評価の視点
憲法改正問題において、政党に求められるのは、まず、改憲の是非についての立場を明らかにすることである。そして、その上で、改憲の立場を取るのであれば、現代社会において、現行憲法を変えなければ解決できない課題としてどのようなものがあるのか、その解決のためにはどの条項をどう改正すればよいのかを示す必要がある。さらに、憲法改正を通じて、日本がどのような国を目指すのか、国際社会の中で何をする国(あるいは何をしない国)になるのか、目指す将来の国家像を描けていればプラスの評価となる。
逆に、改憲しない立場を取る場合には、現行憲法でも現代日本を取り巻く様々な問題に対して十分対応可能である、あるいは変えなくても他に対応する手段があることを論証していくことが求められる。さらに、現行憲法の規範や理念を、今後の政治や社会にどのように取り込んでいくべきか、ということを、様々な現実を踏まえた上で説得的に論証できればプラスの評価となる。
また、96条の発議要件緩和の問題に関連して、現行憲法の硬性憲法としての性質をどう考えているのか、党としての立場を説明しているかどうかも評価の基本的なポイントになる。
【 評価点数一覧 / 自民党 】
項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
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7
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目標設定(10点)
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2
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達成時期(8点)
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0
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財源(7点)
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0
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工程・政策手段(5点)
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0
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合計(40点)
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9
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実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
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5
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課題解決の妥当性(20点)
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5
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|
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
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9 | |
合計(60点)
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10
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合 計
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19
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【評価結果】自民党 マニフェスト評価 合計 19 点 (形式要件 9 点、実質要件 10 点)
【形式要件についての評価 9 点/40点】
自民党はその選挙公約において、憲法改正に関して独立の項目を設けている。そこでは、「さあ、時代が求める憲法を。」とのキャッチフレーズの下、昨年4月に発表した「日本国憲法改正草案」の主な内容を再掲している。また、その目的として、時代の要請と新たな課題に対応することを掲げている。96条について改正を明示して、自党の立場を明らかにしている点は加点要素である。
それを受けた実現のための工程としては、「自民党は、広く国民の理解を得つつ、『憲法改正原案』の国会提出を目指し、憲法改正に積極的に取り組んでいきます」とあるのみであり、達成時期も明らかになっていない。
【実質要件についての評価 10 点/60点】
はっきりと改憲の姿勢を明示している点は評価できる。しかし、目的として掲げた「時代の要請と新たな課題」としてはどのようなものがあるのかは示していない箇所が多く、改憲の必要性が分かりにくい。中には領土問題を念頭に置いたと見られる「国防軍の設置、領土等の保全義務」や大規模災害を念頭に置いたと見られる「緊急事態条項」など必要性の根拠が推察できる項目もあるが、前者においては国防軍ができることは何か、後者においては政府の権限や国民の義務の内容などが具体的に示されていないため、本当に新たな課題に応えられるものなのかどうかは判然とせず、したがって、課題解決の妥当性も判断できない。
また、改正草案の10項目を羅列しているだけであるので、自民党が改憲によってどのように国のかたちを変えていこうとしているのかは判然としない。ただ、公約の他の政策分野、例えば、社会保障や教育においては、憲法草案と同様の規範(家族や歴史・文化の重視など)を盛り込み、公約全体の整合性は維持できている。
政策実行体制としては、改正に向けた工程は示していないし、連立を組む公明党との違い(例えば、96条の発議要件の緩和について)をどう調整していくのかなど、政権与党として憲法改正論議をどう主導していくのか、その方針が見えてこない。
項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
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5
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目標設定(10点)
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3
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達成時期(8点)
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0
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財源(7点)
|
0
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工程・政策手段(5点)
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0
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合計(40点)
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8
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実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
|
5
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課題解決の妥当性(20点)
|
5
