安倍政権2年実績評価【外交・安保】評価結果
【外交・安保】総論 | 3.2点(5点満点) 昨年:3.1点 |
評価の視点 |
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世界的なパワーバランスの変化の中で、日本の外交・安全保障の理念をどのように設定し、いかなる政策体系によって日本の安全・繁栄・価値の実現を図っていくかが求められている。 その中で第一の評価の軸は大国間関係をどのように構築してきたかである。米国はアジア太平洋に軸足を移して、中国の台頭、特に海洋進出に対する警戒を強め、同盟国・友好国との戦略的関係を強化している。しかし同時に、中国との戦略対話の枠組みを維持しつつ、抑止と対話の枠組みのバランスを図ろうとしている。こうした潮流をとらえ、日米関係をどのように進めてきたのかを評価する。また、急速に台頭する中国とどう向き合うかは、現在の日本外交の最大の課題といってよい。日中関係は依然として尖閣諸島問題をめぐり緊張が続いており、中国の軍事的台頭を含め地域の懸念材料ともなっている。同時に、中国経済がアジア太平洋の成長エンジンであることに変わりはなく、日本は中国との共存・共栄も模索しなければならない。中国との緊張関係をどのように管理しつつ、戦略的互恵関係の具体化をしてきたのか、という課題は重要な評価の指標となる。 第二の評価の軸は、地域および多角的な外交の展開である。アジア太平洋地域に台頭する経済・エネルギー・環境・安全保障といった様々な地域枠組みに、日本がどのような戦略をもって臨んできたのか。どのような国々とパートナーを結びつつ、地域枠組みの構築に主体的に関与し、日本のプレゼンスを向上してきたのか。ODAや平和維持・平和構築にどのように関与してきたか。世界の人権・民主主義・法の支配といった価値にどのように貢献したかなど、こうした秩序構想と、戦略的外交の進め方を評価の指標とした。 第三の評価の軸は、緊張を増す我が国の安全保障環境の認識と、これに対応する防衛政策のあり方である。北朝鮮の核・ミサイル開発問題、中国の空海軍力の増強と海洋進出といった問題に対して、どのような防衛力のあり方を構想し、それを実行に移してきたのか。また、それは単に強硬的又は融和的態度の提唱に止まらず、日本の目指すべき国際秩序、同盟関係、外交関係、法的基盤のありかた、予算的制約といったなかで、どこまで現実的に追求可能なものなのか、総合的な観点から評価した。 |
【外交・安保】個別項目の評価結果
「積極的平和主義」を掲げ、世界の平和と安定に貢献する 【出典】2014年1月24日施政方針演説(マニフェストには記載なし) |
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「国家安全保障戦略」で示された戦略的アプローチとして、様々な取り組みが行われている。例えば、4月には防衛装備の海外移転に関して、武器輸出三原則等に代わる新たな原則として、「防衛装備移転三原則」を策定。7月の閣議決定では、集団的自衛権の行使を容認するとともに、「国際社会の平和と安定への一層の貢献」と銘打った国連平和維持活動の強化を打ち出した。ここでは従来の後方地域、戦闘地域という概念定義を取り払い、現に戦闘行為が行われていない地域での活動を認め、武器使用も規制緩和の方向も明確になった。10月には、政府開発援助(ODA)大綱の改定案をまとめ、現大綱で原則として禁止している他国軍への支援について、民生目的や災害援助など非軍事目的の場合に限定する形で容認した。 さらに、日米同盟の強化と同時に、豪州、インド、ASEANから、積極的平和主義への賛同を得ながら「対中国」を意識した連携が進められている。一方で、その中国に対しても牽制一辺倒ではなく、首脳会談を再開して「戦略的互恵関係」を再確認して、関係改善の一歩を踏み出したことは高く評価できる。 他方、韓国との協力関係の構築は進んでおらず、また、海洋、宇宙、サイバー等における「法の支配」の強化や「人間の安全保障」など、地球規模の課題はまだまだ山積しており、「世界の平和と安定」という目標が達成できるかは現段階では判断できない。 さらに、積極的平和主義の核心も依然として明確ではないが、国民に対する明快な説明はない。最新の政権公約では「地球儀を俯瞰した積極的平和外交」を掲げているなど「地球儀を俯瞰した外交」との区別もあいまいである。 |
日米同盟の絆を強化し、中国、韓国、ロシアとの関係を改善する 【出典】2013年参院選マニフェスト |
