評価の視点
政治改革においては、今後の二院制の在り方をどのようにしていくべきか、という視点が求められる。「ねじれ国会」の下、衆参両院の結論が異なること自体は、国会が二院制を採用している以上、むしろ想定の範囲内である。もともと、参議院は憲法で予算の議決や条約の承認などの優越が規定されている衆院に対し、「独自性」を追及してきた。6年という長い任期に加え、衆議院のような任期途中の解散がない特性を生かし、政争とは一線を画した熟議によって「良識の府、再考の府」を目指してきた。しかし、現実には、「参議院は衆議院のカーボンコピー」と揶揄されるほど、両院が同じ結論ばかりという時代もあったり、逆に近年のようにねじれ国会の下、参議院が政局の主戦場となり、「決められない政治」の一因となったりしてきた。
そこでまず、機能する二院制のあり方として、衆議院と参議院の役割の違い、代表選出の仕方を含めた抜本的な改革の方向性を提示しているかを評価の視点とする。
上記のような視点を中心とするが、他にも政党法など政党のガバナンスの問題を検討できていれば加点要素とする。
【行政改革】
政改革は、大きな転換期における国家の発展と国民生活の向上の追求、変容する国民ニーズへの対応、危機的な財政状況、社会保障・税一体改革(消費税増税)を前提とした「身を切る改革」などの現下の課題を踏まえると、行政機能や政策効果を最大限向上させ、政府に対する国民の信頼を得るために、極めて重要な取組みとなる。
そこでは、政官関係の見直しと真の政治主導の実現、国・地方・民間の役割分担の再検討や業務見直しの徹底等幅広いテーマに取り組むことが必要になるが、特に現在、行政改革推進本部で議論されている、独立行政法人改革、特別会計改革、無駄の撲滅への対応などを重要な評価のポイントとする。
また、当面の課題として国家公務員の給与を削減する臨時特例法をどうするか、今後の課題として道州制を念頭に置いた中央省庁の整理の問題などを検討できていれば加点要素とする。
【公務員制度改革】
成20年に第1次安倍政権下で成立した国家公務員制度改革基本法は、官僚主導から政治主導への転換、各省縄張り主義の打破、キャリア制度の廃止を三本柱とし、幹部人事の内閣一元管理などを打ち出していた。この基本法は改革の枠組みを定めたものであり、実際の改革には、国家公務員法等の個別法の改正が必要である。しかし、基本法の成立からほぼ5年が経過したが、麻生政権以降、関連法案の提出と廃案を繰り返した結果、いまだに基本法の具体化は実現に至っていない。第2次安倍政権でも、有識者で構成される「今後の公務員制度改革の在り方に関する意見交換会」が発足したが、改革のあり方を改めて議論しており、当初の改革の目的を見失っているような状況である。
そこでマニフェストでは、基本法をどう実施していくのか、その道筋を示すことが必要である。その際、公務員制度の現状の問題点を踏まえた上で、何のために改革をするのか、改革の意味を明らかにしていくことも求められる。そして、そこでは、公務員の役割を再定義し、公務員に何をさせるのか、そして、逆に政治は何をするべきなのか、という視点を示すことも重要である。
【 評価点数一覧 / 自民党 】
項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
|
6
|
目標設定(10点)
|
6
|
|
達成時期(8点)
|
0
|
|
財源(7点)
|
0
|
|
工程・政策手段(5点)
|
4
|
|
合計(40点)
|
16
|
|
実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
|
9
|
課題解決の妥当性(20点)
|
5
|
|
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
|
5 | |
合計(60点)
|
19
|
|
合 計
|
35
|
【評価結果】自民党 マニフェスト評価 合計 35 点 (形式要件 16 点、実質要件 19 点)
【形式要件についての評価 16 点/40点】
【政治改革】
自民党選挙公約において、政治改革に関する記述は、「さあ、国民のための政治・行政改革を。」とのキャッチフレーズの下、わずかに2項目5行のみである。
その内容は、参議院について、「『4増4減法案』を成立させ、1票の格差問題を解消しました。抜本的な選挙制度改革は、2016 年の参議院選挙までに、その実現を目指します。」と、衆議院について「まず『0増5減』を実現し、違憲状態を回避しました。さらに比例定数30の削減を行い、多様な民意の反映をより可能とする抜本的な変更の実現を目指します。」の2つである。ただ、参議院の4増4減も衆議院の0増5減も、すでに実現済みの事項であり、改めて公約に記載することの意味は全くない。
一応、期限と目標数値は入っているといえるが、そもそもなぜこの抜本的な改革に取り組む必要があるのかは全く説明されていないし、実現に向けた工程や政策手段も示されていない。
【行政改革】