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政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
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0 | |
合計(60点)
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10
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合 計
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18
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【評価結果】公明党 マニフェスト評価 合計 18 点 (形式要件 8 点、実質要件 10 点)
【形式要件についての評価 8 点/40点】
公明党は「当面する重要政策課題」において、1ページを割いて憲法改正に関する政策を提示している。その内容としては、基本的人権の尊重、国民主権、恒久平和主義の三原則は堅持しつつ、新たに必要とされる理念・条文を現行憲法に加える「加憲」を最も現実的で妥当な方式としている。その対象としては、環境権など新しい人権、地方自治の拡充などが挙げられ、9条については論議の対象とはするものの、慎重に検討していくとしている。また、96条については、要件を緩和せず、硬性憲法としての性格を維持すべきであるとしている。
上記のように、憲法改正において何をするのかについてはある程度の方向性は示しているものの、そもそもなぜそれが必要なのか、という点については特段の言及がないため、背景にある目的や理念は明らかになっていない。
また、達成時期や実現に向けた工程についても特に言及されていないため、実現に向けた道筋は明らかではない。
【実質要件についての評価 10 点/60点】
三原則や96条は堅持しつつ、環境権など新しい人権や地方自治の拡充など広範な合意を得られやすい事項について、国民的議論を深めていく、としており、改憲への工程としては無理のないものを提示できている。
しかし、そもそもなぜ環境権や地方自治を提示しているのか、その理由は判然としない。というのも、同党のマニフェストでは、環境問題についての言及はないし、地方自治についても道州制について簡素な記述があるのみなので、それらに対して重大な問題意識を持っているとは思えず、果たして改憲してまで対応する必要があるのか疑問である。
本当に改憲が必要であるのであれば、環境や地方自治における問題点を指摘した上で、改憲によってそれがどのように解決できるのか、そのイメージを示すべきである。
また、政策実行の実現可能性としても、連立を組む自民党との違い(例えば、96条の発議要件の緩和について)をどう調整していくのか、など、政権与党として憲法改正論議をどう主導していくのか、その方針が見えてこない。
項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
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3
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目標設定(10点)
|
2
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|
達成時期(8点)
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0
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財源(7点)
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0
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工程・政策手段(5点)
|
0
|
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合計(40点)
|
5
|
|
実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
|
3
|
課題解決の妥当性(20点)
|
2
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政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
|
0 | |
合計(60点)
|
5
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合 計
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10
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【評価結果】民主党 マニフェスト評価 合計 10 点 (形式要件 5 点、実質要件 5 点)
【形式要件についての評価 5 点/40点】
民主党はマニフェストで、憲法改正に関しては、まず、現行憲法の「国民主権」、「基本的人権の尊重」、「平和主義」という基本理念、及び、「象徴天皇制」など定着している諸原則については、堅持していく方針を明記している。その上で、現行憲法の基本理念を具体化し、真の立憲主義を確立するために、補うべき点や改めるべき点について国民と「憲法対話」を進め、「未来志向の憲法」を構想するとしている。すなわち、改憲の意思はあるが、どの条項をどう変えるのかについて、現時点では党としては何も決めていないということになる。「真の立憲主義を確立する」ことが目的と見られるが、それが何を意味しているのかは明らかではないし、達成時期も示されていない。また、実現のための政策手段も国民との憲法対話としているのみであり、その具体的な制度設計は何も示されていない。
【実質要件についての評価 5 点/60点】
憲法改正問題に関して、民主党の立場としてはっきりしているのは、現行憲法の三原則の堅持と、96条の先行改正には反対である、という点のみである。
96条についてはその意義を丁寧に説明している点は評価できる。しかし、三原則とりわけ平和主義の堅持については、これを堅持したままでも激変する北東アジア情勢に対応が可能であるということを論証すべきであるが、それがなされていない。また、「外交・防衛」などマニフェストの他項目でも示されていない。したがって、課題解決の妥当性も不透明なものになっている。
政策実行の体制という点でも同様に不透明な部分が多い。未来志向の憲法を「国民とともに構想する」としているが、基本的な方向性はまずは政治が提示すべきであり、公党に求められる指導性や責任が欠如している。
項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
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4
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目標設定(10点)
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5
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達成時期(8点)
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0
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財源(7点)
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0
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工程・政策手段(5点)
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0
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合計(40点)
