記者会見 (2003/10/24)
マニフェスト型政治の実現と定着をめざし言論NPO政策評価委が始動
総選挙告示後の政権公約論議で問われるべき「5つの争点」を提案
および小泉改革に関するアンケート調査結果を公表
わたしたち言論NPOは10月24日、東京都内で、さる10月8日に立ち上げた「政策評価委員会」の第2回会合を開き、総選挙告示後にマニフェスト(政権公約)をめぐって各政党間で議論されるべき「5つの争点」をまとめました。各政党に提案すると同時に、報道機関に対しても、公表しました。
その際、言論NPOでは今年8月から、会員メンバーや各界有識者、さらに霞ヶ関の政策担当者ら200人を対象に、第1次小泉内閣における改革や政策の実施状況などに関して、アンケート調査の形で評価を行ってきました。さしずめ「小泉改革の通信簿」ともいうべきものですが、それと同時に、アンケート調査では、総選挙での争点や対立軸は何か、といった点に関しても質問を行いました。24日の政策評価委の提案内容公表と同時に、この調査結果も公表しました。(いずれも別添資料を参照ください)
この日の政策評価委には、言論NPO代表の工藤泰志代表、また言論NPOメンバーもしくは理事の安斎隆アイワイバンク銀行社長、川本裕子マッキンゼー・アンド・カンパニー・シニア・エクスパート、北川正恭早稲田大学院公共経営研究科教授(前三重県知事)、社会システムデザイナーの横山禎徳氏が参加し、議論しました。
委員会メンバーの瀬戸雄三アサヒビール相談役、高橋進日本総研調査部長、湯元健治日本総研経済・社会政策研究センター所長兼主席研究員は欠席されました。
委員会では、わたしたち言論NPOがさきに提案してきましたマニフェストが、今回の総選挙に向けて各政党で政権公約の形で出てきていることに関して、一定の前進である、との評価を下す意見が大勢でした。
しかし、委員会では、各政党の具体的なマニフェストを吟味した結果、多くの点で、政策目標の達成を可能にするための政策や、その道筋が十分に提示されていないものも多く、現段階では、実現の妥当性や可能性の判断を下せる状況にないこと、それに欠けている視点が多いこと――などから、「5つの視点」を提案すべきだ、ということになりました。
そして、委員会では、総選挙終了後から来年の大きな国政選挙である夏場の参院選挙で、有権者の審判をあおぐべく、そこまでにどういった政策の具体化に取り組むか政党のチェックも必要である、という意見で一致しました。
また、アンケート調査では、有識者らが今回の総選挙で描き出すべき争点として、財政運営では「三位一体改革」など国と地方との関係、消費税増税など国民負担の問題、公共事業の改革、また官分野の改革では、郵政事業のあり方、政府規制のあり方、特殊法人改革など、さらに社会保障分野では年金の国庫負担のあり方、保険料率や給付水準の見直しなど――でした。