目的を「行政機能や政策効果を向上させる本来の目的に沿った『真の行政改革』を推進」することであると記している。従来の数減らし、行政量の削減のみを目的とするのではなく、生産性の視点が必要であることが示唆されている。しかし、手段として、省庁再々編を視野に入れた中央省庁改革、国と地方の役割分担、国家公務員制度の改革を掲げているが、何を目指すのかについては明確に示されていない。
中央省庁改革については、「行政改革推進本部」を軸に政治主導で実施することが明記され、それによって何をするのかが記されている。
しかし、達成時期など工程についての記述はない。
【公務員制度改革】
務員制度改革に関する言及は、「国家公務員制度改革基本法を踏まえて、幹部人事を一元的に行う「内閣人事局」の設置、幹部職への若手等の抜擢、能力・実績主義の徹底、給与体系の抜本改革、中途採用の拡充、天下りの根絶などの公務員制度改革を断行します」のみであるが、それらがなぜ必要なのか、その理由については説明されていない。
期限と目標数値は入っておらず、実現に向けた工程は特に示されていない。
【実質要件についての評価 19 点/60点】
【政治改革】
施衆参両院の抜本的な選挙制度改革は、体系的に参議院の改革につながり得るものであるが、公約ではその具体的な内容は示していないし、そもそも自民党は特にこれを参議院改革に関連付けているわけではない。すなわち、これまで有効に機能してこなかった参議院をどのように変えていくのか、衆議院との役割分担はどうするのか、などの視点は全く示していないため、課題抽出という点でも不十分であるし、課題解決に向けて妥当性のある政策なのかは判断できない。
また、4月以来、各党で協議を続けてきたが、意見の隔たりが大きく、合意形成にはほど遠い状況の中、政権与党としてどのように今後の与野党協議を主導していく方針なのかも全く示していない。
【行政改革】
行政機能や政策効果を向上させる「真の行政改革」を掲げ、単なる数減らしや減量を上位目標に掲げる路線から変更したことは評価できる。ただし、左記の真の行政改革を実施するためには、省庁再編のみならず国の出先機関、独法、特殊法人の改革、基金制度の問題など、掲げられるべき課題はより多いはずであるため、課題を抽出し切れていない。また、省庁再々編を課題に掲げているが、なぜ、それが必要であるのかの説明がなく、やや唐突な印象が否めない。そもそも本来であれば、1999年に実施された省庁再編の成果と課題について検証を行うべきであるが、それもしていない。さらに、真の行政改革を実施するというのであれば、国と地方の役割分担だけでなく、官と民の役割分担や規制改革制度とセットで議論されるべきであるが、言及されていない。
実行体制としては、国・地方の役割分担や業務見直しを「行政改革推進本部」とともに実施することが掲げられているが、先般、実施された行政事業レビュー(無駄の排除を目的)の実施状況を見ると、同推進本部の各府省への影響力が減退しており、実行可能性が懸念される。省庁再編については、霞が関からの大いなる抵抗が予想されるが、「政治主導」というものをどこまで実現できるのかは未知数である。
【公務員制度改革】
理念は特に示されておらず、改革の目的というのも判然としない。基本法をきちんと踏まえ、それに沿った方針を示しているので、体系性はあり、課題の抽出もできているといえるが、具体化は全くしていない。例えば、内閣人事局については、麻生政権下での法案では人事院の主要機能を内閣人事局に移す構想に政府・与党内から批判が噴出したが、この公約では批判を避けるかのようにその構想を示していない。また、評価の視点で示した通り、これまで基本法の具体化は遅々として進んでいなかったが、政策実行の体制や指導性も、その手がかりになるような記述は一切ない。国家公務員制度改革推進本部事務局は5年間の設置期限を迎え、7月で廃止され、「推進本部」とは名ばかりで「停滞本部」として成果らしい成果も出せずに幕を閉じた。その事務局は行政改革推進本部(本部長・安倍晋三首相)の下に新設した国家公務員制度改革事務局に衣替えしたが、取り巻く環境は何も変っておらず、公約からも改革をどう推進していくのか、その体制は示していないため、進捗に向けた政治の強い意志は読み取れない。
項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
|
3
|
目標設定(10点)
|
3
|
|
達成時期(8点)
|
0
|
|
財源(7点)
|
0
|
|
工程・政策手段(5点)
|
0
|
|
合計(40点)
|
6
|
|
実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
|
5
|
課題解決の妥当性(20点)
|
5
|
|
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
|
0 | |
合計(60点)
|
10
|
|
合 計
|
16
|
【評価結果】公明党 マニフェスト評価 合計 16 点 (形式要件 6 点、実質要件 10 点)
【形式要件についての評価 6 点/40点】
【政治改革】
公明党は「当面する重要政策課題」において、1ページを割いて政治改革に関する政策を提示しており、他党に比較するとこの政治改革が公約に占める割合は大きい。ただし、衆議院における「0増5減」、参議院における「4増4減」など、すでに実現した事項の成果誇示など、マニフェストには本来不要な記載も多い。
