階では非常に厳しい状況である。 |
沖縄などの基地負担を軽減するため、日米合意に基づく米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移設を推進するとともに、米海兵隊のグアム移転など在日米軍再編を着実に進める 新ガイドラインに沿って、日米安保体制の下での抑止力の維持・強化に向けた努力を不断に行う。沖縄等の基地負担を軽減するため、「日米合意」に基づく普天間飛行場の名護市辺野古への移設を推進するとともに、米海兵隊のグアム移転など在日米軍再編を着実に進める |
4年評価:3点 |
基地問題の混迷は続き、グアム移転計画の見直しも浮上米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の東端部約480ヘクタールの約0.8%に当たる約4ヘクタールが7月31日付で日本側に返還された。防衛省沖縄防衛局が土壌汚染などを調べた後、市道として利用される予定となっている。同飛行場の移設先の名護市辺野古沖合では、4月から埋め立て予定地を囲う護岸の建設が始まり工事が進む中、政府は基地負担軽減に取り組む姿勢を示している。 しかし、沖縄県は7月、県の岩礁破砕許可を更新せずに政府が埋め立て工事を進めているとして、工事差し止めを求める訴訟を那覇地裁に起こした。判決までの工事停止を求める仮処分申請も行い、辺野古をめぐる国と県の対立は再び法廷闘争に入っており、混乱は続いている。 また、ハリス米太平洋軍司令官は4月、米下院軍事委員会の公聴会において、海兵隊のグアム移転計画について「大半の海兵隊員の移動は2024~28年になるとみている」と証言した一方で、米海兵隊のネラー総司令官は5月、米上院歳出委員会の公聴会でグアム移転計画の見直しを検討していることを明らかにした。これが普天間飛行場の移設計画にどう影響するかは現段階では不明で、在日米軍再編が着実に進むかも判断できない。 |
各分野の点数一覧
経済再生
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財政再建
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社会保障
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外交・安保
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エネルギー・環境
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地方再生
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復興・防災
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教育
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農林水産
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政治・行政・公務員改革
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憲法改正 |
評価基準について
実績評価は以下の基準で行いました。
・すでに断念したが、国民に理由を説明している
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1点 |
・目標達成は困難な状況
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2点 |
・目標を達成できるか現時点では判断できない
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3点 |
・実現はしていないが、目標達成の方向
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4点 |
・4年間で実現した
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5点 |
※ただし、国民への説明がなされていない場合は-1点となる
新しい課題について
3点
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新しい課題に対する政策を打ち出し、その新しい政策が日本が直面する課題に見合っているものであり、かつ、目的や目標、政策手段が整理されているもの。または、政策体系が揃っていなくても今後、政策体系を確定するためのプロセスが描かれているもの。これらについて説明がなされているもの |