|
9
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実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
|
5
|
課題解決の妥当性(20点)
|
1
|
|
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
|
0 | |
合計(60点)
|
6
|
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合 計
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15
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【評価結果】日本維新の会 マニフェスト評価 合計 15 (形式要件 9 点、実質要件 6 点)
【形式要件についての評価 9 点/40点】
日本維新の会はその選挙公約においては、「国家のシステムを賢く強くする」というタイトルの下、憲法改正に関して党としての立場を説明している。党の方針としては、改憲の姿勢は明確にしており、その改正事項としては、「96条の発議要件緩和」、「首相公選制の実現」、「明確に天皇を元首として位置付ける」、「一院制へ移行」、「健全な財政運営責任を憲法に明記」、「自衛権に基づく自立した安全保障体制確立」という6項目を挙げている。しかし、それらを提起するに至った背景となる社会事情については触れられていないし、憲法を改正する上での理念も示されていない。【実質要件についての評価 6 点/60点】
はっきりと改正の方針を打ち出し、96条についてのスタンスも自党の立場を明確にしていることは評価できる。しかし、上記6項目についてはただ羅列されているだけで、体系性もよく分からないものであるし、改憲しなければ現代日本が抱える課題に対応できないという根拠は示していないため、なぜ改憲が必要なのか、ということも明確になっていない。項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
|
0
|
目標設定(10点)
|
3
|
|
達成時期(8点)
|
0
|
|
財源(7点)
|
0
|
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工程・政策手段(5点)
|
0
|
|
合計(40点)
|
3
|
|
実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
|
0
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課題解決の妥当性(20点)
|
0
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|
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
|
0 | |
合計(60点)
|
0
|
|
合 計
|
3
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【評価結果】みんなの党 マニフェスト評価 合計 3 点 (形式要件 3 点、実質要件 0 点)
【形式要件についての評価 3 点/40点】
「みんなの党はその選挙公約で憲法改正に関しては、独立の項目を設けておらず、理念らしきものは掲げていない。あくまでも個別の政策において憲法改正が必要であれば言及する、という形式をとっており、その項目も「首相公選制」、「政党規定の新設」、「地域主権型道州制の導入後、国会の立法事項を制限」などにとどまっている。【実質要件についての評価 0 点/60点】
上記のように個別の政策に付随して改正のポイントを提示しているため、全体の体系性が非常に分かりにくいものになっている。同党の憲法観をうかがい知ることができるような内容にはなっていないため、実質的な評価は難しい。項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
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2
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目標設定(10点)
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5
|
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達成時期(8点)
|
0
|
|
財源(7点)
|
0
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工程・政策手段(5点)
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0 | |
合計(40点)
|
7
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|
実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
|
10
|
課題解決の妥当性(20点)
|
0
|
|
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
|
0 | |
合計(60点)
|
10
|
|
合 計
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17
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【評価結果】共産党 マニフェスト評価 合計 17 点 (形式要件 7 点、実質要件 10 点)
【形式要件についての評価 7 点/40点】
共産党はその選挙公約においては、「安倍政権の改憲への暴走と対決し、憲法を守り、生かす政治を」とのキャッチフレーズの下、3ページにわたって憲法改正に関して党としての見解を述べている。党の方針としては、「96条改正反対」、「9条堅持」、「それ以外の全条項も守る」というものである。【実質要件についての評価 10 点/60点】
はっきりと護憲の方針を打ち出し、自党の立場を明確にしていること、なぜ護憲が必要なのかという理由を説明していることは評価できる。しかし、9条を改正せずに、東アジアの平和と安定を実現する対案として掲げているのは、北朝鮮や中国との「道理に立った外交交渉」であるが、これをすることが非常に難航しているにもかかわらず、その実現のための具体的方策は示していない。また、東南アジア諸国連合(ASEAN)の加盟国がとっている、紛争が起こっても絶対に戦争をしない、軍事に頼らない「平和的安全保障」の考え方を、様々な前提条件の異なる北東アジアにも取り入れることを提案しているが、やはりこの実現に向けたプロセスも明らかにしていない。そもそもASEAN諸国は南シナ海問題等をめぐって国防力の強化を図っているので、まず現状認識の時点ですでに問題がある。項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
|
5
|
目標設定(10点)
|
5
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達成時期(8点)
|
0
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財源(7点)
|
0
|
|
工程・政策手段(5点)
|
0 | |
合計(40点)
|
10
|
|
実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
|
5
|
課題解決の妥当性(20点)
|
0
|
|
政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
|
1 | |
合計(60点)
|
6
|
|
合 計
|
16
|
【評価結果】社民党 マニフェスト評価 合計 16 点 (形式要件 10 点、実質要件 6 点)
【形式要件についての評価 10 点/40点】