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【アメリカ】
2013 年末の安倍首相の靖国神社参拝によって日米関係にはいったん軋みが生じたが、4月にオバマ大統領が来日し、日米首脳会談を開催。共同声明では、日米安全保障条約上の義務が「尖閣諸島を含め、日本の施政の下にあるすべての領域に及ぶ」ことを明記し、また、集団的自衛権行使容認に向けた動きについて「米国は歓迎し、支持する」とした。さらに、オバマ大統領が掲げるアジア重視のリバランス(再均衡)政策と、安倍首相が唱える積極的平和主義については「平和で繁栄したアジア太平洋地域を確かなものにするため、同盟が主導的な役割を果たすことに寄与する」と位置付けるなど、日米同盟の絆は維持できていると評価できる。
ただ、中間選挙で大敗したことにより、オバマ政権がレームダック(死に体)化することで、アジアにおける米国のプレゼンスが低下すれば、今後日本にとってもマイナスの影響が出てくる可能性はある。
【ロシア】
ウクライナ情勢を巡って、日露の政府間対話はいったん中断した。しかし、11月のAPECで日露首脳会談を開催し、北方領土問題を巡る外務次官級協議を再開して仕切り直す方針で一致し、さらにプーチン大統領の来日も来年中の実現で合意するなど対話は再開している。
ロシアと主要7カ国(G7)の対立が続く中での日露の接近は欧米の反発を招きかねないため、慎重な対応が求められるが、現時点では日露関係における協力強化は進んでいると評価できる。
【中国】
11月にAPECで2年半ぶりに日中首脳会談が実現。「戦略的互恵関係」の原点に立ち戻ることで一致するとともに、東シナ海での偶発的な衝突を避けるための「海上連絡メカニズム」の構築のため、実務者レベルの協議加速を確認するなどの成果があった。東シナ海における緊張状態は依然として残っているものの、関係改善に向けた大きな一歩を踏み出したと評価できる。
【韓国】
3月に米国のオバマ大統領の仲介により、日米韓首脳会談という形で安倍首相と朴大統領の会談が実現した。8月には外相会談が11カ月ぶりに行われ、さらに、10月には財務相会談が行われたが、両国の財務相は共に副総理を兼任しているため、日韓対話の段階が事実上格上げされた形となり、日韓関係は昨年より一歩前進したと評価できる。
しかし、河野談話の検証や朝日新聞の誤報を巡り、慰安婦問題はより混迷を極め、韓国側も日韓首脳会談の開催にあたっては「従軍慰安婦問題で日本の誠意ある努力が必要」との姿勢を崩していない。さらには、産経新聞ソウル支局長の起訴など新たな問題も出てきており、両首脳は日中韓3か国の首脳会談には意欲を見せているものの、日韓2か国の首脳会談が実現する見通しは立っていない。
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ASEAN諸国やインド、オーストラリア等と安全保障やエネルギー政策での協力を推進 【出典】2013年Jファイル |
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【ASEAN】
中国が東南アジアなどの高い資金需要を見込んでアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を決めるなど、アジア地域で存在感を強めている中、11月の日ASEAN首脳会議では、安倍首相が日本によるインフラ整備支援を強化し、ASEANとの連携強化を打ち出した。安全保障面でも、南シナ海で中国の勢力が強まっているのを念頭に、首相はASEAN各国の海上保安能力の向上を支援する方針を示した。これに対し、ASEAN側も首相が掲げる積極的平和主義を歓迎。さらに、日ASEAN防衛相会合を開催するなど協力、連携は進んでいる。 【インド】 9月に日印首脳会談を行い、「日インド特別戦略的グローバル・パートナーシップのための東京宣言」と題する共同声明を発表。今後5年間でインドに対し、政府開発援助(ODA)を含む約3.5兆円の投融資を行う方針を表明するとともに、原子力協定交渉に関しても、交渉の早期妥結を目指し、交渉を加速させることを確認した。 安全保障面では台頭する中国を念頭に、海上自衛隊とインド海軍の共同訓練の定例化や、防衛装備協力に向けた協議の開始など日印間、さらには日印米の協力を進めることを確認した。日本政府が目指した外務・防衛閣僚協議(2プラス2)の創設を巡っては、今回は見送られたが、現在の次官級協議からの格上げを引き続き検討することになった。