その内容としては、「もっと民意を。選挙制度改革の実現へ」のスローガンを示し、より民意を反映できる選挙制度にすることが目的であることを明記している。ただし、現行制度が民意の反映という点で、どのような問題を抱えているのかは示していない。
具体的な政策としては、まず、衆議院について、「比例定数180を30削減して、残り150のうち60を得票率が2位以下の政党に配分」する改革案を提示し、参議院について「現行の都道府県選挙区と全国比例区を廃止し、全国を11程度のブロックに分けた大選挙区記名投票方式への改革」を提案しており、目標設定も明確になっている。しかし、参議院の役割をどう定義するかという点については「衆参両院の役割の違い」に言及しているのみで、具体的な方向性を示していない点は減点要因である。
一方、達成時期や実現に向けた工程については特に言及されていない。
【行政改革】
明確な説明はないが、公約の記述から、独立行政法人の数を減らすことを目的として提示していると思われる。基金や独立行政法人等の金融業務の無駄の存在がその課題抽出の背景ではないかと思われる。
しかし、削減する法人数や具体的な金額は示されていない。基金や金融業務の見直しについては、その問題の所在が明確に示されておらず、何をどのように改革するのかまでは記されていない。
手段としては、独法と金融業務については「検証」が、基金については毎年の業務進捗状況の報告義務が記されている。ただ、検証だけでは曖昧であり、既存の評価や行政事業レビューとの相違点が不明である。基金についても現行の事業報告や評価と何がどのように異なるのかが曖昧であるなど、目標実現のための工程は明らかになっていない。
【公務員制度改革】
公明党はその公約において、公務員制度改革に関する言及は一切ない。よって評価は不可能である。
【実質要件についての評価 10 点/60点】
【政治改革】
衆参両院の役割の違いを踏まえた上で、選挙制度もその役割に応じて考える」と述べているため、本来であれば施策の体系性はあるはずであるが、実際の公約では、定数削減と選挙制度改革に関する主張がメインとなっており、衆参両院のあり方まで議論が展開されないまま公約が終わっている。その結果、何のための改革なのか判然とせず、施策としての体系性も失われている。
さらに、4月以来、各党で協議を続けてきたが、意見の隔たりが大きく、合意形成にはほど遠い状況の中、政権与党としてどのように今後の与野党協議を主導していく方針なのかも全く示していない。
【行政改革】
独立行政法人制度改革については、現政権の下で、「数減らし」を目的にするのではなく、生産性の有無に着目し、効果を上げた団体については剰余金の留保を認めるなどのインセンティブを認め、他方で生産性の上がらないものについては処分をするなどの、メリハリをつけた改革が必要であるとして、改革実行プランが検討されているところである。しかし、公明党は政権与党であるにもかかわらず、上述の議論の背景にある考え方を反映することなく、単なる数減らしの問題提起をしている。独法に関しては、その創設の背景には、「国が担わなくてもよいが、ないと経済・社会や国民生活に支障をきたす」ような財やサービスをどのように運営してゆくのかという、公共経営の問題があるが、この点に関する理解も不充分である。また、「検証」は既存の制度の中で実施されており、それの何を改善すべきなのか指摘されるべきだが、記述はない。
基金については、緊急雇用、復興関連で問題が噴出していることに鑑みれば、課題として掲げたことは適切である。しかし、基金についても「毎年の進行状況の公表」が、既存の評価制度と何が違うのかがわからないなどの問題がある。以上のことから課題解決方法の妥当性も乏しい。
政権与党ではあるが、現政権として掲げた行政改革方針と考え方の本質において食い違いが見られる。自民党と調整ができるのか、など実行体制や指導性にも疑問がある。
【公務員制度改革】
公明党はその公約において、公務員制度改革に関する言及は一切ない。よって評価は不可能である。
項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
|
3
|
目標設定(10点)
|
2
|
|
達成時期(8点)
|
0
|
|
財源(7点)
|
0
|
|
工程・政策手段(5点)
|
0
|
|
合計(40点)
|
5
|
|
実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
|
5
|
課題解決の妥当性(20点)
|
4
|
|
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
|
0 | |
合計(60点)
|
9
|
|
合 計
|
14
|
【評価結果】民主党 マニフェスト評価 合計 14 点 (形式要件 5 点、実質要件 9 点)
【形式要件についての評価 5 点/40点】
【政治改革】
議員定数削減の目標数値は入っているが、実現に向けた工程や政策手段は示されていない。
【実質要件についての評価 9 点/60点】
【政治改革】
