言論NPOの工藤です。
エクセレントNPO大賞の表彰式も今回で9回目となりました。
私はまず、最初に、社会の課題に立ち向かう市民と、その動きに光を与え続けるこのエクセレントNPOの取り組みに、最大限の敬意の気持ちを示すと同時に、この取り組みに力を貸していただいた、多くの方に感謝の気持ちを伝えたいと思います。
大げさに聞こえるかもしれませんが、私は、課題に対する市民の取り組みや、そうした取り組みに対する市民の共感こそが、世界の今後を照らす、希望の松明(たいまつ)だと思っています。
ロシアの一方的な武力の侵攻で、多くの、罪もない市民が虐殺されています。
産婦人科の病院や、ショッピングセンターが一方的に攻撃を受け、多くの人が傷ついていても、それを軍事拠点だと言い続けるロシアの将校。
そして、望まない戦闘であっても、立ち上がる市民がいる。
政治体制や人種的な違いを越えて、こうしたウソの固められた暴力行為に怒りを感じ、市民の蜂起に、連帯したいと考えるのは、個人の命の尊厳に対する感性を、世界は共有しているからです。
だからこそ、こうした市民の感性は、国境を越えた世論となり、前例のない、ロシアの制裁を支持する基盤を作ったのだと、私は思います。
世界ではいま、国家を軸に考え、国家対立の中で、多くの課題を安全保障で考える傾向が強まっています。
一方的な武力侵攻に国連は全く機能せずに、いずれかの同盟に加わるしか、自分たちの国の安全を守れないと主張する、政治学者はこの日本にもたくさんいます。
分断する世界。それは私たちの希望の世界、だと私は思っていません。
私たちは、いま世界的な岐路に立たされて、いるのだと私は考えています。
私が、このエクセレントNPOを、松明(たいまつ)だと言ったのは、この局面を切り開くには、私たちの声、世論の大きな力しかない、と思っているからです。
課題を感じ、それに共感し、連帯する力こそが、この国の未来や、世界の今後にとって、極めて大事だ、と思うからです。
私が、今日の授賞式を楽しみにしているのは、ここには、これからの未来に向かう、確かな希望があるからです。
それでは、第9回のエクセレントNPO大賞の授賞式をこれより、始めさせていただきます。