このように経済・安全保障の両輪で一段の関係強化に踏み込んでいると評価できる。 【オーストラリア】 7月と11月に日豪首脳会談を開催。安全保障分野では、日本の潜水艦技術の豪州への移転を含む防衛装備品開発での協力強化を打ち出したり、自衛隊とオーストラリア軍が共同訓練などを円滑にするための新たな協定の交渉を進めている。 経済面では、日豪EPAは年度内に発効する見通しとなり、エネルギー・鉱物資源分野での関係を強化していくことや、TPP早期妥結に向け日豪で協力することも確認した。 また、日豪米の枠組みの強化も進め、11月には7年ぶりに日豪米3カ国首脳会談を開催した。 経済・安保両面から協力を進めており、日豪関係は極めて良い状態にあると評価できる。 |
「国家安全保障会議」を設置し、国家の情報収集・分析能力の強化及び情報保全・公開に関する法整備による体制強化 【出典】2013年参院選マニフェスト(特定秘密保護法はマニフェストに記載なし) |
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4月に来日したオーストラリアのアボット首相が外国の首脳として初めて国家安全保障会議(NSC)に出席し、日豪安全保障協力について協議。10月には谷内正太郎局長が訪中して日中首脳会談実現の最終調整にあたるなど、NSCを直接活用した外交の展開が見られた。
また、事務局である国家安全保障局は、その発足前には外務、防衛両省の出身者による対立など省庁のセクショナリズムが懸念されていたが、人事で「両省の出身者を混在させた」(安保局幹部)ことによって、現在のところ両省の連絡は密になっている。その役割については、当初の想定よりも拡大しつつある。例えば、集団的自衛権の行使容認の閣議決定をめぐって安保局幹部が与党対策にあたるなど、単なる情報収集や分析にとどまらない活動が見られる。運営面ではまだまだ手探りの部分もあるが、目標とする官邸の司令塔機能の強化は進んでいると評価できる。 特定秘密保護法については、10月14日の閣議で運用基準と施行令などの政令を決定し、同法の12月10日の施行が決まった。国の機密漏洩を防ぐためこれまで各省庁による任意だった機密の指定基準にルールを設け、漏洩した公務員らに厳罰を科すなど秘密保全が強化される。一方、監視機関の是正要求に強制力はなく、秘密指定への監視態勢や情報公開のあり方に課題が残る。また、昨年12月の同法の成立の後、少なくとも計195の県議会、市町村議会が廃止や慎重な運用を求める意見書を可決しており、根強い不信感は消えていない。マニフェストに具体的な記載のなかった政策であるため、特に丁寧な説明が求められるが、国民に対する説明は依然として不十分であるため、減点要素とした。 |
集団的自衛権の行使を可能とし、「国家安全保障基本法」を制定する 【出典】2012年衆院選マニフェスト |
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政府は7月1日、従来の憲法解釈を変更し、歴代内閣が長年憲法9条の解釈で禁じてきた「集団的自衛権」の行使を認める閣議決定をした。
冷戦後、アジア太平洋地域の安全保障環境が不安定化したことを前提として、この地域における国際紛争を回避するための抑止力を向上させるという目的を達成する上で、日米同盟をより強固にし、オーストラリア、インド、ASEAN諸国から支持を受けている集団的自衛権の行使を可能とすることには一定の意味があると評価できる。 他方、中国や韓国は依然として懸念を示しているため、日本の集団的自衛権がかえって地域の緊張を高めないようにするための外交努力は課題として残る。 集団的自衛権の行使を根拠づける「国家安全保障基本法」については、政府・自民党は制定に時間がかかるため見送り、自衛隊の行動を規定する自衛隊法など関連法の改正に切り替えている。事実上の公約撤回であるし、国民に対する説明もないため、この点については大きなマイナス評価である。 |
防衛大綱、中期防を見直し、自衛隊の人員、装備、予算を拡充する 【出典】2012年衆院選マニフェスト |
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「統合機動防衛力」の構築を積極的に推進していくため、防衛省に防衛副大臣を委員長とする「統合機動防衛力構築委員会」を設置した。委員会では各種施策等を着実に実施し、円滑・迅速・的確に統合機動防衛力の構築を推進するための検討を開始した。