目指す政治改革の理念は全く示されていないし、同じ項目の中に「議員歳費の削減」と「両院協議会の見直し」を同時に盛り込んでいるなど、施策としての体系性は見られない。
また、議員定数削減は何のために行うのか全く示していないし、参議院のあり方についても言及していないため、課題解決の妥当性も判断できない。
両院協議会の見直しについては、その制度設計次第では、ねじれ国会の解消につながり得るかもしれないが、マニフェストでは単に「見直し」としか述べておらず、制度改革の方向性が見えないため、やはり課題解決につながるものであるのか判断できない。
さらに、達成時期も示されていないし、今後各党との協議をどのように行っていくのかも示されていないため、政策実行に向けた体制や指導性も見えてこない。そもそも、定数削減に関しては、民主党が政権与党だった時代に、なぜ取り組んでこなかったのか、その点についての説明がない以上、このマニフェストの信用性も担保されるものではない。
【行政改革】
前述のように「改革」という手段を政策目標に掲げてしまったために政策体系らしきものは構築されていない。ただし、マニフェスト全体からは、政治、行政の改革と規制改革、併せて新しい公共など、公共領域を官民、国・地方でどのように分担してゆくのかという発想を読み取ることはできる。だが、体系性がないためにその発想を活かすことができていない。
また、ここで掲げられた9つの個別政策については、抽象的なものや、政権与党時代に成果を上げることのできなかった政策実行手段の復活が目立つ。さらに、公務員数の数減らしをゴールとしており、その先に何を目指すのかの説明がない。他にも、規制の撤廃や手続きの簡素化と述べているが、何の分野であるのかが不明である。
実行体制や指導性についても、これだけ異種・異質のものを「改革」で束ねて、どのように実行してゆくのか、その体制をイメージすることが難しい。
【公務員制度改革】
理念については特に示されていない。内容も幹部の人事管理については、基本法の実現につながるものではあるが、制度設計は全く示されていない。総人件費削減は民主党政権時代でも、時限法の国家公務員給与削減の臨時特例法以外は進まなかったことをどう踏まえ、どう改善しようとしているのか、その道筋は明らかではない。また、労働基本権については、労使交渉を可能にするのであれば人事院の扱いはどうなるのか示していないなどこちらも制度設計は明らかではないし、協約締結権を付与する場合、労使交渉の結果、かえって給与水準が上がる可能性があり、総人件費削減方針に逆行する可能性がある点も考慮していない。
以上のように課題は取り上げているが、その解決方法は全く示しておらず、政策実行の体制や指導性など政治のリーダーシップを期待できるような手がかりになる記述も一切ない。
項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
|
1
|
目標設定(10点)
|
4
|
|
達成時期(8点)
|
0
|
|
財源(7点)
|
0
|
|
工程・政策手段(5点)
|
0
|
|
合計(40点)
|
5
|
|
実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
|
1
|
課題解決の妥当性(20点)
|
3
|
|
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
|
1 | |
合計(60点)
|
5
|
|
合 計
|
10
|
【評価結果】日本維新の会 マニフェスト評価 合計 10 (形式要件 5 点、実質要件 5 点)
【形式要件についての評価 5 点/40点】
【政治改革】【実質要件についての評価 5 点/60点】
【政治改革】さらに、課題解決に向けた政策実行の体制や指導性も不透明である。
【行政改革】
項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
|
7
|
目標設定(10点)
|
6
|
|
達成時期(8点)
|
0
|
|
財源(7点)
|
0
|
|
工程・政策手段(5点)
|
0
|
|
合計(40点)
|
13
|
|
実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
|
7
|
課題解決の妥当性(20点)
|
5
|
|
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
|
0 | |
合計(60点)
|
12
|
|
合 計
|
25
|
【評価結果】みんなの党 マニフェスト評価 合計 25 点 (形式要件 13 点、実質要件 12 点)
【形式要件についての評価 13 点/40点】
【政治改革】【実質要件についての評価 12 点/60点】
【政治改革】一方、政党法の制定など政党のガバナンスを意識できているのは評価できる。しかし、全体的には以上のように、制度設計を詰め切れておらず、課題解決に向けた政策実行の体制や指導性も不透明である。
他にも国家公務員の給与を削減する臨時特例法の恒久措置など大きな抵抗が予想される政策が多いが、これだけ急進的な改革案を掲げるのであれば、それを着実に実行するための道筋を示しておく必要があるにもかかわらず、それについても特に示していない。
