早いもので、前回、中国の北京に向かう直前にブログを初めて書いてから、10日以上も経ってしまいました。
北京での話をなかなか皆さんに報告できず、またまた反省をしていますが、
実はこの北京滞在中に懸案の「北京ー東京フォーラム」の東京大会の日程が決まりました。
今にして思えば、この北京訪問で日程が決まらなければ、「北京ー東京フォーラム」は第二回目にして暗礁に乗り上げる可能性もありました。その意味では
いわばぎりぎりセーフ。これですべての準備を始めることができます。
3月23日の言論NPOのメンバーフォーラム朝食会では、私のほうから日程を今年の8月3,4日の二日間とすることを初めて会場で説明させていただきましたが、
その際にはちょうど3月のゲスト・スピーカーとしてお迎えしていた中国の王毅大使からも「協力をしたい」旨の発言があり、とても励まされました。
8月の東京大会まであと4ヶ月余り。まさにカウントダウンが始まったのです。
私たちが「北京ー東京フォーラム」を立ち上げたのは、日中の深刻な対立を民間側の挑戦と議論の力で乗り越えられないかと考えたからです。
私たちがもっとも心配したのはアジアの成長を軸に世界がダイナミックな動きを始めているときに、両国のナショナリズムが加速し、緊張が高まることです。
ナショナリズムはアジアの将来に対して思考停止をもたらし、アジアに潜在的に存在する巨大なチャンスを奪いかねません。
この状況に正面から向かい合い、日中間の課題だけでなく、アジアの将来について本音で議論が行える新しいコミュニケーションチャネルを作り、その議論を
両国だけでなく世界に発信したい。それが私たちの提案です。
中国の四大紙のひとつのチャイナディリーと北京大学国際関係学院がこの提案を受け入れてくれ、
昨年夏、反日デモの余韻がくすぶり、日本の様々な民間交流が中断や延期に追い込まれる中、「北京ー東京フォーラム」が立ち上がったのです。
日本では総選挙目前のあわただしい時期でしたが、
新しい日中の議論のプラットフォームを実現するため、
30人近い日本の有識者が北京に向かったのです。
この時の議論はインターネットで世界に中継され、中国だけでなくCNN,BBCといった世界のメディアが報道しました。
問題は今年です。
日中関係が厳しさを増す中で、今度は中国の有識者に東京で行われる議論に参加してもらわなくてはなりません。
しかし、8月と言えば、日本では靖国参拝の可能性もあり、さらに9月の自民党総裁選を目前に、政局の動きが始まっています。
そんな時に
東京で開催が可能なのか、それが最大の不安材料でした。
一部では秋への延期説も出始めましたが、
私はどうしても
この8月に開催することにこだわったのです。
私が仲間と北京に向かったのはその考えを説明し、日程を確定するためでした。
(続く)