防衛予算に関して、2015年度予算の概算要求では、米軍再編などの地方負担分を含む総額は前年度比3.5%増の5兆545億円で過去最大となり、23年ぶりにGDP(国内総生産)の1%を超える見込みである。 このうち、支払いを次年度以降に繰り越す新規後年度負担が今年度実績から2割増加し、過去最大の2兆6679億円となった。後払いが増えるのは、離島防衛を重視する政策変更に伴い、新規に調達する装備を増やすためで、来年度は潜水艦を監視する哨戒機P‐1を20機、さらに次期主力戦闘機F‐35を6機、グローバルホークなどの無人偵察機、早期警戒管制機、オスプレイ、水陸両用車などを購入する。潜水艦とイージス艦も1隻ずつ建造する。 ただ、後払いの増加は、防衛予算を圧迫する要因となる。5兆545億円のうち、以前に結んだ契約に対する歳出は1兆8909億円にのぼる。これに人件費と自衛隊員の基地での食費などを足し合わせると、3兆9963億円と全体の8割強を占め、装備の新規調達に回せる予算は2割しか残らない。予算の硬直化と必要な装備品のバランスをどう取っていくかは今後の大きな課題となる。 |
尖閣諸島の実効支配を強化し、離島を守り振興する法律や領海警備を強化する法律を制定する 【出典】2012年衆院選マニフェスト |
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海上保安庁は尖閣周辺の警備を強化するため巡視船を2015年度までに計10隻建造する計画を打ち出していたが、その第1段として新型巡視船2隻(各1500トン)が10月下旬から警備業務を開始した。また、2015年度予算の概算要求で、尖閣諸島周辺海域を24時間体制で警備するために504億円を計上した。さらに、警察庁も沖縄県警の警備体制を拡充する方針を固め、県警の警察官を数十人増やして、不法上陸などの対処に専従させる方針で、来年度以降の実現を目指している。
他方、中国海警局も排水量1万トン級の大型巡視船を新造し、早ければ来春にも尖閣諸島周辺に投入される見通しである。このように中国も体制を強化しているため、日本の実効支配がどこまで強化されるかは不透明である。 武装漁民による離島不法占拠など武力攻撃に至らない「グレーゾーン事態」に対応するための領域警備については、現行法の枠内での運用改善にとどめられ、法制化が先送りされている。 一方、離島を守り振興する法律については、国境離島の保全、管理及び振興のあり方に関する有識者懇談会が6月に最終報告書を提示し、自民党も国境近くにある離島について自衛隊施設などを設置して保全を図り、産業を振興して無人化を防ぐための特別措置法案概要をまとめ、来年の通常国会に法案を提出する方針であることから、実現の方向に向っていると評価できる。 |
「対話と圧力」で拉致問題の完全解決と核、ミサイル問題の早期解決に全力を傾注し、関係諸国と一致で取り組む 【出典】2012年衆院選マニフェスト、2013年参院選マニフェスト |
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拉致問題については、年明けから北朝鮮当局と水面下で接触を開始。非公式協議を続け、3月には1年4カ月ぶりに公式な政府間協議を再開。5月には北朝鮮が拉致被害者や拉致の疑いのある特定失踪者を含む域内の日本人の安否について包括的かつ全面的な再調査を約束し、日本政府も制裁措置の一部解除に踏み切った。10月には平壌で日本政府代表団と調査を担う北朝鮮の特別調査委員会の幹部との協議が行われ、日本側は拉致被害者や拉致の疑いが濃い行方不明者らの調査状況を聴取した。ただ、当初「夏の終わりから秋の初め」に予定していた初回報告がなされないなど、北朝鮮側がどこまで協力姿勢を見せるかは現段階では不透明である。双方に信頼関係が十分ない状況では、「行動対行動」の原則で、北朝鮮側の対応を確認しながら一歩ずつ進めていかざるを得ず、難しい交渉が続くことが予想される。
核・ミサイル問題については、3月の日米韓首脳会談で対北朝鮮での緊密な連携を確認したのを受けて、対応を協議するため、4月に日米韓の局長級会合が行われた。さらに、5月には日米韓の防衛相会談も行われるなど、3か国の意見交換を活発に行ってきた。 しかし、上述の日本による独自制裁の一部解除は、国際的な懸念も生じさせている。例えば、米国も韓国も、拉致問題の解決を重視してきた日本の立場に理解を示しつつ、「(北朝鮮の)非核化をめぐる多国間の制裁を犠牲にすべきではない」、「日本のどんな措置も、透明性を確保し、北朝鮮の核、ミサイル問題に関する韓米日などの国際的協調の枠を壊さない範囲で行われねばならない」と釘を刺すなど、各国の連携にやや綻びも見えている。日本が北朝鮮に対する国際的な包囲網を崩すのではないかという懸念を払拭するためには、核・ミサイル問題も日本にとり重大な問題であることを国際社会に明確に示して理解を得る必要がある。 |
