2013年参議院選挙 マニフェスト評価(農業)

2013年7月15日

評価の視点

農業政策について政治に問われている課題は、日本の農業の未来に向けた道筋を描くことである。

まず、現行制度の認識として、米の生産調整により供給量を抑制し、高い米価が維持される一方で、戸別所得補償などの直接支払制度により支払いが行われており、農家は二重に保護されている。言い換えれば、国民は消費者として、納税者として二重の負担を強いられていることになる。また、米の輸入については国境措置が取られ、米価は維持されており、TPPへの参加の条件として、米麦など農林水産物の重要品目については、関税撤廃から除外することが前提とされている。このような現状を認識し、日本の農業の再生に向けて、米の生産調整の在り方と農家の保護、TPPの参加の是非も含めて、党としてどのように考え、将来の農業の道筋をどのように描いているのか、その展望を示すことである。

また、中長期的なビジョンを描く際には、農業の担い手の問題もある。高齢者によって担われている日本の営農の世界において、若い世代の担い手をいかに確保、育成していくかということがまず喫緊の課題である。日本の農業を持続可能なもの、さらに産業として自立させていくためには、いまある担い手の農家の支援に加えて、明日の農業を担っていく新たな担い手の確保、育成が必要である。10年後を見据え、意欲さえあれば小規模・兼業でもすべての担い手が従事できるような農業にするのか、それとも農地を集積した強い担い手による持続可能な農業にするのか、はっきりした方向性を示すことが政治に求められている。ただ、どちらを目指すにしてもその選択した方向性と整合性のある政策体系の構築がなされているのか、という点についても評価のポイントとなる。




【 評価点数一覧 / 自民党 】

  項 目
自民党
形式要件
(40点)
理念(10点)
4
目標設定(10点)
4
達成時期(8点)
2
財源(7点)
0
工程・政策手段(5点)
3
合計(40点)
13
実質要件
(60点)
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
7
課題解決の妥当性(20点)
8
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
0
合計(60点)
15
 合 計
28


【評価結果】自民党 マニフェスト評価   合計 28 点 (形式要件 13 点、実質要件 15 点)

【形式要件についての評価 13 点/40点】

農業政策においては、「強い農業」のため、「『農業・農村所得倍増目標10カ年戦略』を基に、生産する喜びを実感できる農業・農村を目指す」ことが掲げられており、理念や目的は明らかにされている。また、農地集積を進めることが明確にされており、10年間で担い手利用面積が全農地面積の8割を目指すこと、担い手のコメ生産コストを全国平均(1万6000円/60キロ)から4割削減、法人経営対数2010年比4倍の5万法人を目指すことなど、農業政策についての項目には、目標設定や達成時期についても明記されている。また、多面的機能を維持することに対して「日本型直接支払制度」の法制化が掲げられたが、具体的なことは何ら示されていない。

また、農商工連携などの推進により、2020年に6次産業の市場規模を10兆円に拡大することが掲げられており、目標や達成時期は掲げられた。しかし、どのような政策手段位進められるのか明らかではない。

また、林業、水産業についても触れられているが、財源の裏付けや目標実現に向けた工程や政策手段が明らかにされてはいない。

【実質要件についての評価 15 点/60点】

民主党が掲げた戸別所得補償に代わる形で、農業・農村が果たしている多面的機能を維持するために、「日本型直接支払制度」を法制化することが明記された。諸外国にも見られるように、目標の価格を決めておいて、市場の価格次第で、それを割り込んでしまうとその差額の部分をあとから払うというシステムであれば、生産調整とセットで議論されることで、選択制生産調整のための手段となり得る。しかし、ここで掲げられている「日本型直接支払制度」は、民主党が戸別所得補償を導入した際に生産費とコストの差額に関わらず、農地を所有していれば、10アール当たり15000円を固定で支払う制度にしたことに対抗するものであり、農業の将来を考えた上での政策ではなく、ばら撒き合戦の延長で語られる政策であり、何ら評価できない。