項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
|
3
|
目標設定(10点)
|
0
|
|
達成時期(8点)
|
0
|
|
財源(7点)
|
0
|
|
工程・政策手段(5点)
|
0 | |
合計(40点)
|
3
|
|
実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
|
3
|
課題解決の妥当性(20点)
|
0
|
|
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
|
0 | |
合計(60点)
|
3
|
|
合 計
|
6
|
【評価結果】共産党 マニフェスト評価 合計 6 点 (形式要件 3 点、実質要件 3 点)
【形式要件についての評価 3 点/40点】
【政治改革】【実質要件についての評価 3 点/60点】
【政治改革】項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
|
2
|
目標設定(10点)
|
3
|
|
達成時期(8点)
|
0
|
|
財源(7点)
|
0
|
|
工程・政策手段(5点)
|
0 | |
合計(40点)
|
5
|
|
実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
|
2
|
課題解決の妥当性(20点)
|
1
|
|
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
|
0 | |
合計(60点)
|
3
|
|
合 計
|
8
|
【評価結果】社民党 マニフェスト評価 合計 8 点 (形式要件 5 点、実質要件 3 点)
【形式要件についての評価 5 点/40点】
【政治改革】期限や目標数値、工程などは明らかにしていない。
【実質要件についての評価 3 点/60点】
【政治改革】項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
|
3
|
目標設定(10点)
|
2
|
|
達成時期(8点)
|
0
|
|
財源(7点)
|
0
|
|
工程・政策手段(5点)
|
0 | |
合計(40点)
|
5
|
|
実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
|
1 |
課題解決の妥当性(20点)
|
2
|
|
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
|
0 | |
合計(60点)
|
3
|
|
合 計
|
8
|
【評価結果】生活の党 マニフェスト評価 合計 8 点 (形式要件 5 点、実質要件 3 点)
【形式要件についての評価 5 点/40点】
【政治改革】【実質要件についての評価 3 点/60点】
【政治改革】次に、社会保障や公共サービスの財源捻出については、その具体策として予算組替え、特別会計改革を提示している。しかし、そもそも予算の組替えも特別会計等の抜本的改革も、生活の党所属議員達が与党・民主党在籍時に頓挫したものである。したがって、その反省と教訓をどう活かしていくのかを示さないと公約の信頼性は担保されるものではないが、それもないため、課題解決の妥当性、さらには政策実行の指導性や責任も読み取ることはできない。
項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
|
3
|
目標設定(10点)
|
0
|
|
達成時期(8点)
|
0
|
|
財源(7点)
|
0
|
|
工程・政策手段(5点)
|
0 | |
合計(40点)
|
3 | |
実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
|
3
|
課題解決の妥当性(20点)
|
0
|
|
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
|
0 | |
合計(60点)
|
3
|
|
合 計
|
6
|
【評価結果】みどりの風 マニフェスト評価 合計 6 点 (形式要件 3 点、実質要件 3 点)
【形式要件についての評価 3 点/40点】
【政治改革】【実質要件についての評価 3 点/60点】
【政治改革】
「政局でない政策本位の国会」はねじれ国会による決められない政治の現状を意識していると思われるので、課題認識の方向性としては正しいし、「衆参両議院の役割分担の明確化」に言及しているのも評価できる。しかし、肝心のその「役割分担」を具体化することなく終わっているため、これが課題解決策として本当に妥当性があるのかどうかは判断できない。
また、課題解決に向けた政策実行の体制や指導性も、その手がかりになるような記述は一切ないため、不明である。
【行政改革】
行政改革に関する記述がないので、評価は不可能である。
【公務員制度改革】
上記のように抽象的かつ簡潔な記述にとどまるため、実質的な評価は不可能である。