【謹賀新年】2016年は課題解決に向けて勝負をかける1年に

2016年1月01日

 あけましておめでとうございます。 言論NPO代表の工藤泰志です。
 昨年は、言論NPOの様々な活動にご理解とご協力を賜り、ありがとうございました。
 おかげさまで、言論NPOは15回目の正月を迎えることができました。
 これまで、私たちの活動にご支援とご協力をいただきました皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます。
 新しい年、私たちはこの国の将来と民主主義、アジアの平和と世界の課題解決に向けた「4つの言論」に取り組みます。

 昨年の年末、私たちが行った緊急のアンケートで、半数を超える日本の専門家や有識者が、2016年に私たちが本格的に取り組む課題として選んだのは、「人口減少や高齢化など日本の将来課題への取り組み」でした。そして、「非正規労働や貧困の問題」、「北東アジアの平和構築の問題」が約20%で続いています。
 さらに、2016年で最も気になることは、「財政再建」が25.8%で最も多く、「日本の経済動向」と、「ISなどの国際テロの問題」を、約23%が選んでいます。
 この国の将来や国境を越えた課題を新しい年の課題に、多くの有識者が選んだのは、この国がすでに直面している、将来解決が避けられない様々な課題に、今,全力で取り組まないと手遅れになりかねないと判断しているからです。

 人口現象や高齢化への取り組みの遅れは、老人介護等での深刻な社会問題を起こしているだけではなく、地域の衰退や社会保障の現行の様々な仕組みの維持や,財政再建に大きな不安を招くことになります。また、若者の非正規労働の拡大は貧困層との二極分化や出生率への影響を高めることになります。

 国際的なテロの問題や北東アジアの平和も解決しなくてはならない歴史的課題です。
 つまり、私たちが今、直面する多くの課題は,この国の未来への決定的な課題なのです。
 そうした課題を無視できないからこそ、安倍政権は新しい3つの矢が打ち出しました。しかし、その解決に向かって政治が本格的に動いているわけではありません。これを選挙向けのスローガンだけで終わらせることはできません。

 今年は7月に参議院選が行われる予定です。そして、先進国首脳会議も日本が議長国となり、この国で行われます。その政治的な大きなイベントを軸に政治の世界に課題解決に向けた競争を問わなくてはなりません。しかし、この国で未来に向かう新しい変化が始まるためには、政治に期待するだけではなく、私たち自身が国内や世界の課題に当事者として真剣に向かい合い、その解決に向けた様々な動きを始める必要があります。

 私たちが、新年、この国の将来や世界の課題に向かい合うため、議論を開始したいと考えているのは、そのためです。

 民主主義の強さは、課題への根拠のない楽観論や無関心からは生まれません。課題解決に挑む多くの人たちが課題解決に向けて議論をし合う、論理的で質の高い言論の強さが不可欠です。そうした言論の空間をより強いものとすることこそ私たちの使命であり、そうした取り組みこそ、民主主義の骨格をより強いものにする、と私は思うのです。

 私は、2016年を勝負の年だと考えています。

 しかし、こうしたこの国の未来を決定づける課題に挑み続けるには、言論NPOだけの力だけでは不十分です。ぜひ、多くの方々の力を貸していただき、私たちの挑戦にかかわっていただければと思っています。

 新年も年明けから議論を開始します。
 本年も、何卒よろしくお願い致します。

2016年1月1日 言論NPO代表 工藤泰志