また、TPPについては、経済連携の項目で記載されているが、農業政策の分野からは何も示されていない。

農業就業者の高齢化が進み、耕作放棄地が増えている。そのような現状を認識し、新しい担い手育成のために、農地を集約していくという方向性を示した。しかし、担い手をどのように育成していくのか、コストをどのようにどのように削減していくのか、どのような形態で進めていくのか、公約では言及されていない。一方で、選挙直前に政府が示した「日本再興戦略」によると、新たに都道府県に農地中間管理機構を整備し、農地の集約を図ることが示されている。しかし、土地の整備、管理にどれぐらいの費用が掛かるのか、その財源をどうするのか、どのような方向性でやっていくのかなどについては示されていない。

また、農商工連携などの推進、6次産業の市場規模10兆円への拡大、農林水産物・食品の輸出額を1兆円にするなどが掲げられている。農業を成長産業として位置付けたことは評価できるが、それをどのように進めていくのか、単なるスローガンにとどまっている。

政策を全体に見ても、日本の農業政策の課題に向き合い、解決に向けた動きを示したとは言い難い。

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【 評価点数一覧 / 公明党 】

  項 目
公明党
形式要件
(40点)
理念(10点)
4
目標設定(10点)
4
達成時期(8点)
3
財源(7点)
0
工程・政策手段(5点)
1
合計(40点)
12
実質要件
(60点)
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
8
課題解決の妥当性(20点)
8
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
0
合計(60点)
16
 合 計
28


【評価結果】公明党 マニフェスト評価   合計 28 点 (形式要件 12 点、実質要件 16 点)

【形式要件についての評価 12 点/40点】

農業水産分野で成長戦略を拡大することを理念として掲げられている。そのための手段として、まず、戸別所得補償から名前を変えて実施されている「経営所得安定対策」の拡充、法制化が明記されているが、拡充に向けた財源、達成時期、工程などは明らかにされていない。また、減反政策には何ら触れられていない。TPPについては「我が国の多面的機能、食料自給率の向上に深く配慮する」とされており、重要品目の関税撤廃から除外することなど一定程度示されているが、今後どのように対応していくのかわからない。

農耕作放棄地の再利用、担い手への農地集積化などが掲げられた。担い手が利用する農地面積の割合を10年間で8割に増加させるという目標は掲げられているが、「農地中間管理機構」の整備、活用が記載されているだけで、具体的な道筋などは明らかにされていない。

また、10年間で10兆円規模の6次産業化の推進、農林水産物の輸出額の倍増など、など、政府の「成長再興戦略」に沿う形で記載されているが、具体的な道筋、どのような手段で進めていくのかは明らかにされていない。


【実質要件についての評価 16 点/60点】

民主党が進めていた戸別所得補償を衣替えした経営所得安定対策を、更に拡充することと法制化が記載された。諸外国にも見られるように、目標の価格を決めておいて、市場の価格次第で、それを割り込んでしまうとその差額の部分をあとから払うというシステムであれば、生産調整とセットで議論されることで、選択制生産調整のための手段となり得る。しかし、ここで掲げられている「日本型直接支払制度」は、民主党が戸別所得補償を導入した際に生産費とコストの差額に関わらず、農地を所有していれば、10アール当たり15000円を固定で支払う制度にしたことに対抗するものであり、農業の将来を考えた上での政策ではなく、ばら撒き合戦の延長で語られる政策であり、何ら評価できない。戸別所得補償の変動部分については、農家からの拠出を伴う制度への見直しを掲げており、農家にも相応の負担を強いる、という意味では評価できる。

