8月2日、言論NPOは都内のホテルで開催された「自民・公明連立政権の政権実績検証大会」に参加しました。これは「新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)」が主催したもので、2005年の総選挙から現在までの自民・公明連立政権の実績について、言論NPOを始めとする民間団体や企業の計9団体が、それぞれ独自の評価を発表しました。
言論NPO代表として実績評価を発表した工藤はまず、2005年から現在までの政権運営について「マニフェストのサイクルが形成されておらず、分断されてしまっているため、(政権実績の)評価は本来は不可能となる」と指摘しました。そのうえで、それでも次の選挙で政党が新しい約束を作るためには、政権の実績を評価して政治に問われる課題を明らかにするしかないとし、今回の言論NPOの評価を説明しました。その中で工藤は、評価に当たっては、政治が取り組むべき課題として何を考えたのか、という課題設定の妥当性を重視したとして、政党は「将来に向けた課題解決を競うべきだ」と述べました。そして、小泉政権から麻生政権までなし崩し的な路線変更がなされてきたが、有権者に対する路線変更に関する理由の説明や政権による総括がなく、説明責任がほとんど果たされていないことを強調し、それが今回の低い評価につながったと述べました。そして最後に、日本の政治が国民との約束であるマニフェストを軸に政策を実行するという転換がなければ、日本の政治はマニフェスト型にならない、と指摘したうえで、「自民党も民主党も、課題解決に向けた案を出していない。この評価結果を踏まえて、課題解決を競い合い、明日を問う選挙にしてほしい」と締めくくりました。
今回発表した、政権実績の評価は、近日中に言論NPOのホームページで公開します。また、言論NPOは、9日(日)に開催される21世紀臨調主催の「政権公約・政権運営検証大会」にて、自民党と民主党のマニフェストの評価結果を発表する予定です。
文責: インターン 水口 智(東京大学)