在日米軍再編の中で抑止力の維持と、沖縄などの地元負担を軽減する 【出典】2012年衆院選マニフェスト |
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7月1日の閣議決定により日本が集団的自衛権の行使に踏み出したことを受け、日米両国政府は安全保障上の切れ目のない日米協力を実現するため、1997 年以来となる日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の改定作業に着手した。10月には中間報告をまとめ、年末の改定作業終了を目指している。閣議決定をどう反映するかをめぐり、政府・与党間の調整が難航しているため、決定が来春以降に先送りされる可能性が高いものの、実現の方向には向っていると評価できる。
他方、沖縄の普天間基地の移設問題は、11月の沖縄知事選で「辺野古阻止」を公約に掲げた翁長雄志氏が当選した、翁長氏は、昨年12月の仲井真知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認についての手続きの検証をする意向を示すなど、知事権限を行使した抵抗が予想される。政府は今回の知事選の結果に関わらず、移設計画を進める方針である。しかし、民意を尊重しながら進めていくことは困難になり、沖縄世論の反発がさらに高まれば、日本政府、さらには米国政府も再考を迫られる可能性がある。したがって、工事が順調に進むかどうか現段階では極めて不透明である。 |
各分野の点数一覧
経済再生
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財政
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復興・防災
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教育
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外交・安保
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社会保障
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エネルギー
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地方再生
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農林水産
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政治・行政改革
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憲法改正
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評価基準について
実績評価は以下の基準で行いました。
・未着手、断念
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1点 |
・着手して動いたが、目標達成は困難な状況になっている
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2点 |
・着手して順調に動いているが、目標を達成できるかは判断できない
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3点 |
・着手して順調に動いており、目標達成の方向に向かっている
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4点 |
・この2年間で実現した。もしくは実現の方向がはっきりと見えてきた
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5点 |
※理由を国民へ説明していなければ1点減点としました。