TPPについて、農業政策の面からどのように課題を認識しているのかわからない。
農業就業者の高齢化が進んでおり、また、農業所有者の死去などによる相続によって、農地を所有しているものの遠方にいるなど、耕作放棄地が増えている。そのような現状を認識し、自民党同様、新しい担い手育成のために、農地を集約していくという方向性を示した。しかし、その担い手をどのように育成していくのか、については何ら明らかにされていない。また、農地集約のために「農地中間管理機構」の整備、活用が記載されたことは、自民党に記載されていないことからすると、一定程度評価はできる。しかし、耕作御放棄地の再生利用の推進のために、どれぐらいの費用がかかり、その財源をどうするのか、その制度設計は何ら明らかにされていない。

その他、6次産業化の推進、輸出額倍増などが掲げられており、農林水産分野を成長戦略にしよう、という意識は伝わるものの、政策実行の体制や、ガバナンスは何ら記載されておらず、スローガンにとどまっていると言わざるを得ない。

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【 評価点数一覧 / 民主党 】

  項 目
民主党
形式要件
(40点)
理念(10点)
2
目標設定(10点)
2
達成時期(8点)
0
財源(7点)
0
工程・政策手段(5点)
0
合計(40点)
4
実質要件
(60点)
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
4
課題解決の妥当性(20点)
0
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
0
合計(60点)
4
 合 計
8


【評価結果】民主党 マニフェスト評価   合計 点 (形式要件 点、実質要件 点)

【形式要件についての評価 点/40点】

農林水産業などに「政策資源を集中し、時代の要請に合った産業を育成する」ことを目的とすることが掲げられているが、その目的や理念は曖昧である。

個別の政策目標としては、食料自給率50%、新規就業者増、木材自給率50%が掲げられているが、その達成時期、財源、どのような工程や政策手段を講じていくかなどは明示されていない。

【実質要件についての評価 点/60点】

戸別所得補償の法制化が掲げられているが、生産調整などについては何ら触れられておらず、農業についての課題をどのように認識しているのかわからない。

TPPについては農林水産物の重要5品目の除外について触れられているが、どのような認識のもとに掲げられているのか、何ら説明はなされていない。

若い世代の農業就業者を増やすことが掲げられている。鳩山政権下でとった小規模経営・兼業農家重視型のスタンスから、菅・野田政権下では「人・農地プラン」により競争力強化路線に舵を切るなど、農業政策についての党のスタンスが揺れている。しかし、こ今回はどちらの路線から、農業就業者を増やしていくのか明らかにされておらず、党内の意見が固まっていないと考えられ、評価できない。

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【 評価点数一覧 / 日本維新の会

  項 目
日本維新の会
形式要件
(40点)
理念(10点)
4
目標設定(10点)
3
達成時期(8点)
0
財源(7点)
0
工程・政策手段(5点)
1
合計(40点)
8
実質要件
(60点)
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
4
課題解決の妥当性(20点)
4
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
0
合計(60点)
8
 合 計
16


【評価結果】日本維新の会 マニフェスト評価   合計 16 点 (形式要件 点、実質要件 点)

【形式要件についての評価 点/40点】

前回の総選挙にも掲げられているものを引き継ぎ、「農業の成長産業化」という目標を掲げている。そして、政治の農業への関与を排除し、保護及び規制の撤廃を通じて、競争原理が働く環境を整備すること、消費者の視点に立つ農政を進めると目標も掲げた。しかし、それに対する具体的な達成時期、財源策などは提示していない。但し、政策手段として農協の抜本的改革、減反政策の段階的廃止などは提示している。


【実質要件についての評価 点/60点】

将来の農業を見据えた際、農協改革や減反政策などについては重要なテーマであり、その点について触れたことは、評価できる。しかし、課題をどのように認識し、具体的な道筋を描いているのか、具体的な政策は何もない。TPP推進は明記されているが、農業政策についての関連は触れられていない。また、次代の担い手をどう呼び込んでいくのか、という点についても何も触れられていない。
農業に対する全体的な政策を見ても、体系は全くなく、将来の水田農業をどのようにしていくのか、中長期的なビジョンは何も示されておらず、ガバナンスは不透明であり、説明責任も果たしていない。

