「メディア評価ブログ」立ち上げにあたって

2006年5月17日

今回は、今週、新たに立ち上げた「メディア評価ブログ」について報告させていただきます。
私はこれまで何度か、日本で今、問われているのは民主主義のあり方だと主張してきました。これは言論のあり方と密接に結びついています。

私は、ワンフレーズで多くの人を動かす、直接的で薄い民主主義を全て否定はしませんが、議論を積み上げ、その中で日本の政策形成を動かしていくような、強い民主主義のダイナミックな動きが必要だと考えています。

そのためにも、メディアの役割が今、問われているように思えるのです。 
言論NPOを立ち上げた時に私は、「言論不況」を主張し、日本の言論と政策論議に質と緊張感を取り戻したいと言いました。

その後、メディアの中では言論やオピニオンに対する強い姿勢を打ち出すメディアも現れました。しかし、メディアの役割はそう大きく変わったわけではありません。多くのメディアはユーザーに判断材料を十分提起できないまま、ある意味では騒ぎに便乗し、この間の劇場政治の担い手にもなっていたからです。

不思議なことに、そうした動きを作ったはずのメディアが、最近では「権力とメディア」の問題を他人事のように論評しています。

言論に質と緊張感を取り戻すのは、ある意味で答えは簡単です。

政策論議やさまざまな報道をめぐって適正な競争が行われ、その内容に市場からのプレッシャーがかけ続けられることです。

政治へのプレッシャーは有権者が、メディアへのプレッシャーはユーザ-である読者や視聴者がかけることになります。

競争が質を伴う言論を作り出し、それらが、読者がこの時代に向かい合うための重要な判断材料となるためには、ユーザー側がメディアの報道の質を見分ける目を肥やし、厳しい評価をするしかないと考えます。

私たちが「メディア評価ブログ」を立ち上げるのは、実際にメディアが報じるニュースや企画には様々な視点や論点があることを伝え、「マスコミ報道の問題点」を指摘し、広く問題提起をするためです。

これまで私たちは言論ブログ、マニフェスト評価ブログを立ち上げて、私たちが行っている議論や評価を公開してきました。それに続いて今度はメディアの議論を取り上げ、読者や視聴者が質の高いメディアを選ぶ、そのための手がかりを提供したいと考えています。 

メディアの報道について、また私たちの提供する議論について、皆さんがご意見をお寄せいただけることを楽しみにしています。