社民党はその選挙公約で、「5つの約束」の最初に「改憲を阻止し、憲法をいかそう」とのキャッチフレーズの下、党としての見解を述べている。党の方針として打ち出しているのは、「96条改正反対」、「平和主義、国民主権、基本的人権の尊重の三原則遵守」、「憲法理念の具体化のための法整備や政策提起」、「平和基本法の制定」、「武器輸出3原則の厳守、集団的自衛権に関する憲法解釈変更反対、秘密保全法制定反対」というものである。【実質要件についての評価 6 点/60点】
理念が明確であり、はっきりと護憲の方針を打ち出し、自党の立場を明確にしていることは評価できる。ただし、憲法を変えなくても、現代日本が抱える問題には対処が可能であるという理由については説明されていない。例えば、現在の不安定な東アジア情勢を打開するためには、平和憲法が効果的に作用する、というプロセスについての論証はなされていないし、平和基本法の内容も全く示していないため、それが課題解決のために適切な政策手段であるのか判断はできない。項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
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2
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目標設定(10点)
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3
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達成時期(8点)
|
0
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財源(7点)
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0
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工程・政策手段(5点)
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0 | |
合計(40点)
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5
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実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
|
3 |
課題解決の妥当性(20点)
|
0
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政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
|
0 | |
合計(60点)
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3
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合 計
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8
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【評価結果】生活の党 マニフェスト評価 合計 8 点 (形式要件 5 点、実質要件 3 点)
【形式要件についての評価 5 点/40点】
生活の党はその選挙公約において、「いのち、暮らし、平和を守る基本理念を堅持する」という理念の下、憲法改正に関して党としての立場を説明している。党の方針としては、上記理念の下に「第96条の改正手続規定を堅持」、「新しい人権を規定」、「平和主義に基づき自衛権を行使」、「国連平和活動への積極参加」、「国会の行政監視機能の強化」、「国と地方の権限の明確化」、「緊急事態の規定を整備」と7つのポイントを挙げている。しかし、それぞれの項目について、なぜ加憲が必要なのか、という理由は示していない。【実質要件についての評価 3 点/60点】
上記理念のうち、「平和主義」に関しては、「平和主義に基づき自衛権を行使」、「国連平和活動への積極参加」が対応していると思われるが、「いのち」と「暮らし」は7つのポイントのうちどれが対応しているのかは明らかではなく、体系性に疑問がある構成になっている。また、それぞれの項目の関連性も薄いため、同党が構想する国家観も判然としない。項 目 | ||
形式要件 (40点) |
理念(10点)
|
1
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目標設定(10点)
|
2
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達成時期(8点)
|
0
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財源(7点)
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0
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工程・政策手段(5点)
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0 | |
合計(40点)
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3 | |
実質要件 (60点) |
体系性・課題抽出の妥当性(20点)
|
3
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課題解決の妥当性(20点)
|
0
|
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政策実行の体制、ガバナンス、指導性と責任(20点)
|
0 | |
合計(60点)
|
3
|
|
合 計
|
6
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【評価結果】みどりの風 マニフェスト評価 合計 6 点 (形式要件 3 点、実質要件 3 点)
【形式要件についての評価 3 点/40点】
みどりの風はその選挙公約において、「憲法を守り育てる」という理念の下、憲法改正に関して党としての立場を説明している。党の方針としては、上記理念の下に「96条の改正反対」、「主権者としての国民の意識向上、シチズンシップ教育の推進」、「国民投票制度の導入」、「国民的議論の活性化、メディアの正しい活用」、「一票の格差是正、民意を反映する選挙制度改革」、「9条改正反対」といった六点を提示している。しかし、なぜそれらを掲げるに至ったのか、同党の問題意識についての説明はない。【実質要件についての評価 3 点/60点】
上記理念が曖昧なため、6つのポイントも理念を実現する上で、妥当なものであるのか判断はできない。そもそも、「主権者としての国民の意識向上、シチズンシップ教育の推進」や「国民的議論の活性化、メディアの正しい活用」など憲法問題そのものではなく、環境整備の話も並列に盛り込んでおり、体系性という点からも疑問が残る構成になっている。また、憲法を変えなくても現代日本が抱える問題には対処が可能であるという理由は示していないため、護憲の主張に説得力がなくなっている。
さらに、制度設計も漠然としている。例えば、「国民投票制度の導入」は、(1)憲法41 条において、国会が国の唯一の立法機関であるとされ、間接民主制が採用されている。(2)直接民主制が憲法上、明文で規定されているのは、79 条の最高裁判所裁判官の国民審査、95 条の「一の地方公共団体のみに適用される特別法」における住民投票、96 条の憲法改正国民投票の三つだけである。(3)たとえ諮問的な国民投票であっても、事実上の拘束力を生じてしまい、憲法が定めている間接民主制の根幹に関わる、などの問題が指摘されているが、その点をどうクリアするのか示していない。
党として憲法問題にどう取り組むのか不透明であり、政策実行の体制やガバナンス、指導性や責任については評価はできない。