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【 評価点数一覧 / みんなの党 】

  項 目
みんなの党
形式要件
(40点)
理念(10点)
3
目標設定(10点)
3
達成時期(8点)
0
財源(7点)
0
工程・政策手段(5点)
3
合計(40点)
9
実質要件
(60点)
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
8
課題解決の妥当性(20点)
8
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
0
合計(60点)
16
 合 計
25


【評価結果】みんなの党 マニフェスト評価   合計 25 点 (形式要件 点、実質要件 16 点)

【形式要件についての評価 点/40点】

「TPP後も持続可能な農林水産業」という目標を掲げ、13項目の政策手段を掲げている。減反政策や農協改革、株式会社の参入などを提示する等、その他の党が踏み込めないことについても政策手段として掲げており、その点は加点できる。しかし、それらの政策を実現し、農業をどのように再生していくのか、という道筋は読み取れない。また、達成時期や財源、工程などは何ら明らかにされていない。


【実質要件についての評価 16 点/60点】

将来の農業を見据えた際、農協改革や減反政策などについては重要なテーマであり、その点について触れたことは評価できる。また、特に、減反政策の見直しについては、「消費者負担となる高価格維持政策は改め」、「価格下落部分の補てんは直接支払い(納税者負担)」にすることが明記されるなど、かなり踏み込んだ政策を提示している。TPPについては積極的に推進し、参加後も持続可能な農業のためとされている。しかし、どのように実行していくのか、については明らかにされていない。一方で、次代の担い手をどう呼び込んでいくのか、という課題には何も触れていない。農業に対する全体的な政策を見ても、どのような理念の下に各政策を提示し、道筋を示しているのかがわからない。また、10年後の水田農業をどのようにしていくのか、中長期的なビジョンは何も示されておらず、ガバナンスは不透明であり、説明責任も果たしていない。

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【 評価点数一覧 / 共産党 】

  項 目
共産党
形式要件
(40点)
理念(10点)
4
目標設定(10点)
4
達成時期(8点)
0
財源(7点)
0
工程・政策手段(5点)
0
合計(40点)
8
実質要件
(60点)
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
1
課題解決の妥当性(20点)
1
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
0
合計(60点)
2
 合 計
10


【評価結果】共産党 マニフェスト評価   合計 10 点 (形式要件 点、実質要件 点)

【形式要件についての評価 点/40点】

日本農業の再生と、食料主権の確立を掲げ、農林漁業の再建、食料自給率の50%代への引き上げを柱に据え、家族経営でも、大規模経営でも成り立つ本格的な農業振興策を進めること、販売価格との差額を補てんする「不足払い制度」の創設と多面的機能を基にした所得補償の実施などを明記した。しかし、達成時期、財源の裏付け、工程などは明らかにされていない。また、生産調整などには全く触れられていない。
新規就農支援法の制定により、新規就農者につき最大月15万円、最長5年間支援することが明らかにされているが、これについても財源、達成時期、工程など何もない。


【実質要件についての評価 点/60点】

日本農業の再生と、食料主権の確立を掲げ、農林漁業の再建、食料自給率の50%代への引き上げを柱に据えたが、日本の農業の再生に向けて、米の生産調整の在り方と農家の保護についてどのように認識しているのか、何ら明らかにされていない。また、TPPについては、交渉参加を撤回することで、農業の再生と食料主権が明記されているが、その関連性などについて何も明らかにされていない。
また、担い手支援は掲げられているが、現状も実施されており、それと何が違い、どのように実施していくのかなど明らかにされていない。また、上記について説明責任も果たしていない。

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【 評価点数一覧 / 社民党 】

  項 目
社民党
形式要件
(40点)
理念(10点)
0
目標設定(10点)
1
達成時期(8点)
0
財源(7点)
0
工程・政策手段(5点)
0
合計(40点)
1
実質要件
(60点)
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
1
課題解決の妥当性(20点)
0
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
0
合計(60点)
0
 合 計
2


【評価結果】社民党 マニフェスト評価   合計 点 (形式要件 点、実質要件 点)

【形式要件についての評価 点/40点】

社民党の公約は、安倍政権の政策への批判から始まっているが、どのような理念の下に農林水産業の各々の政策が提示されているのか何もわからない。食料自給率は2020年に50%以上という目標は見られるが、達成時期、財源、工程、政策手段など何も明らかにされていない。


【実質要件についての評価 点/60点】

農業政策に対する課題設定自体、安倍政権の批判という視点から構成されており、農業政策の現状をどのように認識し、課題を抽出しているのか、何もわからない。

どのような理念の下に各政策を提示し、将来の水田農業をどのようにしていくのか、中長期的なビジョンは何も示されておらず、ガバナンスや責任の所在も不透明である。

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【 評価点数一覧 / 生活の党 】

  項 目
生活の党
形式要件
(40点)
理念(10点)
1
目標設定(10点)
2
達成時期(8点)
0
財源(7点)
0
工程・政策手段(5点)
0
合計(40点)
3
実質要件
(60点)
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
2
課題解決の妥当性(20点)
0
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
0
合計(60点)
2
 合 計
5


【評価結果】生活の党 マニフェスト評価   合計 点 (形式要件 点、実質要件 点)

【形式要件についての評価 点/40点】

「個々の農林漁業者を大切にしつつ、国民の食の安全と安心を確保する」ということを掲げているが、スローガン的で、今後の農業をどのように考えているのか、その理念は何も明らかにされていない。また、戸別所得補償の法制化、食料自給率100%の実現など、目標も見られるか、それに対する達成時期や財源、工程や政策手段は何ら明らかされていない。減反政策などについての記述もない。


【実質要件についての評価 点/60点】

将来の農業を見据えた際、農協改革は避けて通れない重要なテーマであり、そのこと自体に触れ点については評価できる。しかし、減反政策や次代の担い手をどう呼び込んでいくのか、という点については何も触れられておらず、どのような課題認識をしているのか不明である。また、いくつか掲げられている政策であるが、なぜ必要なのか、そしてどのような体制で、どうやって実現していくのか、それらについて何も触れられておらず、単なる掛け声倒れである。農業に対する全体的な政策を見ても、どのような理念の下に各政策を提示しているのかがわからない。また、農業の中長期的なビジョンは何も示されておらず、ガバナンスやそれに対する説明もない。

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【 評価点数一覧 / みどりの風 】

  項 目
みどりの風
形式要件
(40点)
理念(10点)
3
目標設定(10点)
0
達成時期(8点)
0
財源(7点)
0
工程・政策手段(5点)
1
合計(40点)
4
実質要件
(60点)
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
1
課題解決の妥当性(20点)
0
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
0
合計(60点)
1
 合 計
5


【評価結果】みどりの風 マニフェスト評価   合計 点 (形式要件 点、実質要件 点)

【形式要件についての評価 点/40点】

「日本の農林水産業を成長産業に育て、若い世代へのバタンタッチを実現」を掲げている。しかし、その目的達成に向けた目標設定はなく、達成時期、財源の裏付けなどは何もない。戸別所得補償制度の拡充、6次産業化などが掲げられえいるが、どのような工程で行われるのか何も説明していない。


【実質要件についての評価 点/60点】

「日本の農林水産業を成長産業に育て、若い世代へのバタンタッチを実現」を掲げているが、それに対して、どのような体系性を持って政策をすすめるのか何もわからない。また、若い世代へ農業を継承していくことこそ認識していると思われるが、それについての具体的な政策は何もない。減反政策への課題認識もわからない。また、TPPについては「農業に限らず国民生活のあらゆる場面に影響を与える」などから断固反対しているが、農業政策にどのような影響を与えるのか、について何ら言及されていない。
将来の農業をどうするのか、その展望は何ら示されておらず説明もない。

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